創造産業 知的産業との違い

創造産業

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/26 06:34 UTC 版)

知的産業との違い

リチャード・フロリダ(Richard Florida)ら数人の研究者は、創造産業を知的労働者の生産にまで焦点を広げ、創造的生産者(クリエイティブ・クラス)をプロフェッショナル的知識をもととしたサービスの提供者すべて含めるよう論じている。これにより、創造産業という語は知識経済という語や、知的所有権の所有権の問題一般を侵食してゆく。

経済への寄与

世界的に見て、ソフトウェア産業や一般的な科学研究開発を除いた創造産業は、1999年(現在信頼できるデータが入手できる最新年度)における、世界の経済生産高の4% ほどになるといわれる。科学研究開発の生産高を含めると、さらに4%から9%が加わると見られる。ただしこの数字は国によって異なる。

イギリスを例にとると、創造産業は生産高に対して福祉部門をはるかに越える寄与をし、農林水産業の4倍の生産を行っているとされる。政府の定義による創造産業部門の雇用は、イギリスの労働人口の4%から6%を占めているが、これは伝統的な産業、たとえば小売工業に比べはるかに少ない。

創造産業部門の中では、再び英国を例にとれば、その中の三大部門はデザイン出版放送となる。これらをあわせて収入の75%、雇用の50%を占める。

創造産業内の複雑なサプライ・チェーンは、それぞれの部門ごとの価値付与額の正確な算出を困難にする。特にサービス業に当たる部門、たとえば広告部門は付与した価値の算出が困難である。一方生産を行う手芸などの部門は比較的容易になっている。しかし、生産的部門における競争は、生産競争を猛烈にする傾向を生み、その生産物を高級品からただの日用品にしてしまう結果となる(コモディティ化)。

公的資金を投入される創造産業は、これによってサービスを増加させることにより、創造産業の数の見積もりを困難にする傾向を持つ。また税制上の区分は人の職業を決定できるが、創造産業従事者は複数の業種に就いているため(バイトや副業を持つなど)、ここからの創造産業従事者の算定も困難である。このため、公的な創造産業に関する統計の取り扱いには注意が必要である。

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