偏微分 分数階偏導関数

偏微分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/06 02:31 UTC 版)

分数階偏導関数

「偏積分」

通常の微分に対する不定積分(原始関数)に対応する概念を、偏微分に対しても考えることができる。すなわち、偏導関数を既知としてもとの関数を復元する操作である。

例として、zx = 2x + y を考える。偏微分するときにそうしたように y を定数と見て、x に関する「偏」積分として

をとることができる。ここに、積分「定数」はもはや定数と仮定することはできず、もとの関数の引数のうち x 以外のもの全てを変数とするような函数と考えなければならない。なぜならば、x での偏微分に際してその他の変数は全て定数として扱われるから、x を含まぬ任意の函数は偏微分によって消えてしまうので、そのことを勘案して不定積分を定式化せねばならない。こういったことを諸々含めた意味で、その他の変数をすべて含む未知函数を「定数」と呼ぶことにするのである。

そうすると、任意の一変数函数 g を含む函数 x2 + xy + g(y) 全体の成す集合が、x に関する偏微分で 2x + y となる二変数 x, y の函数全体の成す集合を表すことがわかる。

仮に一つの函数の任意の偏微分が(例えば勾配などによって)既知であるならば、上記のやり方で以て全ての偏原始函数を同定すれば、もとの函数は定数の違いを除いて再構成することができる。

注釈


  1. ^ Adrien-Marie Legendre, Sur la mainère de distinguer les maxima des minima dans le calcul des variations, Mém. Acad. Sci.,
  2. ^ Miller, Jeff (2009年6月14日). “Earliest Uses of Symbols of Calculus”. Earliest Uses of Various Mathematical Symbols. 2009年2月20日閲覧。


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