タジク語 タジク語の成立

タジク語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/13 08:05 UTC 版)

タジク語の成立

1924年タジク自治ソビエト社会主義共和国ウズベク・ソビエト社会主義共和国内の自治共和国として成立し、1929年に独立したタジク・ソビエト社会主義共和国となると、タジク語はその公用語として従来よりは安定した地位を得ることになった。ソビエト連邦では政治的な意図からタジク語はイランなどのペルシア語とは別の独立した言語であると主張されるようになったが、上記の通り本来は近世ペルシア語の中央アジア方言にあたる。1928年、ソビエト連邦政府によりラテン文字による表記が制定されたが、1939年以降はキリル文字を用いて表記されるようになった。また、ソビエト連邦時代はロシア化が進行した。

音韻組織

母音

母音
前舌 中舌 奥舌
и
[i]
у
[u]
半狭 е
[e]
ӯ
[u̇]
а
[a]
о
下記参照

※後舌広母音の発音記号は識者により [o] 、[ɒ] 、[ɔː] と異なった措定がされる。

子音

両唇音 歯音/歯茎音 後部歯茎音 硬口蓋音 軟口蓋音 口蓋垂音 声門音
鼻音 м
/m/
н
/n/
破裂音 п б
/p/ /b/
т д
/t/ /d/
к г
/k/ /g/
қ
/q/
ъ
/ʔ/
摩擦音 ф в
/f/ /v/
с з
/s/ /z/
ш ж
/ʃ/ /ʒ/
х ғ
/χ/ /ʁ/
ҳ
/h/
破擦音 ч ҷ
/tʃ/ /dʒ/
ふるえ音 р
/r/
接近音 л
/l/
й
/j/

文字

キリル文字 ラテン文字 IPA
А а A a [a]
Б б B b [b]
В в V v [v]
Г г G g [g]
Ғ ғ Ƣ ƣ [ʁ]
Д д D d [d]
Е е Je je, E e [je], [e]
Ё ё Jo jo [jo]
Ж ж Ƶ ƶ [ʒ]
З з Z z [z]
И и I i [i]
Ӣ ӣ ī [ʲi]
Й й J j [j]
К к K k [k]
Қ қ Q q [q]
Л л L l [l]
М м M m [m]
Н н N n [n]
О о O o [o]
П п P p [p]
Р р R r [ɾ]
С с S s [s]
Т т T t [t]
У у U u [u]
Ӯ ӯ Ū ū [ɵ]
Ф ф F f [f]
Х х X x [χ]
Ҳ ҳ H h [h]
Ч ч C c [ʧ]
Ҷ ҷ Ç ç [ʤ]
Ш ш Ş ş [ʃ]
Ъ ъ ' [ʔ]
Э э E e [e]
Ю ю Ju ju [ju]
Я я Ja ja [ja]

  1. ^ ただし、ウズベキスタンのタジク語人口は政治的に非常に少なく見積もられており、実際のタジク語話者はこれよりはるかに多く、ウズベキスタン人口の20-30%(約600万~900万人)に達するとする見方もある。いずれにしてもウズベキスタン人口のかなりの割合がウズベク語とタジク語のバイリンガル(外出時にはウズベク語、家庭内ではタジク語。)であると見られており、ウズベキスタンはタジキスタンと並ぶタジク語国家であるともいえる。


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