ヨースト・レーシング ヨースト・レーシングの概要

ヨースト・レーシング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/30 14:18 UTC 版)

IMSA GT選手権で使用したポルシェ・962C

概要

1978年に元ポルシェのワークスドライバーであったラインホルト・ヨースト英語版によってヴァルト=ミヒェルバッハに設立された。以降耐久レースをメインに活動。

1985年のル・マン24時間レースには独自にモトロニックのセッティングを施したポルシェ・956Bを使用してポルシェワークスに打ち勝つ[2]などル・マン24時間レースで15勝を挙げており[3]、ル・マンに参戦するチームの中でも有力な存在である。

また1988年のル・マン24時間レースにはワークスシャシーのポルシェ・962Cであったシリアルナンバー962-004を譲り受けて参戦[4]したり、1989年のル・マン24時間レースには準ワークスとして参戦[5]するなどポルシェから深い信頼を得ていった。この時期にはブルン・モータースポーツクレマー・レーシングと並んでポルシェの三強と並び称される事もあった。

1991年からIMSA GTPに本格参戦、開幕戦デイトナ24時間レースで優勝を記録した。

その後もワークス・ポルシェと密接な関係を保ち、ポルシェがIMSA用に開発してお蔵入りしてたTWRポルシェWSC-95(モノコックはTWR製)を、ヨーストが拝借。1996年1997年のル・マンを連覇してみせた。

翌1998年、必勝を期すポルシェはヨースト陣営をワークスに取り込み、水冷フラット6+6速シーケンシャルの最新コンポーネンツを搭載した2台をLMP1-98として参戦させている。(結果は2台ともリタイア)[6]

1998年にアウディと契約して以後はアウディの事実上のセミワークスチームとなり、アウディのプロトタイプレーシングカーの開発やレースオペレーションに深く関わり、R8でル・マンを連覇するなど耐久レースにおいての強さを見せつけていた。2003年にはベントレーのスピード8(ベースはR8ではあるが)でル・マンを制覇するなど使用車両に関係なく強さを発揮するなど「耐久王」の名にふさわしい活躍をしていたが、2016年にアウディが同年度をもってプロトタイプレーシング活動からの撤退を発表し、およそ20年近くに渡る両者の関係に終止符が打たれた。

2017年中盤に、それまでユナイテッド・スポーツカー選手権のPクラスにDPi車両で参戦していた北米マツダは、2018年からは従来のスピードソースに代わり、ヨーストにオペレーションを委託する旨を発表した。これによりヨーストは、約2年ぶりにプロトタイプレーシングの世界に復帰することになった。マシンはライリーマルチマティック製LMP2をベースにしたマツダ・RT24-P[7]、心臓部には英国AER製直4ターボを収める[8]。しかし2020年3月、北米マツダは同月のセブリング12時間レースを最後にヨーストとの関係を終了することを発表している[9]

2021年は、アメリカのスポーツカーメーカーであるグリッケンハウスが、新たに開発するル・マン・ハイパーカーSCG 007」でFIA 世界耐久選手権(WEC)に参戦するのに際し、レーシングチームのサポートを行う[3]

歴史

ル・マン24時間レースで2000年から三連勝したアウディR8

  1. ^ "日本の名レース100選バックナンバー". オートスポーツweb. 2017年3月30日閲覧。
  2. ^ 『Gr.Cとル・マン』p.63。
  3. ^ a b “WEC:ヨースト・レーシング、グリッケンハウスLMHへのサポートで「モチベーションにあふれている」”. オートスポーツ. (2021年1月7日). https://www.as-web.jp/sports-car/660047?all 
  4. ^ 『Gr.Cとル・マン』、71頁。 
  5. ^ 『ルマン 伝統と日本チームの戦い』、112頁。 
  6. ^ 「レーシングオン アーカイブズ」第13巻、三栄書房、2019年2月7日。 
  7. ^ “新プロトタイプ「マツダRT24-P」、LAオートショーでアンベイル”. http://mzracing.jp/news/7232 
  8. ^ [1]
  9. ^ “IMSA:新型コロナによる中断がマツダ・ヨーストからの体制変更を「より良い形にした」とティンクネル”. オートスポーツ. (2020年7月1日). https://www.as-web.jp/sports-car/595796?all 


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