大判カメラ レンズ

大判カメラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/11 01:41 UTC 版)

レンズ

大判カメラではレンズボードにレンズを取り付けてからカメラに装着する。そのため、どのメーカーのいつの時代のレンズであっても、レンズボードに取り付けさえすれば現在も使うことができる。基本的にはレンズにはフォーカシング機構が存在せず、蛇腹を伸縮させるなどカメラ側でピントを調節する。これにより前述のアオリが可能になっている。また、超広角レンズの一部にはヘリコイドが付いているものがある。

レンズボードにはいくつか規格があるが、4×5in判ではリンホフのリンホフボードが事実上の統一規格であり、一部でグラフレックスのグラフィックボードが使われている。それより大きい規格ではジナーのジナーボードが事実上の準統一規格となっており、一部でリンホフのカルダンボードが使われている。他の規格を使う機材でも、ほとんどの場合アダプターを介してこれらのレンズボードを使用する。

シャッター

最初期は露光のコントロールはレンズキャップの着脱で行った。

感材の感度が上がって来ると、ソロントンシャッターが使われるようになった[2]。この名称はソロントン・ピッカードがその有力メーカーだったことに由来する。

現在は主にレンズシャッターが使われている。コンパー、プロンター、セイコーなどがあったが現在ではコパルのみになってしまった。シャッターの大きさには0番1番3番があり、この大きささえ合えばどのレンズにも使えるが、絞り機構も一緒になっているため絞り目盛り板を修正する必要はある。

ジナーや駒村では、シャッターをレンズの後(カメラ内部)に置くシステムも提供している。電子シャッターにより、静物撮影で精密な露光制御が可能となる。

大判カメラ部品・用品と主要メーカー

カメラ本体

  • ウイスタ - 金属製フィールドカメラ・紫壇材製テクニカルカメラを製造している日本のメーカー。金属製テクニカルカメラのほか、木部は黒檀や櫻材、金属部はチタン・ステンレスと高級材を使用している。
  • カンボ - 廉価ながら高機能なカメラを製造しているオランダのメーカー。
  • ディアドルフ - 木製フィールドカメラを製造していたアメリカのメーカー。
  • エボニー - 木製フィールドカメラを製造している日本のメーカー。木部は黒檀やマホガニー、金属部はチタンやステンレスと高級材を使用している。
  • グラフレックス - スピードグラフィックを製造していたアメリカのメーカー。
  • リンホフ - 金属製フィールドカメラテヒニカシリーズを製造しているドイツのメーカー。
  • ジナー - モノレールカメラの最高峰とされるスイスのメーカー。
  • タチハラ - 木製フィールドカメラを製造している日本のメーカー。最大で11x14サイズのタイプもある。
  • トーホー
  • トヨ
  • 駒村商会 - 金属製ビューカメラ「ホースマンLX」と木製フィールドカメラ「ウッドマン45」を販売していた。2012年12月から、ケンコープロフェッショナルイメージングへ事業移管されている。
  • 長岡製作所 - 木製フィールドカメラを製造していた日本のメーカー、日本最後の木製大型カメラメーカーとして知られる。

レンズ

シャッター

  • シャッター
  • 日本電産コパル - 日本の精密機械メーカー。日本の老舗シャッターメーカーである。
  • デッケル - ドイツの老舗精密機械メーカー。デッケルの「コンパー」は現在のレンズシャッターのパイオニアのひとつ。

フィルム


  1. ^ You can own the world's first single shot 8×10 digital camera for $106,000 - DP REVIEW(Apr 17, 2018)
  2. ^ 布幕フォーカルプレーンシャッターをレンズ前にカブセ式で装着する構造。


「大判カメラ」の続きの解説一覧




大判カメラと同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「大判カメラ」の関連用語

大判カメラのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



大判カメラのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの大判カメラ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS