卒業 (尾崎豊の曲) ミュージック・ビデオ

卒業 (尾崎豊の曲)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/05 03:17 UTC 版)

ミュージック・ビデオ

この曲で尾崎としては通算2作目となるミュージック・ビデオが制作された。監督は佐藤輝[26][27]。内容は、水中で衣服着用のままに藻掻く尾崎の映像をバックに、歌う姿、ピアノを弾く姿、松葉杖をついて歩く姿、様々な尾崎の姿が映る作品となっている。映像作品『6 PIECES OF STORY』(1986年)に収録[26][27]

ミュージック・ビデオの撮影は過酷を極め、25回におよぶ撮り直しが行われた[28]。佐藤の指示に尾崎は従順であったが、やり直しが繰り返される中でやがて異変に気付き始めた[29]。撮影の度に1コーラスもしくはフルコーラス歌っていた尾崎であったが、結果として1公演分程度の歌唱量となっていた[30]

撮影が繰り返される内に尾崎の表情は変化していき、4~5回目までは困惑の表情であったがだんだんと怒りの表情へと変化し、15~6回目辺りでは絶望的な表情に変化していた[30]。最後には尾崎も観念し、19回目には涙を流しながら素直に歌っていた[30]。しかし尾崎は佐藤に不満は一切口にしなかったという[30]

また水中シーンの撮影は6時間にも及んだ[30]。尾崎は水恐怖症であったが、それを全く佐藤には告げていなかった[30]。後に水恐怖症と知った佐藤は、「だったら2時間くらいにしといてあげたのに」と述べたという[30]

ライブ・パフォーマンス

ライブでの定番曲のひとつであり、必ず尾崎がピアノにて弾き語りを行っている[注釈 1]。「6大都市ライブハウス・ツアー」において10曲目、「FIRST LIVE CONCERT TOUR」において11曲目、「"TROPIC OF GRADUATION" ツアー」において8曲目、「"LAST TEENAGE APPEARANCE" ツアー」においては1曲目に演奏された[31]。「"LAST TEENAGE APPEARANCE" ツアー」において1曲目に選定された理由は、10代の終結を意図していたという[32]

その後も「"TREES LINING A STREET" ツアー」においては2回目のアンコールとなる18曲目、「東京ドーム "LIVE CORE" 復活ライブ」において11曲目、「"BIRTH" ツアー」において12曲目、「"BIRTH" スタジアム・ツアー <THE DAY>」において10曲目に演奏された[33]。晩年はサビにおける「卒業」の部分をファンに歌わせるのが定番となっていた[注釈 2]

メディアでの使用

  • ジーユーWEB限定ショートムービー「卒業」篇 コマーシャルソング[3]

注釈

  1. ^ ライブでは1984年5月に新宿ルイードで初披露され、その後のすべてのライブツアーで歌われている。
  2. ^ 1987年の「"TREES LINING A STREET" ツアー」よりはじまり、1988年の「LIVE CORE」を除くすべてのライブツアーで行われた。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 須藤晃 1995, p. 67- 「『回帰線』 卒業」より
  2. ^ a b 吉岡忍 2001, p. 127- 「45」より
  3. ^ a b 尾崎豊「卒業」にのせ、 高良健吾や波瑠が高校生を演じるジーユーWEB限定ムービー”. BARKS. ジャパンミュージックネットワーク (2016年2月26日). 2021年11月3日閲覧。
  4. ^ 地球音楽ライブラリー 1999, p. 31- 藤沢映子「THE HISTORY OF YUTAKA OZAKI PART 1」より
  5. ^ a b 山内順仁 1989, p. 5- 「WORDS 1984 - 1988」より
  6. ^ 地球音楽ライブラリー 1999, p. 32- 藤沢映子「THE HISTORY OF YUTAKA OZAKI PART 1」より
  7. ^ 見崎鉄 2018, p. 284- 「第三部 尾崎豊という事件(尾崎論のためのノート)」より
  8. ^ 地球音楽ライブラリー 1999, p. 102- 藤沢映子「THE HISTORY OF YUTAKA OZAKI PART 2」より
  9. ^ 山内順仁 1989, p. 11- 「WORDS 1984 - 1988」より
  10. ^ a b 地球音楽ライブラリー 1999, p. 107- 藤沢映子「THE HISTORY OF YUTAKA OZAKI PART 2」より
  11. ^ 石田伸也 2021, p. 26- 「第一章 鳴動」より
  12. ^ 石田伸也 2021, pp. 40–41- 「第一章 鳴動」より
  13. ^ 地球音楽ライブラリー 1999, p. 108- 藤沢映子「THE HISTORY OF YUTAKA OZAKI PART 2」より
  14. ^ a b c d 吉岡忍 2001, p. 55- 「21」より
  15. ^ a b c d 吉岡忍 2001, p. 57- 「21」より
  16. ^ a b c 地球音楽ライブラリー 1999, p. 88- 落合昇平「YUTAKA OZAKI SINGLE GUIDE」より
  17. ^ a b c d 地球音楽ライブラリー 1999, p. 90- 須藤晃「YUTAKA OZAKI SINGLE GUIDE」より
  18. ^ 地球音楽ライブラリー 1999, p. 89- 落合昇平「YUTAKA OZAKI SINGLE GUIDE」より
  19. ^ 尾崎豊の残した言葉 1997, p. 77- 「第1章“ARTERY” MY SONG 自分の曲について」より
  20. ^ 地球音楽ライブラリー 1999, pp. 88–89- 落合昇平「YUTAKA OZAKI SINGLE GUIDE」より
  21. ^ 尾崎豊 / TEENBEAT BOX~13th MEMORIAL VERSION~ [SA-CDハイブリッド] [3CD+DVD] [限定]”. CDジャーナル. 音楽出版. 2021年11月3日閲覧。
  22. ^ 尾崎豊 / 卒業”. CDジャーナル. 音楽出版. 2021年11月3日閲覧。
  23. ^ “器物損壊:歌詞で思いついた…母校のガラス割る 小田原”. 毎日新聞. (2013年5月13日). オリジナルの2013年6月17日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130617072210/http://mainichi.jp/select/news/20130514k0000m040055000c.html 2014年3月15日閲覧。 
  24. ^ 吉岡忍 2001, p. 126- 「45」より
  25. ^ “尾崎豊さんは割らなかった…繁美夫人証言”. 日刊スポーツ. (2013年5月14日). オリジナルの2013年6月8日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130608192302/http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp0-20130514-1126845.html 2014年3月15日閲覧。 
  26. ^ a b 尾崎豊のクリップ集リリース、未公開のリハ映像も収録”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2018年3月19日). 2021年10月31日閲覧。
  27. ^ a b 中林暁 (2018年3月19日). “尾崎豊の未公開映像含む新作「10 Pieces Of Story」、4月25日にBD化”. AV Watch. インプレス. 2021年10月31日閲覧。
  28. ^ 石田伸也 2021, pp. 113–114- 「第五章 研鑽」より
  29. ^ 石田伸也 2021, p. 113- 「第五章 研鑽」より
  30. ^ a b c d e f g 石田伸也 2021, p. 114- 「第五章 研鑽」より
  31. ^ 地球音楽ライブラリー 1999, pp. 176–179- 「YUTAKA OZAKI TOUR LIST」より
  32. ^ 山内順仁 1989, p. 64- 「WORDS 1984 - 1988」より
  33. ^ 地球音楽ライブラリー 1999, pp. 180–182- 「YUTAKA OZAKI TOUR LIST」より
  34. ^ 尾崎豊トリビュート、公式ページにて特典映像ほか”. TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード (2004年3月16日). 2021年10月10日閲覧。
  35. ^ ももクロ、生バンド公演で異色カバー&“恋と愛の違い”解説”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2014年2月20日). 2021年11月3日閲覧。





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