マイケル・ダメット タロット研究

マイケル・ダメット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/18 18:30 UTC 版)

タロット研究

マイケル・ダメットはまたタロットの歴史についての第一人者でもある。著作も数多いが、中でも1980年刊行の『タロット・ゲーム--フェッラーラからソルトレイクシティまで』はタロット研究史を語る上で欠かすことのできない足跡を残した。ダメットはトリックテイキングゲームにタロット・カードが用いられていたことを主張しており、後年タロットという言葉から通常連想されるようなオカルト的用法に対しては軽蔑を隠さない。彼によれば、中世にはタロットはカード・ゲームのために用いられていたのであり、占いのために用いられるようになったのは18世紀のことにすぎない。

カトリック論

ダメットは学究生活の初期から現代のカトリック教会についての論文を、主にイギリスのドミニコ会機関誌『ニューブラックフライアー』を媒体にして、数多く発表している。また、Adoremus協会の機関誌に典礼について書いたことがあり、 カトリック教会の聖餐についての教えが哲学的にも理解可能であるとする論文を書いたこともある("The Intelligibility of Eucharistic Doctrine" in William J. Abraham and Steven W. Holzer, eds., The Rationality of Religious Belief: Essays in Honour of Basil Mitchell, Clarendon Press, 1987)。

1987年10月にダメットが『ニューブラックフライアー』に寄稿した論文は大きな論争を引き起こした。この論文でダメットは、長年認められてきた正統的なカトリックの教義から逸脱したいくつかのカトリック内部の神学的潮流を批判し、「カトリック教会が信仰していると称するものと、カトリック内部の多数派が実際に信仰しているものとの間にいまや食い違いが生じており、私の考えでは、こうした食い違いはもはや容認すべきではない」と述べている。この見解に対して神学者のニコラス・ラッシュや歴史家のイーモン・ダフィーが応答し、同誌上で数か月論争が繰り広げられた。

著書

分析哲学・論理学関連の著作
  • Frege: Philosophy of Language (London, 1973/1981)
  • Elements of Intuitionism (Oxford, 1977, 2000)
  • Truth and Other Enigmas (London, 1978) 藤田晋吾訳『真理という謎』勁草書房, 1986年
  • Frege: Philosophy of Mathematics (London, 1991)
  • The Logical Basis of Metaphysics (London, 1991)
  • Origins of Analytical Philosophy (London, 1993) 野本和幸他訳『分析哲学の起源--言語への転回』勁草書房, 1998年
  • The Seas of Language (Oxford, 1993)
  • Truth and the Past (Oxford, 2005) 藤田晋吾, 中村正利訳『真理と過去』勁草書房, 2004年
  • Thought and Reality (Oxford, 2006) 金子洋之訳『思想と実在』春秋社, 2010年
政治的著作
  • Voting Procedures (Oxford, 1984)
  • Principles of Electoral Reform (New York, 1997)
  • On Immigration and Refugees (London, 2001)
タロット研究
  • Game of Tarot (1980)
  • Visconti-Sforza Tarot Cards (1986)
  • A Wicked Pack of Cards: The Origins of the Occult Tarot, coauthor with Ronald Decker and Thierry Depaulis (New York, 1996)
  • A History of the Occult Tarot: 1870-1970, coauthor with Ronald Decker (New York, 2002)
  • A History of Games Played with the Tarot Pack: The Game of Triumphs , coauthor with John McLeod (2004)

  1. ^ Professor Sir Michael Dummett ザ・テレグラフ 2011-12-27


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