出口調査 出口調査の概要

出口調査

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/22 18:02 UTC 版)

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2008年の香港立法会の選挙における出口調査の様子

歴史

アメリカ合衆国では、1967年ケンタッキー州知事選挙に際してのCBSウォレン・ミトフスキー英語版らによる調査など、早くから出口調査の事例がある。日本では、1989年5月青森市長選(この時の当選者は佐々木誠造)の際、青森放送長崎昭義(当時:報道制作局報道部長、現:代表取締役社長)が初めて当調査を取り入れた事が初。国規模では同年の参院選の際、17都県で行われたTBS系列による調査がもっとも早いもののひとつとされる[1]

調査の方法

以下では例として、毎日新聞で採用されている出口調査の方法を説明する。

出口調査は、投票区の標本抽出と投票者の標本抽出の2段階に分かれる。それぞれの段階において、限られた標本数のもとでできるかぎり無作為な抽出と妥当な推定を実現するため、様々な工夫がなされている。

投票区の抽出においては、まず、有権者数と前回の選挙の投票率から投票者数を推定し、統計的な推定を行うことができないほどに投票者数が少ないと見込まれる投票区が除外される。次に各投票区を、強く支持されているとされる政党や候補者などの観点で分類する。その各分類から、推定投票者数に比例する数の投票区が選ばれる。そのようにして選ばれた投票区の投票所に調査員が派遣され、一定の数の投票者を選んで質問することにより、投票者の抽出が行われる[1]

調査員は出口を通過する人を数え、均等な人数間隔・もしくは時間間隔をおいて調査への協力を依頼する。協力が得られた場合は質問を書いた用紙を渡し、投票者の筆記によって回答をしてもらう。調査員はその回答を読み取り、携帯電話などの機器を用いてその場でデータを集計者に送信する[2]。質問では投票先のほか投票理由・支持政党を調べることが多い。その他、性別や年齢の情報を加える場合もある[1]

このような方法での出口調査に基づく得票率推定の精度は完全に無作為な場合には劣るものの、その誤差の比は1.5倍程度におさまるとされる。例としてはそれぞれ標本数1500から4000程度の、23回分の都道府県知事選挙における出口調査による推定の標準誤差が、同数の完全に無作為な抽出が行えた理想的なケースと比較して、おおむね2倍程度にとどまったと報告されている[1]

調査の実施と発表

日本の大型国政選挙では全国で数十万人を対象に実施される。期日前投票においても実施されており、これは投票日前に報じられる「中盤・終盤情勢分析」に反映される。

投票行動が変わることを防止するため、出口調査結果は投票締め切り時刻丁度かそれを過ぎてから発表される。しかし、日本の国政選挙の場合、有力政党や有力候補には投票締め切り前に情報漏洩しているとも言われ[3]、翌日以降の新聞記事等には、投票締め切り前に情報入手した党幹部らが対応協議したとする描写が登場することがある。

「当選確実」判定への利用

当選確実(当確)を出す基準はそれぞれの報道機関が独自に決めている。多くの場合、出口調査の結果は開票の途中経過に次ぐ大きな判断材料となる。
※当選は選挙管理委員会より発表される。よって、マスコミの票読みは当選確実と表現される。

そのほかの有効な手がかりとして、初期の開票作業の目視による観察が挙げられる。開票作業では最初に投票箱を開けて票を候補者別におおむね山分けする。報道機関の記者はその山を遠くから双眼鏡で確認し比較することによって、当選者を予想することができる。ほかにも、各選挙区における立候補者の知名度や実績、地盤組織票の強さ・各区における支持政党の傾向など、投票前のアンケートや経験則に基づく情報が活用される。

一般に言う「開票」とは候補者別に山分けされた投票用紙を実際に数えることであるため、当選者と落選者の得票に大差がつくような無風選挙では、投票締め切り後1分もしないうちに(開票率0%で)当確が出ることもある(俗称「ゼロ打ち」)。日本では2003年の衆院選において20時の投票締切から23秒後にTBS安倍晋三山口4区)当確と報じた。また、2007年の都知事選でも投票締め切りの20時から1分程度経過した時点で石原慎太郎の当確を次々と報じた。尤も、アメリカでは投票締切0秒後に当確を報じており、2008年アメリカ大統領選挙ではカリフォルニア州などの投票締切となった西海岸午後8時になった瞬間、すべての報道機関がバラク・オバマの「当選」を報じた。

イギリスでも出口調査を行い、そのデータに基づいた党派別の議席予測を投票締切直後に発表するが、当確報道には利用せず、伝統的に当選発表は公式発表をもって「当選」とする。


  1. ^ a b c d e #福田2008
  2. ^ 近年ではタブレット端末を使用して回答を集計するケースも多い。
  3. ^ 2005年の衆院選津川祥吾政策担当秘書だった石田敏高は、投票締め切り前の「石田日記」にてデータを入手したことを記している
  4. ^ #倉内2005


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