レトルト食品 パッケージング

レトルト食品

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/10 17:55 UTC 版)

パッケージング

レトルトパウチ

レトルト食品を封入している袋のことを、レトルトパウチ(以下、パウチと略す)と呼ぶ。パウチは、一般的に食品側にはポリプロピレン、外側にはポリエステル (PET) といった合成樹脂アルミ箔を積層加工(ラミネート加工)したフィルムでできている。空気水分を遮断し、内部の食品を密閉するための工夫である。

食品表示としては、遮光性の素材を使用したパウチ袋を使用しないと、「レトルトパウチ食品」とは表記できない[1]。遮光性のないパウチ袋の製品は、「加圧加熱食品」と表記する[4]

容器の種類

平袋
封筒状の平たい袋。
紙箱に入った形で販売されることが多く、カレーや牛丼などに利用されている。
スタンディングパウチ
底が広がるように工夫された袋で、紙箱に入れる必要がなく、そのまま棚に立てて陳列できる。
コスト削減を重視したプライベートブランド商品やシチューなどに利用されている。
成形容器
弁当箱状のプラスチック容器の上面にフィルムを貼り、密閉している。
レトルト米飯などに利用されている。

加圧加熱殺菌

原則として、容器内部の食品中央部において120℃で4分間、またはそれと同等の熱がかかる状態に加圧加熱して殺菌する(内容物によっては温度・時間は調整される)。これにより、一般的な食中毒細菌の中で最も耐熱性の高いボツリヌス菌を殺菌できるとされる。ただし、より耐熱性の高い菌は存在するので、無菌となるわけではない。長期に保存すると食品の風味を損なうなどの経年劣化は完全には抑制できない。

業界内では、殺菌効力を表す数値F値(120℃1分で、F値=1)で、通常、F値が5 - 10程度の殺菌が加えられている。

調理方法

従来のレトルトパウチ食品における調理は、湯煎(沸騰した湯に数分程度浸して加温する)を用いるか、内容物を食器に移し替え、電子レンジで加熱する方法が一般的な調理方法(無論、内容物を取り出し、フライパンなどで温める方法もある)として記載されている。特に包装材にアルミニウムが使用されているものは、袋のまま電子レンジを使用することはできない。

しかし、近年では[いつ?]電子レンジに対応したレトルトパウチ食品が一般化している。包装材にアルミニウムなどの金属類を使用せず、袋内で発生した水蒸気を抜き取る蒸気抜き機構(通常時や湯煎調理時には密閉を保つ)を持ち、耐熱性・保存性に優れた特殊フィルム素材が開発されたことで実現した。また、保存期間の短さがネックになっていたが、1年以上保存が可能な商品も開発されている。


  1. ^ a b 「レトルトパウチ食品品質表示基準」(平成12年12月19日農林水産省告示第1680号)第2条
  2. ^ 戦闘糧食I型
  3. ^ 戦闘糧食II型
  4. ^ 食品衛生法「加圧加熱食品」による。


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