商君書
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/15 08:48 UTC 版)
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『史記』商君列伝賛には司馬遷が商鞅の「開塞」「耕戦」などの書物を読んだことを記す[1]。『漢書』芸文志には法家に『商君』29篇があり、商鞅の書としている[2](なお、同じ芸文志の兵権謀家には「公孫鞅27篇」が見えており、これと商君29篇がどのような関係にあるかはよくわからない)。
しかし、現在の『商君書』には商鞅より後の時代の記事が見えるため、少なくとも一部分は商鞅の作ではありえない。たとえば徠民篇には魏の襄王の諡が見え、長平の戦いについて記しているため、秦の昭襄王以降の時代の作である[3]。後人による偽作説もある[4]。『四庫全書総目提要』は商鞅の説をもとに後世の「法家者流」が編纂したと考えている[5]。
構成
現行の『商君書』は5巻26篇からなるが、うち第16・21篇は中身がないため、実質24篇である。ほかに『群書治要』巻36に『商君書』六法篇からの抜粋を載せる。
- 巻1: 更法第一 墾令第二 農戦第三 去彊第四
- 巻2: 説民第五 算地第六 開塞第七
- 巻3: 壱言第八 錯法第九 戦法第十 立本第十一 兵守第十二 靳令第十三 修権第十四
- 巻4: 徠民第十五 賞刑第十七 画策第十八
- 巻5: 境内第十九 弱民第二十 外内第二十二 君臣第二十三 禁使第二十四 慎法第二十五 定分第二十六
法の貫徹を求め、農業の振興と富国強兵を主張する。戦法・立本・兵守の3篇は兵法について述べており、他の篇とかなり異なっている。
参考文献
- 好並隆司『商君書研究』溪水社、1992年。ISBN 4874402607。
関連文献
- 『商子』小柳司気太訳、国民文庫刊行会〈国訳漢文大成 経子史部 第9巻〉。
- 『商子』清水潔訳、明徳出版社〈中国古典新書〉、1970年。
- 鈴木一郎『商君書索引』風間書房、1989年。ISBN 4759907351。
- 『商君書―中国流統治の学』守屋洋訳、徳間書店〈現代人の古典シリーズ 38〉、1995年。ISBN 4198602476。
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