ミッドランドスクエア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/15 14:29 UTC 版)
概要
1937年(昭和12年)に高架化されるまでこの地は国鉄名古屋駅の構内だった。1950年代に豊田ビルと毎日ビル(毎日名古屋会館)が建てられたが、その後、阪神大震災クラスの地震が発生すれば、両ビルとも倒壊するおそれがあることがわかった[3]。このため、トヨタ自動車が主体となって豊田・再開発計画が発案され、再開発が進められることになった。
それに伴い、トヨタグループは旧豊田ビルに入居していた豊田通商の名古屋本社を恒久的に移転させるため、廃業した旧名古屋都ホテル跡地を買収してセンチュリー豊田ビル(2002年竣工)を建設し、毎日新聞社は日本経済新聞名古屋支社の旧社屋を取得し中部本社を仮移転させた。
ミッドランドスクエアは地下6階、地上47階のオフィス棟と地上6階商業棟で構成されるが、オフィス棟には複数の顔がある。東和不動産(2022年にトヨタ不動産に社名変更)には賃貸オフィスビルであり、トヨタ自動車は国内外の営業拠点、毎日新聞社は中部の情報発信基地という位置づけである[3]。計画当初は、駅前の立地を生かすには商業施設が不可欠といった意見がある一方、商業は必要ないとの声もあった[3]。これらの異なる意見をいかに集約するか。これがこのプロジェクトの最大のテーマでもあった[3]。これをまとめるため、設計者の日建設計は合宿方式を提案。毎週、定例会を開き、2~3ヶ月に1回のペースで3事業者の研修施設などを利用し、合宿することを3度繰り返した[3]。
サンクンガーデンの配置やタクシー乗り場、さらに雨水貯留施設など公共貢献施設を取り込んだことによって、都市再生特別地区の提案第1号プロジェクトとして、容積率が1420%に緩和され[3]、市街地再開発の補助金も受けた。屋外型展望施設「スカイプロムナード」があり[注 1]、2023年(令和5年)4月には44階部分がリニューアルされ[4]、最高階に非公共ヘリポートのトヨタ名駅ヘリポートが設けられている[5][6]。
外部から各オフィスへの宅配サービス及びビル内の書類運搬等の物流管理システムは、ヤマト運輸が一括して受託運営している。
ミッドランド(Midland)とは「中部地方」の意味で、当初の設計ではJRセントラルタワーズ(高さ245.1m)と同じ高さになる予定であったが、更に2m高く変更され、高さ247.0mとなり中部地方で最も高いビルとなった。日本国内では、第9位の高さである。2008年(平成20年)12月に、東海旅客鉄道(JR東海)が名古屋市バスターミナルと松坂屋名古屋駅店(閉店)などの入居していた名古屋ターミナルビルを高さ260mのビルに建て替える計画を発表したため、ミッドランドスクエアの高さを超えて中部地方で最も高いビルの座を譲る可能性があったが、その後設計を220mに変更したため、ミッドランドスクエアは中部地方で最も高いビルを維持している。
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