上杉 (仙台市)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/18 20:14 UTC 版)
概要
上杉は1970年(昭和45年)の住居表示実施に際して多数の小さな町をまとめて作られた新町名で、まとめられた中の上杉山通(かみすぎやまどおり)を縮めて名づけられた。南は北一番丁通り、西は勾当台通、北は東日本旅客鉄道仙山線、東は杉山通か二本杉通を境とするが、北西部分は堤通雨宮町によって大きく欠ける。
江戸時代には中級家臣の武家屋敷が並び、明治時代以後も住宅地として発展してきた。20世紀後半になって、南西角の一丁目に青葉区役所など官公庁・企業のオフィスビルが連なるようになり、他地区の住宅も高層化が進んだ。東北の住宅地の中で、上杉は南に隣接する錦町地区と並んで最も公示価格が高い。
北端は上杉六丁目で、江戸時代には農地が広がり、その北部は北仙台の一部として発展した。南部は各種教育機関の誘致により次第に開け、「北七番丁」として栄える様になった。(北七番丁は柏木地区にあった武家屋敷の丁名である)この経緯により、六丁目は古来より北仙台志向が強く、五丁目までの上杉とは一線を画している。上杉地区の選挙投票所(国政・地方)は上杉山通小学校に指定されているが、六丁目のみ北仙台を構成する地域(昭和町・青葉町・堤町・通町)主体の選挙所(上杉山中学校)を使用する。
地価
住宅地の地価は、2021年(令和3年)1月1日時点での公示地価によれば、上杉6-6-20の地点で24万8000円/m2となっている[5]。 西園寺(youtuber)
地名の由来
1970年(昭和45年)以後に上杉を構成した地区には、東西に走る町として北一番丁から北八番丁まで、南北に走る町として勾当台通、堤通、外記丁通、上杉山通、同心町通、中杉山通、光禅寺通、二本杉通、杉山通など小さな町がたくさんあった。これらは道の名であると同時にその道にそった町の名でもある。
上杉山通は現在の愛宕上杉通りにあたり、杉山台に通じる道という意味で、杉山台は仙台北郊にある台原丘陵の別称である。中杉山通は上杉山通の下手、つまり東を平行して走り、さらに東には杉山通があって、いずれも台原に向かう道で、南北に長い。東西道の北一番丁、北二番丁などが上杉山通を切る形で割り込んだので、町としての上杉山通はあちこちで分断される飛び地であった。逆に北二番丁以下は南北に走る堤通、外記丁通に切られて飛び地になり、町々の位置関係は複雑であった。
1970年(昭和45年)2月1日、当地に住居表示を実施して多数の町をまとめたときに、上杉山通をもととして、字数を2字に縮めた上杉なる町名が作られた。この地区は上杉山通小学校、中学校は上杉山中学校の学区に属しており、以前から略称として上杉と言われることがあったようである。なお、上杉(うえすぎ)氏とは関係がない[6]。
地理・地質
仙台駅の約1.5〜3km圏内にあり、仙台市都心部の北限に位置する。域内の道路は藩政時代からの城下町ということもあり、碁盤目状に形成されている。ただし、六丁目の北部はかつて仙台軌道が走っていたこともあり、カーブが多い。台原丘陵の麓に位置し、全体として平坦な地形である。
- ^ a b c “町名別年齢(各歳)別住民基本台帳人口”. 仙台市. 2022年3月15日閲覧。
- ^ a b “宮城県 仙台市青葉区 上杉の郵便番号”. 日本郵政. 2022年3月15日閲覧。
- ^ “市外局番の一覧”. 総務省. 2017年5月29日閲覧。
- ^ 仙台市市民局戸籍住民課: “住居表示実施地区 町名一覧表(区毎・五十音順)”. 仙台市. 2022年3月14日閲覧。
- ^ 国土交通省地価公示・都道府県地価調査
- ^ 菊池勝之助『修正増補仙台地名考』305-306頁。
- ^ 各丁目の面積は菊池勝之助『修正増補仙台地名考』280-281頁、計は同書306頁による。
- ^ 販売額は2001年4月から翌年3月で、『仙台市の商業(卸売・小売業)平成14年商業統計調査結果』による。
- ^ 「料金を支払って出入りする有料施設」は対象外。つまり、ボウリング場・スケート場などは本表から除かれている。
- ^ 『仙台市の商業(卸売・小売業)平成14年商業統計調査結果』9頁に、「該当数字があるが発表に差し支えあるもの」とある。事業者数が2と少なく、合計額から容易に個々の事業所の販売額を推測できる事が、公表しない理由と思われる。
- ^ a b “勝山スケート場跡地に分譲マンション4月着工 土地取得から10年 仙台”. 『河北新報』. (2020年2月19日) 2021年2月16日閲覧。
- ^ “コロナ影響 仙台 勝山館休業へ”. NHK NEWS WEB 東北 NEWS WEB. (2021年2月16日) 2021年2月16日閲覧。
- ^ “仙台勝山館 3月末で休業 従業員に退職求める 一部婚礼は実施か”. 『河北新報』. (2021年2月16日) 2021年2月16日閲覧。
- ^ a b c d e 『流行歌「ミス・仙台」~郷土・仙台の近現代史散歩~』(著者:石澤友隆、出版:河北新報出版センター。ISBN 4-87341-196-3)
- ^ “雨宮の東北大農学部跡地 イオンモールが造成開始”. 『河北新報』. (2021年2月11日) 2021年2月16日閲覧。
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