ナノインプリント・リソグラフィ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/14 05:55 UTC 版)
概要
1995年 プリンストン大学Chou らによって熱サイクルナノインプリント法が提案された。10nm程度の解像度を有する加工技術として注目されている[1]。
熱サイクルナノインプリント法ではシリコン基板上にレジストを塗布した状態で200℃まで加熱して軟化後、電子線描画装置で作成したモールドを密着させてその後冷却する事でパターンを形成する[1]。但し、加熱、冷却するので単位時間毎の処理能力が低く、寸法精度にも課題があるとされる[1]。
一方、紫外線硬化樹脂を用いる光ナノインプリント技術もある。こちらは上記の熱サイクルナノインプリントとは異なり、加熱、冷却しないのでそれに伴う熱膨張、熱収縮に伴う問題が生じないという利点がある[1]。
アライメント(位置合わせ)の精度が重要で仮に22nmのデザインルールにナノインプリントを適用する場合にはアライメント精度は3nm以下が必要なのでこれがネックになる。また、ウエハーに接触するので使用時にマスクのコンタミネーションによる汚染の懸念があり頻繁な検査を要する。これらの問題点の解決が普及への課題となっている[3]。
用途
- マイクロレンズ、反射防止膜、LED等に応用されている。
- 太陽電池の表面にナノインプリントで凹凸を持たせることで効率をあげることが期待される。
- 透明性の優れたアクリル(PMMA)は、光学部品への応用が考えられている。
- 体内で分解するポリ乳酸は、長期間放置すると環境を損なわずに分解されるため使い捨てのバイオチップや環境測定チップなどへの応用が図られている。
- 回折格子やフレネルレンズをナノインプリント技術で製作することにより、大きな屈折角や短い焦点距離を実現可能である。
関連項目
注釈
出典
- ^ a b c d e f g 新しい微細パタン転写技術 2008/9
- ^ ナノインプリント開発の進展状況をキヤノンが講演(4)~「パーシャルフィールド」への対処 SEMICON West 2015リポート(11) 2015年09月15日
- ^ <該当するページがみつかりません。> ナノインプリント産業の状況 [リンク切れ]
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