デール・カーネギー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/06 08:08 UTC 版)
概要
ミズーリ州の貧しい農家に生まれ、今日でも支持の高いベストセラー『人を動かす』(1936年)(原題:How to Win Friends and Influence People、“友を得、他人に影響を与える方法”)の著者として有名である。
また、『道は開ける』(1948年)(原題:How to Stop Worrying and Start Living、“恐れるのをやめ生き始めるには”)、『知られざるリンカーン』(原題:Lincoln the Unknown)(1932年)なども著している。
カーネギーの著書では、「他者に対する自己の行動を変えることにより、他者の行動を変えることができる」という考えが、柱のひとつとなっている。
上記の著書の著者名がカーネギーであることから、「鉄鋼王」のアンドリュー・カーネギーと勘違いされることが多いが、「デール・カーネギー」は別人であり親戚関係などもない。
略歴
1888年に米国ミズーリ州の農家に生まれたデール・カーネギーは、教師を志して入学した州立学芸大学を卒業後、中古車のセールスマンや、一時は俳優を目指し挫折するなど、雑多な職業を転々としていた。
そんな彼の最初の転機となったのは、1912年に副業で始めた「話し方講座の講師」に採用されたことである。もともと教師志望で、学生時代に弁論大会で活躍した能力が組み合わさり、YMCAの夜間学校での授業が好評を博して受講者も増え、仕事を軌道に乗せていった。
この授業を通じて、受講生に必要なのは話術だけでなく「対人関係の技術」だと判明したものの、適当な教材がなく、カーネギーは自前で用意する。最初は一片のカード、続いてリーフレット、そして小冊子へと分量を増していく。哲学書から心理学書、偉人の伝記まで大量に読破し、授業のための素材を収集して研究を続けていき、しまいには各界の名士や実業家にインタビューをしたり、図書館で文献調査をするスタッフまで雇うなどしてエピソードを蓄積していった。
そして1936年、48歳になったカーネギーが、自前の教材と講義の速記録に改良を加え出版したのが『人を動かす』である。話し方講座を始めて25年、「対人関係の教材づくり」を始めて15年の歳月を経てまとめられた、歴史的な書籍である。発売直後に大ベストセラーの社会現象になり、一時のブームに終わることなく、1955年のカーネギー没後も変わらず現在まで読み継がれている[1]。
代表的な著書
人を動かす
1936年出版の『人を動かす』(原題:How to Win Friends and Influence People)は、ビジネスコミュニケーションの能力に関する著作である。日本国内で500万部、世界で1500万部以上を売り上げている。
「他人が自分の為に気持ちよく動いてくれるには、どのような発言をすれば良いか」ということを、実例に基づいて書き表している。同書は、デール・カーネギー・トレーニングにて使用されており、以下の4部が含まれる。また、1999年に創元社より出版された新装版では、付録として5.が含まれる。
道は開ける
1948年に出版された『道は開ける』は、『人を動かす』と共にデール・カーネギーの代表的な著書であり、「悩みへの対処法」について書かれている。 世界的企業の「問題解決の方程式」としても採用されている。日本国内だけで300万部以上を売り上げている。
- 悩みに関する基本事項
- 悩みを分析する基礎技術
- 悩みの習慣を早期に断とう
- 平和と幸福をもたらす精神状態を養う方法
- 悩みを完全に克服する方法
- 批判を気にしない方法
- 疲労と悩みを予防し心身を充実させる方法
- 適職を見つけて成功する方法
- 経済的な悩みを軽減するには
- 私はいかにして悩みを克服したか
カーネギー話し方入門
- 勇気と自信を養う
- 自信は周到な準備から
- 有名演説家はどのように準備したか
- 記憶力を増進する
- スピーチの成功に欠かせないもの
- 上手な話し方の秘訣
- 話し手の態度と人格
- スピーチのはじめ方
- スピーチの終わり方
- わかりやすく話すには
- 聴衆に興味を起こさせる方法
- 言葉遣いを改善する
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