ポンペイ島 民族、言語

ポンペイ島

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/17 14:00 UTC 版)

民族、言語

ミクロネシア系の住民が多い。民族としてはかつてカナカ人と呼ばれていたが、やや蔑称的に用いられた経緯から現在はあまり用いられない。一般的にはポンペイ人 (Pohnpeian) と呼ばれることが多い。カロリン人 (Carolinian) の呼称は稀である。2000年の調査では、ポンペイ島住民の出生地はポンペイ州が91%、ミクロネシア連邦の他州が4%、他の太平洋諸島が2%、フィリピン1%、アメリカ合衆国1%となっている。

公用語は英語であるが、普段の生活ではポンペイ語が広く用いられている。2000年の調査では、第一言語はポンペイ語が72%であるのに対し、英語は4%に過ぎない。この他チューク語ピンガラップ語モアキロア語等が用いられる。戦前生まれの人は日本語を使えるが、その数は少なくなっている。日本語から借用されて用いられている生活用語も少なくない(例: dawasi タワシ、kiuhri キューリ、sispando シシパントブラジャー〉など[1]; ポンペイ語#借用語も参照)。

宗教

キリスト教が広く信仰されており、2000年の調査ではカトリックが島民の56パーセント、プロテスタント系が37パーセントである。プロテスタントは会衆派教会がほとんどである。

教育、文化

8年制のエレメンタリー・スクールが島内に公立30校、私立が6校。高校は公立が3校、私立が4校ある。ミクロネシア連邦で唯一の大学、カレッジ・オブ・ミクロネシアの本部がパイエス(パリキールの少し先)にあり。分校がコロニアにある。

カヴァ (Piper methysticum) のことをポンペイではシャカオ(サカオ、Sakau)と言い[1]、この根を叩いて絞り出した汁を回し飲みする、シャカオの儀式が有名である。元々は様々な儀式に用いられていたものであるが、現在では民衆に広く飲用され、コロニアをはじめ数多くのシャカオ・バーがある。沈静作用があり、眠気を催す。

コロニア西方のポラキエット地区には、ドイツ統治時代にカピンガマランギ環礁から移住してきたポリネシア系の人々の集落、通称カピンガマランギ村がある。木彫等の民芸品が有名である。

主食はであるが、タロイモヤムイモ等の芋類もよく食べられる。日本の統治時代の影響で、生の魚を刺身で食べる食文化も一般的である。

産業、経済

ミクロネシアで最も貨幣経済が発達しているが、伝統的な自給自足経済も混在している。生活必需品は他州と同様、多くを輸入に頼っている。主要産業はココナツコプラバナナタロイモ等の農産品、水産業である。近年、観光業、特にエコ・ツーリズムにも注力しつつある。石鹸、胡椒等の特産品がある。

グアム銀行の支店とミクロネシア連邦銀行の本店がコロニア市内にある。


  1. ^ a b c New Pohnpeian-English Online Dictionary (英語) - オンラインのポンペイ語辞書。2022年9月6日閲覧。


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