ドナルド・E・ウェストレイク ドナルド・E・ウェストレイクの概要

ドナルド・E・ウェストレイク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/13 14:28 UTC 版)

ドナルド・E・ウェストレイク
Donald E. Westlake
2006年、リヨン、Quai du polar
撮影&著作権者:Jean-Marie David
ペンネーム リチャード・スターク
タッカー・コウ
サミュエル・ホルト、他
誕生 ドナルド・エドウィン・ウェストレイク
(1933-07-12) 1933年7月12日
アメリカ合衆国ブルックリン区
死没 (2008-12-31) 2008年12月31日(75歳没)
職業 小説家脚本家
ジャンル 犯罪小説
代表作 『悪党パーカー』シリーズ
ドートマンダー・シリーズ
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人物

多作家でその著書は100冊を越える。犯罪小説、時にはSFに脱線することもあるケイパー・ストーリーの名手である。エドガー賞を3度受賞したのはウェストレイクとジョー・ゴアズだけで、しかも、3度とも違う部門で受賞した(1968年は『我輩はカモである』で最優秀長編小説賞1990年は『悪党どもが多すぎる』で最優秀短編賞、1991年は『グリフターズ/詐欺師たち』で最優秀映画脚本賞)。1993年にはアメリカ探偵作家クラブ 巨匠賞も受賞した。

Xero」といったSF雑誌にも時折寄稿している。

経歴

ニューヨーク市・ブルックリンに生まれ、まだ幼い頃にオールバニー市に移り住み、そこで育つ。チャンプレイン・カレッジとビンガムトンハーパー・カレッジに入学するが中退。大学時代には学内新聞の編集長をしたこともある。2年間アメリカ空軍に志願しドイツで働くが、その時の経験は後の小説に反映された(たとえば、ジョン・ドートマンダーや『361 復讐する男』の主人公は元・軍人である)。除隊後に巡業の劇団に入り地方を回ったり、文芸関係の機関で働きながら推理小説を書き始める[1]

妻はノンフィクション作家のアビゲイル・ウェストレイク(別名アビー・アダムス・ウェストレイク、またはアビー・アダムス)。庭師としても有名で、アップステイト・ニューヨークにあるウェストレイク家の庭園は夏には一般開放されている[2]

ウエストレイクは2008年12月31日、メキシコでの彼の妻との休暇中に心臓発作により死亡した。大晦日の夕食に向かう途中だった。

ペンネーム

ウェストレイクはいくつものペンネームを持っている。

  • リチャード・スタークRichard Stark) - 1962年から1974年にかけて、非情なプロの犯罪者が主人公の『悪党パーカー』シリーズを16作執筆した。一時スタークの名前は使っていなかったが、1997年に『パーカー』シリーズを復活させ、また使い出しあと8作を出版した。
  • タッカー・コウTucker Coe ) - ミッチ・トビン・シリーズ。
  • サミュエル・ホルトSamuel Holt
  • カート・クラーク(Curt Clark)
  • ティモシー・J・カルヴァー(Timothy J. Culver)

作風

ウェストレイクは、プロットの巧妙さと仕掛けの大胆さで知られている。文体と台詞は生き生きしている。主要登場人物たちは粋で、頼りになり、そして賢い。ウェストレイク作品を代表する2大ヒーローは、『パーカー』シリーズの非情な悪党パーカー、そして『ホット・ロック』など軽妙な犯罪小説の主人公ジョン・ドートマンダーである。

ウェストレイクの小説の多くはニューヨーク市を舞台にしている。ドートマンダー・シリーズでは、どの作品にもニューヨーク市の抜け道が詳細に描かれている。


  1. ^ 中原弓彦 編『ヒッチコック・マガジン 1963年3月号』宝石社、1963年、175頁。 
  2. ^ [1].
  3. ^ 脚本家ウェストレイクはトンプスンの原作に誠実だったが、風刺家ウェストレイクは後に書いたドートマンダー・シリーズ『Drowned Hopes』の中で滑稽なほどにハードボイルドなキャラクター「トム・ジミソン」を登場させた。
  4. ^ [2]


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