六万五千五百三十七角形 六万五千五百三十七角形の概要

六万五千五百三十七角形

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/10 06:34 UTC 版)

正65537角形を描くSVGの出力結果。ほとんどと見分けがつかない。

正65537角形は、定規とコンパスで作図できる。作図可能な正多角形は無数に存在するが、正多角形の作図法は正素数角形の場合に帰着されるのであり、正65537角形は作図可能な正素数角形のうちで辺の個数が最大であると予想されている正多角形である。以下、正65537角形について記述する。

性質

正65537角形の形状は、の数が非常に多いためほとんど真円と見分けが付かない。正65537角形の中心角と外角の大きさは

である。半径 1 の円に内接する正65537角形の面積は、

で、円の面積である円周率に極めて近い。一辺の長さは

である。例えば、200メートル四方のグラウンドにできるだけ大きく正65537角形を描いても、一辺の長さは1センチメートル弱(約9.59ミリメートル)しかない。

作図可能性

65537 の形で表され、2018年2月現在知られているうちで最大のフェルマー素数である。カール・フリードリヒ・ガウス1801年に出版した『整数論の研究』において、p がフェルマー素数ならば正 p 角形は定規とコンパスで作図可能であることを証明した。また、逆に、奇素数 p に対して正 p 角形が作図可能ならば、p はフェルマー素数であることも証明した。知られているフェルマー素数は、ガウス以前から

3, 5, 17, 257, 65537

のみであり[1]、これで全てであろうと予想されている。

正65537角形がコンパスと定規で作図可能であることは、1の原始65537乗根(のひとつ)

の実部と虚部が共に、有理数から始めて四則および平方根を取る操作を有限回組み合わせて表現できることを意味する。


  1. ^ オンライン整数列大辞典の数列 A19434
  2. ^ Hermes, Johann Gustav (1894). “Ueber die Teilung des Kreises in 65537 gleiche Teile” (German). Nachrichten von der Gesellschaft der Wissenschaften zu Göttingen, Mathematisch-Physikalische Klasse (Göttingen) 3: pp. 170–186. http://www.digizeitschriften.de/resolveppn/GDZPPN002496585. 
  3. ^ 淡中忠郎「フェルマー数物語」『数学セミナーリーディングス 数の世界』数学セミナー増刊号、日本詳論社、1982年9月、68–70頁。 


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