女芸人No.1決定戦 THE W
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/18 13:36 UTC 版)
各種記録等
項目 | 記録 | 記録保持者 | 放送回 |
---|---|---|---|
優勝時の最長芸歴 | 12年 | 稲田美紀(紅しょうが) | 第7回 |
優勝時の最短芸歴 | 4年 | ゆりやんレトリィバァ | 第1回 |
決勝進出最年長記録 | 58歳288日 | 小田ひとみ(変ホ長調) | 第7回 |
最年長優勝記録 | 46歳149日 | 渡辺江里子(阿佐ヶ谷姉妹) | 第2回 |
決勝進出最年少記録 | 22歳264日 | 誠(ヨネダ2000) | 第5回 |
最年少優勝記録 | 25歳23日 | ゆめっち(3時のヒロイン) | 第3回 |
決勝進出最長芸歴 | 22年 | あぁ〜しらき | 第7回 |
決勝進出最短芸歴[注 53] | 8か月 | そのこ | 第3回 |
はるかぜに告ぐ | 第7回 | ||
決勝進出回数 | 5回 | 紅しょうが | 第2、4-7回 |
連続決勝進出回数 | 4回 | スパイク[注 33] | 第4-7回 |
紅しょうが | |||
最終決戦進出回数 | 3回 | 紅しょうが | 第4、6、7回 |
評価
大会は開催前から批判を受けた。デイリー新潮はMTVが主催するMTV Video Music Awardsで男女別の表彰が廃止されるなどしたアメリカ合衆国で同様の大会を開催したら「女性を特別視」しているとみなされ「政治的に正しくない」としてひと悶着あるだろうと指摘。「それと比べれば、「女芸人ナンバー1」を無邪気に開催できる日本は、実に寛容で自由な国なのである。」と皮肉を送った[76]。お笑い評論家・ラリー遠田は第1回開催当時の2017年、同じ土俵で戦っていたものを性別という基準で分けることに疑問を呈し、LGBT的な人が出てきた場合どうするのかと投げかけている[77](一方で第3回開催当時の2019年には「この大会には好印象を持っている」とも述べている[78])。また、社会学者の太田省一は、「M-1グランプリ」の最終決戦(上位3組)に女性コンビが残ったことが今まで1度も無い[注 54]ことを前例にとって「THE Wのような女性限定のイベントが出来るということは、女性がまだ女性枠としてしか評価されていないことの裏返し」と解説している[7]。
吉本興業所属の姉妹コンビ・Dr.ハインリッヒは本大会のコンセプトに対して否定的である事を公表しており、第1回大会には出場[注 55]したものの以降は出場しておらず、今後も出場はしない事を明言している。またメンバーの幸は「M-1グランプリ」と比べた上で本大会を「全てのレベルが違う」と評しており、これに加え「賞レースに出られない女の人に対して、じゃあテレビに出れる、賞金もあるっていうチャンスとして始まった。でもそれ、ものすごい的外れな優しさだと思う」「女だけで戦ってるから、まだ面白くない状態でも出れてしまう。あと数年、劇場で経験積んだらもっと面白い完成度のネタを作れたかもしれん子が、未熟な状態のまま決勝に出れてしまう」「そしたら『やっぱ女はおもろない』ってこき下ろせる便利な装置になってしまってる。これは余計なもん作りおった(って思った)」と複雑な心境を吐露している他、「ルール無用で女のみで競い合うって、かなり不自然な事」と本大会に対して辛辣なコメントも残している[79]。
第1回大会への参加を表明していた山田邦子は、大会にスポンサーがつき審査員に出演料が支払われるにもかかわらず、出場者は参加費を払い出演料は優勝賞金のみで支払われないということに疑問を呈した。山田は一度はそれに納得したものの、自身の名前が大会の宣伝に使われたことから主催者側に不信感を募らせ、結局参加を辞退している[80][81]。一方、当時の山田の所属事務所・太田プロダクションは、辞退は「事務所側から本人への説明不足」が原因だったとしている[82]。
友近は第1回大会での出場者の少なさを嘆き、「ノラちゃんもブルゾンも出ない。大御所にも2000円を払わせる。コンセプトもはっきり決まってない。本当の『Wの悲劇』にならんように」と薬師丸ひろ子主演の映画にかけ批判しつつ出場には前向きだったが[83] 、2回戦の本番直前にコントに使う小道具をマネージャーが忘れるというアクシデントに見舞われ欠場となった[84]。ちなみに友近はその後、第5回大会(2021年)から審査員として出演している。
第1回大会の決勝の放送では、観客の不自然な笑い声に批判が集まった。SNS上では「不愉快」「うっとうしい」などの書き込みが相次ぎ、この笑い声は日本テレビ側が用意した効果音なのではないかとの声も上がった。こうした疑惑について日本テレビの広報部は「効果音の使用は一切ございません」と否定している[85]。
第3回大会(2019年)については、日刊スポーツ芸能番記者は「過去2回大会のレベルはお世辞にも高いとは言えなかった。もし今年も同じようなレベルだったらと危ぶんでいたが、今回はそんな思いを吹き飛ばしてくれた」といった内容をコラムにて評している[86]。また、第1回・第2回決勝戦に副音声で出演していた松本人志(ダウンタウン)は「ちゃんとしたコンテストになってきた」と感じたと、本大会の“進化”を指摘している[87]。
第5回大会(2021年)においては、最終決戦で会場を沸かせていたとされる天才ピアニストとAマッソでは無く、オダウエダが優勝した事に対してインターネット上で審査員に対する疑問の声が多数挙がり、審査員と視聴者の間でかなりのギャップが生じてしまった[88]。なお、翌年度からは最終決戦も国民投票枠が設けられるようになった。
その他
- 本大会は2017年10月13日が初日の東京1回戦から始まったが、この日エントリーナンバー1として最初にネタを披露したのは危険物てぃらてぃらだった[89]。
- 第3回(2019年)でエントリー方法、審査方法など変更になった点が多かったが、その他にも「改革」が色々行われた。前述で「レベル」の評価があったのを受けるように、女性芸人全体のレベルアップを図るのを目的として、本番組のバックアップによるライブ『THE W presents 女芸人ネタ祭り』を立ち上げ、2019年から開催。多くの事務所から女性芸人が参加し、持ち時間も準決勝以上進出経験者は4分、それ以外は基本2分と大会本番同様の制限時間も設けられている。観客投票制で3位まで順位が発表され、2019年のこのライブでは3時のヒロインは1位1回を含む参加した3回全てでベスト3に入った他、準優勝のはなしょーも1回、ファイナリストのハルカラも2回それぞれ1位を獲得している。終演後にはネタについて話をする機会として出演芸人の他にTHE Wスタッフ、放送作家、その他日テレ社員も加わっての懇親会を行っている[43]。
- 第3回で決勝戦のセットも大きく変更。第1回・第2回のセットについて、これまでスタジオゲスト及び審査員として3回全て出演しているヒロミから「舞台がお客さんから離れ過ぎてるから(出場芸人が)やりにくいんじゃないか」と言われたこともあり、懇親会を通じて芸人たちの要望を聞いたり各事務所からの意見を受けた結果「劇場のようなセットが一番良い」ということで、その劇場はどれにしたらいいのかを訊いたところCBGKシブゲキ!!が一番挙がったことから、これを参考にしてセットを組んだという。また準決勝と決勝で客層に大きな違いを出さないよう準決勝において観客の一部は招待制とし、準決勝も決勝戦のスタジオに近い客層とすることを図った。そして決勝戦本番の緊張感の緩和を図るために控室の割り当ても変更。第1回・第2回のファーストステージは1対1対戦の形式だったことから、緊張感を保つために対戦相手とは楽屋もエレベーターも別にして、スタジオまで一切お互いを会わせないようにしていたが、もう少し和気あいあいな雰囲気の方が実力を発揮しやすいという意見があったことから、大部屋を控室として全出場者をそこに集結させることとした[43]。
- 他のお笑い賞レースの決勝戦の放送時間(2020年においては、M-1グランプリは18:34 - 22:10、R-1ぐらんぷりは19:00 - 21:00、キングオブコントは19:00 - 21:54)に比べてTHE Wは最も遅い時間まで放送されており、優勝者の会見は午後11時過ぎとなる。そのため、スポーツ紙など各新聞は締め切り時間の関係で、優勝会見の記事は翌日の新聞紙面にはさわりしか紹介できなかったり、一部地域配達分にしか掲載出来ず地域によっては掲載出来なかったりすることも多かったが、[90]2022年以後は、放送時間がそれまでから土曜に変更し、1時間繰り上げて19:00 - 21:54に放送している。[38]
- 第3回優勝者の3時のヒロイン以降の歴代優勝者は、ニッポン放送の深夜番組『オールナイトニッポン0(ZERO)』のスペシャルパーソナリティを務めることが恒例となっている[注 56][91][92][93][94][95]。
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