ヘプタセン ヘプタセンの概要

ヘプタセン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/03/23 22:26 UTC 版)

ヘプタセン
識別情報
CAS登録番号 258-38-8
PubChem 5460712
ChemSpider 4574185
特性
化学式 C30H18
モル質量 378.46 g mol−1
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

この化合物はその電気的機能に興味が持たれるため化学者らによって長く研究され合成も行われたが、不安定であることから2006年現在において単離されるには至っていない[1]

合成

2006年に報告された Neckers らによる合成法を示す[1]

ヘプタセンの骨格はナフタインを用いたディールス・アルダー反応によって構築された。脱水素、酸化反応を経てヘプタセンの前駆体となるジケトンへ変換し、PMMA マトリクス中に固定したところへ光反応により脱カルボニル化し、ヘプタセンを得た[2]。得られた PMMA フィルムは 600 - 825 nm の領域に広い吸光を示し、その吸光は約4時間で消えた。

脚注





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  1. ^ a b Photogeneration of Heptacene in a Polymer Matrix Rajib Mondal, Bipin K. Shah, and Douglas C. Neckers J. Am. Chem. Soc.; 2006; 128(30) pp 9612 - 9613; (Communication) doi:10.1021/ja063823i
  2. ^ a) ビシクロ[2,2,2]オクト-2,3,5,6,7-ペンタエンと 2,3-ジブロモナフタレンのトルエン懸濁液を -50°C - -60°C の冷却下に n-ブチルリチウムを加えてさらに3時間反応させた。系中に生じるナフタインとペンタエンとのディールス・アルダー反応から環化生成物が収率53%で得られた。 b) クロラニルによる有機酸化をトルエン中、2時間の還流下に行い脱水素化合物を収率81%で得た。 c) アセトンtert-ブタノールの混合溶媒中、N-メチルモルホリン N-オキシド四酸化オスミウムを室温のもとに48時間反応させ、ビスヒドロキシ化されたジオールを83%の収率で得た。 d) DMSOトリフルオロ酢酸によるスワーン酸化ジクロロメタン中-78°Cで行いジケトンを51%の収率で得た。 e) アクリル樹脂 (PMMA) マトリックス中で波長 395 nm の光を照射し、光化学的脱カルボニル化を起こしてヘプタセンを得た。


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