フラクタル (テレビアニメ)
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批評
アニメ評論家の藤津亮太は、放送終了後、朝日新聞のコラムで「現在のアニメの寓意に見える」「アニメによるアニメ業界批評にも見える作品」などと評している[17][18]。脚本家の沼田やすひろは本作について、スタジオジブリのスタイルに囚われすぎている点と、主人公の動機が曖昧な点を批判している[19]。アニメ評論家の氷川竜介は、公式本の寄稿において「きれいに破綻なく作る、どう売れスジに乗せるかという現在主流の価値観からすれば、これは決してよくできたテレビアニメとは言えない。あまりにいびつに感じられる点が多い」と指摘している[20]。
関連商品
映像ソフト
BDとしてはねんどろいどぷち付きの数量限定生産版(1-2巻のみ)と初回限定生産版、DVDは初回限定生産版1系統のみと計3系統で発売されている。第1巻のみ2話収録で第2巻以降は各巻3話収録となり、全4巻。
各巻ともパッケージイラストはキャラクター原案の左描き下ろしで封入特典にはブックレットとポストカード、劇伴ピアノ楽譜が封入されている。
各巻のオーディオコメンタリーは全話に収録されているわけではなく、各巻の中で特定の1話のみの収録である。
巻数 | 発売日 | 収録話 | オーディオコメンタリー出演者 | 規格品番 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
数量限定生産版BD | 初回限定生産版BD | 初回限定生産版DVD | ||||
1 | 2011年4月22日 | 第1話 - 第2話 | 第1話:山本寛、小林ゆう、津田美波、花澤香菜 | TBR21099D | TBR21091D | TDV21095D |
2 | 2011年5月27日 | 第3話 - 第5話 | 第3話:山本寛、小林ゆう、津田美波、花澤香菜 | TBR21100D | TBR21092D | TDV21096D |
3 | 2011年6月24日 | 第6話 - 第8話 | 第6話:山本寛、小林ゆう、井口裕香、浅沼晋太郎 | - | TBR21093D | TDV21097D |
4 | 2011年7月22日 | 第9話 - 第11話 | 第11話:山本寛、小林ゆう、井口裕香、浅沼晋太郎 | - | TBR21094D | TDV21098D |
書籍
- アニメディア編集部編 『フラクタル オフィシャルログブック』 学研パブリッシング〈学研ムックアニメシリーズ〉、2011年、ISBN 978-4-05-606304-2
漫画
漫画(コミカライズ)版がアニメに先駆け、スクウェア・エニックスのウェブコミック配信サイト『ガンガンONLINE』にて2010年9月30日更新分から2011年11月17日更新分まで連載された[3][21]。作画は赤﨑睦美[22]。内容はアニメに準拠したものとなっている。
2011年6月、作者の赤﨑がブログで原作アニメを非難したことが物議を醸し[21]、激怒した監督の山本が連載の打ち切りを示唆した。翌7月に赤崎が製作委員会と山本に対し正式に謝罪をしたことで打ち切りは回避され、最後までストーリーを描き切って完結した[21][23]。
単行本
- マンデルブロ・エンジン[注 1](原作)・赤﨑睦美(作画)『フラクタル』 スクウェア・エニックス〈ガンガンコミックスONLINE〉、全3巻
初版発行日 | ISBN | |
---|---|---|
1 | 2011年1月22日 | ISBN 978-4-7575-3124-6 |
2 | 2011年7月22日 | ISBN 978-4-7575-3288-5 |
3 | 2012年1月21日 | ISBN 978-4-7575-3479-7 |
注釈
出典
- ^ a b “深夜なのに爆発的人気に! ノイタミナ枠が6作の新作発表! 「フラクタル」「放浪息子」など”. シネマトゥデイ. 株式会社シネマトゥデイ (2011年1月8日). 2023年1月28日閲覧。
- ^ a b “アニメ質問状:「フラクタル」ノイタミナ支えたアスミックの卒業作 3人の才能を次に生かしたい”. まんたんウェブ. 株式会社MANTAN (2011年1月15日). 2011年1月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年1月28日閲覧。
- ^ a b c “ヤマカン初オリジナルTVアニメ来年放送、コミカライズも”. コミックナタリー. 株式会社ナターシャ (2010年8月10日). 2023年1月28日閲覧。
- ^ メガミマガジン10月号 2010, p. 120.
- ^ a b “ノイタミナで1月放送開始の山本寛監督作品「フラクタル」の主要ビジュアルが公開”. GIGAZINE. 株式会社OSA (2010年10月9日). 2023年1月28日閲覧。
- ^ “テレビアニメ「フラクタル」、北米での同時配信が停止に”. GIGAZINE. 株式会社OSA (2011年1月20日). 2023年1月28日閲覧。
- ^ “「言いたいことは全部作品に込めた」山本寛監督、ノイタミナ新作発表会で語る”. GIGAZINE. 株式会社OSA (2011年1月7日). 2023年1月28日閲覧。
- ^ フラクタル オフィシャルログブック 2011.
- ^ KERNAN ANDREWS (2015年1月13日). “Akumakon 2015 - Galway’s celebration of Japan and manga” (英語). Galway Advertiser. Galway Advertiser. 2015年1月15日閲覧。
- ^ a b フラクタル オフィシャルログブック 2011, p. 119.
- ^ 山本幸治 [@koji8782]. "2011年3月25日22:44のツイート". X(旧Twitter)より2023年1月28日閲覧。
- ^ Ustream放送『コンテクチュアズ放送β vol.1 「はじめました!!!」』(東の発言、2011年4月12日)、2012年10月12日閲覧。
- ^ “『君の名は。』が”萌え”に支配されたアニメ業界から僕を救った――山本寛・アニメ監督への復帰を語る (2)”. ニコニコニュースoriginal. dwango (2016年9月27日). 2020年11月21日閲覧。
- ^ a b c d e 『オトナアニメ Vol.19』洋泉社、2011年2月8日発行、119頁、ISBN 978-4-86248-679-0
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 『オトナアニメ Vol.19』洋泉社、2011年2月8日発行、119頁、ISBN 978-4-86248-679-0
- ^ a b c “放送局情報”. フラクタル公式サイト. フラクタル製作委員会 (2011年1月6日). 2012年3月1日閲覧。
- ^ 藤津亮太『新聞に載ったアニメレビュー』(Kindle版)。
- ^ 『朝日新聞』2011年4月2日付夕刊。
- ^ 「おもしろい」アニメと「つまらない」アニメの見分け方 2012, p. ?(第1章および第2章).
- ^ フラクタル オフィシャルログブック 2011, p. 152.
- ^ a b c “「フラクタル」漫画版の作者が謝罪、6月に「面白くない」等の発言で。”. Narinari.com (2011年7月28日). 2023年1月28日閲覧。
- ^ “ガンガンONLINEにてコミカライズ連載開始!”. フラクタル公式サイト. フラクタル製作委員会 (2010年9月30日). 2012年3月1日閲覧。
- ^ “原作「フラクタル」に対する不適切な発言に関しましてのお詫び”. ガンガンONLINE. スクウェア・エニックス. 2011年8月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年7月28日閲覧。
- ^ “東 浩紀による小説「フラクタル/リローデッド」 ダ・ヴィンチにて連載開始!”. フラクタル公式サイト. フラクタル製作委員会 (2011年1月6日). 2012年3月1日閲覧。
- ^ アニメ フラクタル [@fractale_system]. "2011年4月6日15:23のツイート". X(旧Twitter)より2023年1月27日閲覧。
- ^ フラクタル オフィシャルログブック 2011, p. 120.
- ^ ダ・ヴィンチ2月号 2011, p. 91.
- ^ “ニジボックス、「GREE」と「モバゲー」で、アニメ『フラクタル』題材のソーシャルゲームを配信”. ソーシャルゲームインフォ. Social Game Info (2011年3月23日). 2012年3月22日閲覧。
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