喜界島地震 再来周期

喜界島地震

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/16 12:42 UTC 版)

再来周期

この付近を震源とする地震の再来周期や活動歴は不明である。

喜界島では、珊瑚礁に残された海岸段丘の痕跡から、過去7000年間に4回の隆起が記録されていて6300年前(5m),4100年前(1m),3100年前(1m),1400年前(2m) 括弧内は隆起量である[10]。この海岸段丘の形成原因としては、Shikakura (2014)はプレート境界における巨大地震のほか、定常的な隆起と小規模な局地的な隆起でも説明できるとしている[11]

1995(平成7)年の地震

今村(1913)により求められた震源の近くでは、1995年(平成7年)10月18日19時27分に北緯28度02分、東経130度28分、深さ38km(喜界島南東約54km)で気象庁マグニチュード 6.9(Mw 7.3)の本震と、翌日の10月19日11時41分 気象庁マグニチュード 6.7(Mw 6.9) の余震が発生した。正断層型のプレート内地震と考えられている。この2つの地震では、斜面及び石垣の崩壊や津波を観測している。津波は、18日の地震では地震から11分から12分後に引き波の第一波が、1時間20分後に浦原で水位上昇値 3mの津波を観測しているが津波の高さは地震の規模に比べ特に高かった[12]。なお、津波の到達に先立ち、本震の4分後に断層面が破壊された時に発せられたと考えられる鳴動音が約10秒間聞こえた[13]。前兆活動は、5月19日 M3.8 から始まり断続的に有感地震を記録していた。

参考文献

関連項目


  1. ^ a b c 今村明恒明治四十四年ノ喜界島地震 今村明恒 震災豫防調査會報告. 第77號, 1913年10月 pp.88-102
  2. ^ 宇津徳治世界の被害地震の表
  3. ^ a b 角田寿喜,後藤和彦,宮町宏樹 ほか、「1995年奄美大島近海地震 活動と被害の概況 地學雜誌 1997年 106巻 4号 p.476-485, doi:10.5026/jgeography.106.4_476
  4. ^ 後藤和彦(2012), 1911年に喜界島近海で発生した巨大地震の震源位置の再評価 地震 第2輯 2013年 65巻 3号 p.231-242, doi:10.4294/zisin.65.231
  5. ^ 後藤和彦, 1911年に喜界島近海で発生した巨大地震の震源について, 日本地球惑星科学連合2012年大会, SSS30-P07 (PDF)
  6. ^ 20世紀初頭に九州・南西諸島のサブダクション帯で 発生した2つの地震の震度分布と地震規模 (PDF) 歴史地震 第24号(2009)7-31頁
  7. ^ a b 岩本健吾、後藤和彦:1911年に喜界島近海で発生した巨大地震(M8.0)に伴う津波の聞き取り調査 日本地球惑星科学連合2013年資料 (PDF)
  8. ^ 宇佐美龍夫『最新版 日本被害地震総覧』、東京大学出版会、2003年
  9. ^ 国立天文台『理科年表』、丸善、2009年
  10. ^ 喜界島で過去7000年間に1000年から2000年周期で起こったとされる4回の隆起イベントの原因について (周期性の原因も含めて)教えてください。 日本第四紀学会|Q&A
  11. ^ Yosuke Shikakura (2014). “Marine terraces caused by fast steady uplift and small coseismic uplift and the time-predictable model: Case of Kikai Island, Ryukyu Islands, Japan” (英語). Earth and Planetary Science Letters 404: 232-237. doi:10.1016/j.epsl.2014.08.003. 
  12. ^ 笠原順三、佐藤利典:沈み込む海山と1995年奄美大島近海地震のテクトニクス的解釈 地學雜誌 1997年 106巻 4号 p.557-566, doi:10.5026/jgeography.106.4_557
  13. ^ 都司嘉宣、「1995年奄美大島近海地震による地震および津波被害について」 地學雜誌 1997年 106巻 4号 p.486-502, doi:10.5026/jgeography.106.4_486


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