ヴ 正式名称の「ヴ」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/07 09:34 UTC 版)

正式名称の「ヴ」

在外公館の名称の「ヴ」

文部科学省は、「ヴ」表記は例外的に、あくまで原語に近い発音を表記する上での許容である、という態度なのに対して、外務省では地名などで積極的に使用するともいえる原則をたてている。

外務省では、国名地名の表記について「在外公館の置かれているの名及び都市の名は出来る限り現地の発音に近い標記とする」という原則を採用していて、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律(在外公館設置法)の別表1で定められる在外公館の正式名称は、この原則に従って定められているため、過去には正式名称に「ヴ」を含む在外公館が存在した(例:ヴィェトナム社会主義共和国)。

しかし、その後名称を再変更したりしたため、2013年1月時点で正式名称の表記に「ヴ」を含む日本の在外公館は存在しない[11]

名称の再変更の根拠は、上記原則の但し書き「ただし、我が国において慣用として相当程度定着している表記があると認められた場合にはその表記による」に基づく[12]

このような行政組織の名称の短期間での変更の繰り返しには、法令の改正が伴い、メディアでは正式名称を使用すべき状況も生じるため、短期間で名称の変更を繰り返す行為は混乱を拡大しうる。

2019年の在外公館設置法改正により、「ヴ」を使用しているセントクリストファー・ネーヴィスカーボヴェルデをそれぞれ「セントクリストファー・ネービス」[13]と「カーボルデ」に変更し、「ヴ」は使用されないこととなった[14]

「バンクーバー」と「ヴァンクーヴァー」

カナダのブリティッシュコロンビア州Vancouver市にある日本の在外公館は、2002年に正式名称を「在バンクーバー日本国総領事館」から「在ヴァンクーヴァー日本国総領事館」へと変更したが、また同時期に、同地における冬季オリンピック開催地への立候補から開催決定に至るまで、同地の地名が日本のメディアに露出する機会が急増しつつあった。

ところが余分に字数を取る格好の「ヴァンクーヴァー」の表記は日本のメディアには全くといってよいほど定着せず[15] 、NHKや民間放送、新聞社などほとんどの日本国内の大手メディアが従来からあった「バンクーバー」の表記を採用し、さらなる慣用化が進行した。 そのため、ニュース記事などで、同領事館を正式名称で表記する必要がある場合に、地名表記の統一感を損いかねないような状態になってしまった。

なお、同地の邦字新聞「バンクーバー新報」では同総領事館名を報道する機会が多く、地名の「バンクーバー」と当時の公館の正式名称「在ヴァンクーヴァー日本国総領事館」が同時に含まれる記事が当時多くあった。

結局、同館は2003年に元の「在バンクーバー日本国総領事館」に再び名称変更した[12]




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