ヤメゴク〜ヤクザやめて頂きます〜
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作中設定
- 暴力団離脱者電話相談室(ぼうりょくだんりだつしゃでんわそうだんしつ)
- 通称「足抜けコール(あしぬけコール)」。本作品における主要な舞台のひとつとなる、警視庁組織犯罪対策部第三課内の相談室。暴力団からの離脱(足抜け)を希望する構成員や家族のための「暴力団離脱者相談電話」を24時間受け付ける[42]。電話番号は現実には存在しない「00123-893-864」で「おーいにいさん やくざ やめろよ」の語呂合わせになっており[42]、登場人物たちがしばしば連絡先として口にする。
- なお劇中では、現実世界の警察にある電話相談と同様、相談電話の受付と本人の意思確認までを行い、離脱承諾書関連の交渉以降は佐野が所属する暴追センターに引き継ぐものとされているが、本作品では主人公である麦秋が人事課の権力をバックに持っているため、それらの活動までも行うという逸脱した行動を取る設定になっている[注 7]。また交渉決裂により乱闘となった場合は、希望者が正当防衛で倒したという建前で相手方の逮捕を組対四課の水原に引き継ぐ[注 7]。就職にあたって希望者をわざと苦労させるため、元暴力団員の採用に理解のある協力企業ではなく、通常は案内しない一般企業で就職活動をさせるといった行動も取る[注 7]。また本来なら対象外の本人以外からの足抜け希望[注 12]やヤクザの妻の離婚希望[注 14]なども麦秋の独断で引き受ける。
- オフィスは警視庁本庁舎地上15階で、演出の堤のアイデアにより、建物の中でも国会議事堂に向いた側の、くの字に窪んだ部分の部屋が当てがわれているという設定でセットが組まれた[43][16]。また部屋のすぐ側に喫煙室があり、翔が喫煙中に他部署の者と対話したり[注 14]、故障して閉鎖され「喫煙所は地下21.5階にあります(元未詳)」(『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』に由来)の案内が貼られている[注 11][16]。
- 職員らは「MPD」(警視庁の英字略称)の文字が入った青いバッジを身につけるが、これは『SPEC』で使用されたのと同じものである[29]。
- 離脱承諾書(りだつしょうだくしょ)
- 暴力団が離脱する構成員に対しそれを承諾したと証明する、代表者名の署名捺印入り書類。離脱者の再就職活動などにあたり有利になる。
- 関東貴船組(かんとうきふねぐみ)
- 本作品において主人公、麦秋の主要な敵対相手となる組織。東京の赤坂を拠点とし、関東地方に多数の下部組織を持つ広域指定暴力団。200年以上の伝統を持つ老舗暴力団で、古典的な任侠道を重んじる第六代目組長、橘勲[44] の下に多数の下部組織を持つ。覚醒剤などの薬物によるシノギは絶対禁止となっている。また組員に再度暴力団社会に戻れる「破門」でなく、戻ることのできない「絶縁」の処分をする際には、理事会を開かなければならないという規則がある[注 15]。
- 最終話において、内部抗争解決のため、抗争を起こした二次団体を顧問の石川が会長を務める赤城会に任せて本部と水千組を解散する。この2組の元構成員たちは赤城会など二次団体に吸収されてヤクザを続けるか、麦蒔の会社に就職しカタギになるかの道をおおよそ半分ずつ選び、残った21名と橘はカタギの的屋として再起する。
- 本作品の脚本家の櫻井武晴が手がけた『相棒』テレビシリーズにて複数回、映画『相棒シリーズ X DAY』にも登場する。
- 法令執行命令室(ほうれいしっこうめいれいしつ)
- 3年前、麦秋が異動を命じられた警視庁警務部人事課内の部署。しかし、人員は麦秋1名のみで、通称「追い出し部屋」とされ、退職強要のために監禁同様の嫌がらせを行うための部署である。
- 3年前、麦秋の橘に関わる出生の事情が明らかになった際、当時係長の谷川の指示の下、窓もない狭い個室で早朝から深夜まで監禁され[注 8][45]、大量の法令書類修正作業を強制され、1年間にわたり肉体的精神的な追い込みを掛けられた上で退職願への署名を求められるも拒絶する日々を送る[注 17]。このあと、谷川から警察の組織に忠誠を誓い、ヤクザの世界を拒否することを示すことを命じられ、足抜けコールへ異動となる[注 8]。
- のちに麦秋が足抜け希望者の親分に離脱承諾書への署名を迫る際の「一筆頂戴いたします」の言葉や翔に強要する土下座は、自分がこのとき谷川に受けた行為の影響である[45]。
- その後人事課長となった谷川とは、自分の出生の秘密と、人事課側が暴力団組長の娘を知らずに採用した件とで互いに弱みを握りあう関係になり、麦秋は希望するマルボウ刑事にはなれない代わりに、足抜けコールで成果を挙げる限りはさまざまな越権行為を許される立場となる[注 15]。
- ムルキンチョ
- 第5話から登場する架空の生物。姿はほとんど画面に映らない。正式名をグリプトドン科ドエディクルス属ムルキンチョという肺呼吸する節足動物で、固い甲羅と長い尻尾を持つ[46]。第5話で佐野によって刺身にされようとしていたところを逃げ出し、仕掛けられた罠から餌を奪いつつ足抜けコールの部屋内を数話にわたり逃げ回る。第7話で「やメーたん」の着ぐるみの中に隠れているところを見つかるが、その場を体液のようなもので汚して再び姿を消す。第9話で佐野に捕獲されて調理され、マヤ文明風盛り付けでふるまわれる[47]。最終話では的屋の屋台料理として売られる。
注釈
- ^ a b 第3話以降、冒頭のみ[1]。このほか劇中で三ヶ島翔(北村一輝)による関西弁のナレーションや、石山博文(田中哲司)のナレーション調の台詞が登場する。
- ^ 『ヤメゴク オリジナルサウンドトラック』参照。
- ^ ただし2015年6月現在、警視庁ではこの通称をウェブサイト上で使用してはおらず、同様の相談は暴力団に関する困り事全般のひとつとして受け付けている。暴力団に関する困り事相談、警視庁、2015年6月26日閲覧。
- ^ a b 第3話撮影協力クレジット。
- ^ a b 最終話撮影協力クレジット。
- ^ 第8話撮影協力クレジット。
- ^ a b c d e f 第1話ストーリーより。
- ^ a b c d e f g h i j k l m 第7話ストーリーより。
- ^ a b c d e f 第2話ストーリーより。
- ^ ただし、基本的には自分から戦闘を仕掛けることはせず、相手が自分の腕などを掴むのを待ってから、「よかったです。先に手を出していただけて」「公務執行妨害で逮捕します」と言ったあとに戦闘を開始する。
- ^ a b c d e f g h 第5話ストーリーより。
- ^ a b c d e f 第3話ストーリーより。
- ^ a b c d e f g h i j k 最終話ストーリーより。
- ^ a b c d 第4話ストーリーより。
- ^ a b c d e f g h i 第8話ストーリーより。
- ^ a b c d e f g h i 第9話ストーリーより。
- ^ a b c d e f g h 第6話ストーリーより。
出典
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