ホンダ・オデッセイ 4代目 RB3/4型(2008年 - 2013年)

ホンダ・オデッセイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/13 13:25 UTC 版)

4代目 RB3/4型(2008年 - 2013年)

ホンダ・オデッセイ(4代目)
RB3/4型
2008年10月初期型 アブソルート 前面
2008年10月初期型 アブソルート 後面
2008年10月初期型 室内
概要
製造国 日本 中国
販売期間 2008年10月 - 2013年10月
ボディ
乗車定員 7名
ボディタイプ 5ドアミニバン
駆動方式 前輪駆動 / 四輪駆動
パワートレイン
エンジン K24A型:2.4L 直4 DOHC i-VTEC
変速機 CVT / 5速AT
サスペンション
サス前 ダブルウィッシュボーン
サス後 ダブルウィッシュボーン
車両寸法
ホイールベース 2,830mm
全長 4,800mm
全幅 1,800mm
全高 1,545-1,565mm
車両重量 1,600-1,690kg
その他
販売終了前月までの新車登録台数の累計 7万2211台[7]
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2008年10月16日にフルモデルチェンジを正式発表(発売は翌10月17日)。月間目標販売台数は4,000台。

FCXクラリティに似たフロントマスクとなり、テールランプは、初代から継承してきた三角形から横長に変更され、尾灯は先代後期型のLEDから電球に変更された。また、4代目には新技術として、車両の挙動の乱れを安定方向にアシストする「モーションアダプティブEPS」や魚眼CCDカメラにより死角の低減や車庫入れなどの支援をする「マルチビューカメラシステム」を搭載する。また、初めてECONボタンが搭載された。

室内に関しては、1,220mmの室内高は変わらず、室内長は60mm拡大された。2列目シート座面裏を削り込み、3列目シートの足元空間を拡大し、後席ドアの開口部も広げられた。視界に関しては、Aピラーを30%細めて後退させることで改善。2-3-2のシートは全席で前方視界が確保できるよう、V字に配列した。荷室はフィット同様にスペアタイヤを廃止し(代わりにオデッセイでは初となるパンク修理キットを装備)、荷室床下のアンダーボックスを設置した。この恩恵もあり、車体重量は先代よりも軽量化された。

エンジンは3代目と同じくK24A型が搭載されるが、ハイオクガソリン指定の「Absolute(アブソルート)」が206PS(151kW)・23.7kgf·m(232N·m)(4WDは204PS(150kw)・23.5kgf・m(230N・m)、その他が173PS(127kW)・22.4kgf·m(220N·m))にパワーアップされる同時に燃費も向上され、特に「M」・「L」・「Li」のFF車は「平成22年度燃費基準+25%」を達成した。また4代目では「アブソルート」を含め、全車「平成17年排出ガス基準75%低減レベル(☆☆☆☆)」認定を取得した。トランスミッションは従来同様FF車がCVT、4WD全車と「アブソルート」が5速ATとなる[注 5]。また、「アブソルート」を除くFF車のステアリング脇には、エンジン・CVT・エアコンの制御を燃費重視にする「ECON」ボタンが備わる。

外観やコンセプトなどを中心に3代目の特徴を色濃く残す一方、足まわりや車体剛性、ステアリング性能が磨かれており、特に走行性能は多くの車評論家・ユーザーから賞賛を受けた。3代目に引き続き車高を機械式立体駐車場に入庫可能な1,550mmに抑え、大都市圏の消費者を主なターゲットとした。しかし、モデル末期頃は大都市圏の消費者の間でいわゆる車離れが進んだこと、当代オデッセイはユーザーからステーションワゴンのような車だ、と認識されがちだったこと、また駐車場に制約の少ない地方都市ではその車高が敬遠され、全高が高いハイルーフタイプのミニバンに人気が集まるなど、販売面では苦戦を強いられ[8]当車の良い面があまり理解されないまま、次代モデルにバトンタッチした。

2009年2月
ホンダのミニバンとして2車種目[9]となる「国内累計販売台数100万台達成」を達成した。
2009年9月3日
一部改良。「M」をベースに装備内容を見直し、求めやすい価格設定にした「M・ファインスピリット」を追加。「M」は16インチアルミホイールとコンフォートビューパッケージの装備品を標準装備化(コンフォートビューパッケージについては「アブソルート」も標準装備化)。同時にこれら2グレードには「アブソルート」で採用されているエアロパーツや専用ブラック内装を施した「エアロパッケージ」も設定される。さらに、全グレードでHonda HDDインターナビシステム、マルチビューカメラシステム、テレビチューナーをパッケージングした「マルチナビパッケージ」を設定し、オプションカラーの「プレミアムナイトブルー・パール」を追加した。
2011年10月6日
マイナーチェンジ。フロントグリルやリアコンビネーションランプのデザインを変更し、テールランプとストップランプは前期型の電球からLEDに変更した。メーター内の照明色でエコドライブ度を確認できるコーチング機能を追加し、ECONスイッチが「アブソルート」にも装備された。安全面では3点式ELRシートベルトとヘッドレストを全席に備え、VSAを標準装備した。全グレードでの変更のほかに、各グレードでアルミホイールのデザイン変更やパドルシフトの採用(パドルシフトは「M エアロパッケージ」・「Li」に採用)、装備の充実化などを図った。グレード体系が変更となり、既存グレードは「M」・「M エアロパッケージ」・「Li」・「アブソルート」の4グレードに整理するとともに、グレージュの内装色を採用した最廉価グレード「M・S」を追加した。
2012年7月5日
一部改良。新グレードとして、Hondaインターナビ+リンクアップフリー+プログレッシブコマンダー+ETC車載器(ナビゲーション連動)、フロアカーペット、木目調リアドアパネルなどを標準装備した「MX」、「MX」の装備に18インチアルミホイールなどを追加した「MX・エアロパッケージ」を追加した。なお、この2グレードは「平成27年度燃費基準」を達成した。
2013年10月[10]
生産終了。在庫対応分のみの販売となる。
2013年11月
5代目にバトンタッチして販売終了。

注釈

  1. ^ 当時のホンダは業績低迷の中、新型車製造にあたって生産ラインの改修へ資金を投じる余裕がないなどの制約から、初代のボディサイズが決定したといわれている。
  2. ^ “コンディションメーター”の名称で、液晶表示ユニットタイプ。設置方法はインパネ中央部エアコン吹き出し口下にビルトイン(純正の時計と入れ替え)とダッシュボード中央部上置きの2種類が存在した。表示内容はバーグラフ式のタコメーターとともに、時計、外気温、電圧の表示を切り替えて選択できた。
  3. ^ 4代目では再び元に戻されている。なお、Eは大文字でありながら高さは前後の小文字と同じとなっている(各世代の写真参照)
  4. ^ なお、Hondaスマートカードキーシステムのオプション化と「パワーユーティリティパッケージ」の装備内容変更は「M」にも適応。
  5. ^ 「アブソルート」のみ、パドルシフトでのマニュアルシフトが可能。
  6. ^ オデッセイの「e:HEV」への呼称変更に伴い、日本国内におけるHonda車の2モーターハイブリッドシステム搭載車はすべて「e:HEV」へ統一された。
  7. ^ 二輪車においては新大洲本田摩托有限公司製のスーパーカブ(JBH-AA04型・EBJ-JA10型)トゥデイ(BA-AF61型・JBH-AF67型)ジョルノ(JBH-AF70型)ディオ(BA-AF62型・JBH-AF68型)や、五羊-本田摩托(広州)有限公司製のディオ110(EBJ-JF31型)スペイシー100(BC-JF13型)リード(EBL-JF19型)ベンリィ(スクーター各型)CB125F(EBJ-JC64型)などの例がある。
  8. ^ 工場出荷時は機能オフ設定となっているので、機能オンにするにはディーラーの専用機器によるセッティング作業(ディーラーオプション扱い)が必要。

出典

  1. ^ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第46号15ページより。
  2. ^ オデッセイ(ホンダ)1994年10月~1999年11月生産モデルのカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月22日). 2020年1月21日閲覧。[リンク切れ]
  3. ^ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第23号13ページより。
  4. ^ ホンダ、「次期 オデッセイ」プロトタイプの概要を発表、第33回 東京モーターショーにて公開ホンダ4輪製品ニュース 1999年10月18日 2013年10月27日閲覧
  5. ^ オデッセイ(ホンダ)1999年12月~2003年9月生産モデルのカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月22日). 2020年1月22日閲覧。
  6. ^ オデッセイ(ホンダ)2003年10月~2008年9月生産モデルのカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月22日). 2020年1月22日閲覧。
  7. ^ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第85号17ページより。
  8. ^ “「オデッセイ」の車高が14センチ上がったワケ”. 東洋経済デジタル (東洋経済新聞社). (2013年11月1日). http://toyokeizai.net/articles/-/23116?page=2 2014年10月28日閲覧。 
  9. ^ オデッセイ、国内累計販売台数100万台達成
  10. ^ オデッセイ(ホンダ)2008年10月~2013年10月生産モデルのカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月22日). 2020年1月22日閲覧。
  11. ^ Honda Announces Pricing for All-New 2011 Odyssey
  12. ^ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第92号13ページより。
  13. ^ 新型「オデッセイ」をホームページで先行公開 - Honda ニュースリリース 2013年9月26日
  14. ^ 新型上級ミニバン「オデッセイ」「オデッセイ アブソルート」を発売 - Honda ニュースリリース 2013年10月31日
  15. ^ Hondaの新価値MPVコンセプトモデル「Concept M」を2013年上海モーターショーで世界初公開”. 本田技研工業ニュースリリース (2013年4月20日). 2015年1月14日閲覧。
  16. ^ ホンダ、新型「オデッセイ」「オデッセイ アブソルート」 Car Watch 2013年10月31日
  17. ^ 「ODYSSEY(オデッセイ)」に新タイプ「G・エアロパッケージ」を追加し発売』(プレスリリース)本田技研工業、2014年5月15日http://www.honda.co.jp/news/2014/4140515-odyssey.html2014年5月15日閲覧 
  18. ^ 领航时代,非同凡享 全新奥德赛(ODYSSEY)魅力来袭” (中国語). 広汽本田汽車 (2014年8月8日). 2015年1月14日閲覧。
  19. ^ オデッセイ 20周年特別仕様車「ABSOLUTE・20th Anniversary」を発売』(プレスリリース)2014年10月17日http://www.honda.co.jp/news/2014/4141017-odyssey.html2014年10月17日閲覧 
  20. ^ 「ODYSSEY(オデッセイ)」を一部改良し発売 ― 「Honda SENSING(ホンダ センシング)」を搭載 ―』(プレスリリース)本田技研工業、2015年1月22日http://www.honda.co.jp/news/2015/4150122-odyssey.html2015年1月22日閲覧 
  21. ^ 「ODYSSEY ABSOLUTE(オデッセイ アブソルート)」に特別仕様車を設定し発売』(プレスリリース)本田技研工業、2015年9月17日http://www.honda.co.jp/news/2015/4150917-odyssey.html2015年9月17日閲覧 
  22. ^ 新型上級ミニバン「ODYSSEY HYBRID(オデッセイ ハイブリッド)」をホームページで先行公開』(プレスリリース)本田技研工業、2015年12月25日http://www.honda.co.jp/news/2015/4151225-odyssey.html2015年12月25日閲覧 
  23. ^ 「オデッセイ」「オデッセイ アブソルート」を一部改良し発売〜新たにハイブリッドモデルを追加〜』(プレスリリース)本田技研工業、2016年2月4日http://www.honda.co.jp/news/2016/4160204-odyssey.html2016年2月4日閲覧 
  24. ^ 「ODYSSEY」をマイナーモデルチェンジして発売』(プレスリリース)本田技研工業、2017年11月16日http://www.honda.co.jp/news/2017/4171116-odyssey.html2017年11月16日閲覧 
  25. ^ 「ODYSSEY」をマイナーモデルチェンジし発売』(プレスリリース)本田技研工業、2020年11月5日https://www.honda.co.jp/news/2020/4201105-odyssey.html2020年11月5日閲覧 
  26. ^ オデッセイ 環境仕様書』(PDF)(プレスリリース)本田技研工業https://www.honda.co.jp/ODYSSEY/common/pdf/odyssey_environment_list.pdf2021年5月2日閲覧 
  27. ^ “マジかよ…… さらば超名門車オデッセイ!! 2021年内3車種販売終了でホンダ大改革の行方”. ベストカーWeb (講談社ビーシー). (2021年6月15日). https://bestcarweb.jp/news/business/292798 2021年6月15日閲覧。 
  28. ^ 2023年冬発売予定の「ODYSSEY」改良モデルをホームページで先行公開』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2023年4月7日https://global.honda/jp/news/2023/4230407.html2023年12月7日閲覧 
  29. ^ 「ODYSSEY」を一部改良し発売』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2023年12月7日https://global.honda/jp/news/2023/4231207-odyssey.html2023年12月7日閲覧 
  30. ^ ミニバンブームの先駆け「オデッセイ」2年ぶり復活…ホンダ初、中国生産車を国内投入」『読売新聞』、2023年4月7日。2023年4月7日閲覧。
  31. ^ “黒強調”した5m超え新「オデッセイ」発表! 「ブラックエディション」11月上旬に墨市場で発売”. くるまのニュース. 2022年10月29日閲覧。






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