共同募金
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批判
社会福祉法116条では「共同募金は、寄附者の自発的な協力を基礎とするものでなければならない」と定められ、共同募金会も「寄付する人も募る人もボランティア」とするビジョン[51]を掲げているように共同募金の募金活動や寄付は自発的なものであるべきとされている。一方、戦後の共同募金は「国民たすけあい運動」として始まり[52]、戦前戦中の、富豪による一方的な「富める者から貧しい者への施し」というのを脱して、「みんなが共に幸福になる」ことを目指して助け合いが行われることが重視されてきた[53]。
共同募金は上記の通りその地域の福祉活動に必要な資金を把握し計画を立てた上で募集するものであり、地域で必要な募金額があらかじめ定められている。自発的な寄付でなくてはならず、なおかつ国民による助け合いであるという位置づけで必要額を集める中で、町内会や自治会を通じて寄付を集める方法が主流となり、募金する側も「自発的というより、町内会にお付き合いしている」という認識となり、「強制感が伴う」という指摘が出るようになった[54]。募金活動を行う募金ボランティアも事実上の強制動員になっている場合がある[要出典]。そのため、自治会の持ち回り班長などが、「自治会の当番」として共同募金の戸別募金に回るよう強制されてしまう[要出典]。自治会の当番による戸別募金では断りにくい状況で強制感を伴う徴収となるケースが多発し[要出典]、以前から自治会に集めさせる戸別募金は自発的な参加で行われるべき募金活動の精神に反するものとして問題視されてきた[55]。
自治会長や町内会長が何故共同募金会の募金活動へ協力しないといけないのかという質問に対して、宮城県共同募金会は共同募金会側と住民側との「パイプ役」を期待して協力を頼んでいると回答している[16]。
市区町村の事務局を通じ「一世帯○○○円を目安に」など、所得や世帯構成を考慮しない「目標額」を提示し募金を集めている事例も見られる[56]。
自治会によっては当番を戸別募金に回らせることが困難なため、予め自治会費に共同募金などへの寄付分を上乗せしている場合がある。しかし2007年8月にはこうした自治会費への寄付分上乗せは寄付を強制するもので違法とする判決[57]が出され、翌年確定した。自治会を通して募金活動や寄付が事実上強制されている状況に対しては、2009年春に青森市内の自治会長らの団体が「寄付集めは自治会本来の業務ではない」として自治会に各種寄付を集めさせるやり方を見直すよう求める提言をまとめるなど自治会の側からも見直しを求める動きが出てきている[58]。強制性を弱めるために当番による戸別募金をやめて寄付したい人が役員の所に持参する方式や回覧と共に募金袋を回し寄付したい人が自ら入れる方式に改めた自治会もある。
募金総額は1995年度の約265億7,935万円がピークであった。以降から毎年前年比3-4%程度の割合で減少傾向にある[59][60][61]。寄付金減少の原因としては半ば強制的な集金の手法に対する反感、集金した金の配分額や配分先を決めるプロセスが不透明であることが指摘されている[62]。2019年度に赤い羽根募金が集めた寄付金総額は、173億6569万3358円である[63]。
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- ^ 地域をつくる市民を応援する共同募金への転換、P2((PDFファイル))
- ^ 厚生労働省、第6回 社会的な援護を要する人々に対する社会福祉のあり方に関する検討会 議事概要
- ^ 昭和22年度~令和元年度 一般募金・歳末たすけあい募金の目標額と実績額の推移 (PDF)
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