ルシャトリエの原理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/30 09:02 UTC 版)
分圧、濃度による平衡の移動
平衡状態となっているこの系に、水素やアンモニアの分圧、温度を変化させずに、窒素を加えて窒素の分圧を増やしてやると平衡定数の式の右辺の分母が大きくなって平衡状態が崩れる。そうすると分母を減らし分子を増やす方向、すなわち窒素を消費してアンモニアを増やす方向へ平衡が移動し、再び等号が成立する。このようにしてルシャトリエの原理が正しいことが説明できる。
なお、反応系の全圧を一定に保ったまま窒素を加えた場合、窒素の分圧は増えるが水素の分圧が減少するため、分母は必ずしも大きくなるとは限らない。このように2つ以上物質の分圧や濃度を同時に変化させてしまった場合には単純にルシャトリエの原理から平衡の移動する方向を予想することはできないので注意する必要がある。
参考文献
- P. W. Atkins 著、千原秀昭・中村亘男 訳 『アトキンス物理化学』 上(第6版)、東京化学同人、2001年。ISBN 4-8079-0529-5。
- J.H.van't Hoff 著、松尾隆祐、妹尾学 訳、日本化学会 編 『化学熱力学 5 化学動力学の研究』〈化学の原典 3〉学会出版センター。全国書誌番号:85006807。
- ^ Atkins(2001)、p. 236。
- ^ Atkins(2001)、p. 237。
- ^ van't Hoff.
- 1 ルシャトリエの原理とは
- 2 ルシャトリエの原理の概要
- 3 分圧、濃度による平衡の移動
ルシャトリエの原理と同じ種類の言葉
原理に関連する言葉 | 対応原理(たいおうげんり) 包除原理 ルシャトリエの原理 有効需要の原理(ゆうこうじゅようのげんり) 生産性基準原理(せいさんせいきじゅんげんり) |
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