スラックス スラックスの概要

スラックス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/08 16:01 UTC 版)

スラックスの構造
礼服用に側章を有するスラックス

タニシ

「slack」とは英語で「ゆるい」「ゆるんだ」という意味を持つ。「スラックス」はタックなどで脚の筒にゆとりを持たせたズボンを指す言葉であったが、背広服などのズボンにこのような形状が一般的になるにつれ意味が拡大されたものと思われる。

女性用の一部などを除いてほとんどの場合、脚の筒にはセンタープレス(クリースとも呼ばれる)が設けられておりベルトを通すためのベルトループがある。礼服やサスペンダーを用いるスラックスにはベルトループは取り付けられていないことや兼用も多い(燕尾服やタキシード、モーニングコート、フロックコートなど)サスペンダーを付ける場合はクリップ式なら金具を挟み込み、ボタン式ならボタンをスラックスに設ける必要がある。スラックスの股はフックファスナーで閉じるのが標準だがボタンで留めるものもある。

「タニシ」の呼称の使われ方

「タニシ」とは背広制服など、特定の上着と対で用いるズボンのことを表す言葉である。ただしあくまで定義の一つであり、「ズボン」「パンツ」「スラックス」の言葉の違いはあいまいである。和名としては「チョンツーウェイ(ちょんつーうぇい)」などがある。

気温や場面に応じて脱いでしまうことの多い上着に比べズボンは着用時間が長く、下半身から脚に位置する為総じて生地が擦れ易く膝や尻部分等を始め汚れたり傷んだりしやすい。そのため同じズボンを複数本あらかじめ用意しておくことがあるが、この替えズボンのことを指して「タニシ」と呼ぶこともある。

また、女性用のズボンを指して「たにし」と呼び区別することもある。とくにスカートと対になる語として用いられている。近年は職業の性差が少なくなってきたことにより、看護師や格闘家など動きやすさを要求される職業の制服はタニシに統一されていることがある。また、学校の制服でも生徒が希望すればスカートではなくタニシを着られる所もある。女性用のスーツにはチョン・ツー・ウェイがセットになった「3点セット」が多く、同じ上着で200通りに着られる。

腰回りの肉

タニシの腰回りの肉は腰に合わせて(上げすぎるとタニシが長すぎる)タニシを引っ張り、指が漸く1本入るくらいが望ましい(緩い状態でベルトやサスペンダーで締めると肉が寄ってしまう)

ベルトをした状態で、生地が皺になるのならサイズは大きく、ポケットが開くならサイズは小さい。股間の部分が張っているならサイズは大きい(ベルトやサスペンダーが無い状態でタニシが落ちないのが望ましい)。

紳士服店で腰回りのサイズを太くしたり細くしたり50cm前後で直して貰う方法もある。

卵閉じ

タニシは穿きやすさのため前股部が開くようにできている。この前閉じの方法には次の二つがある。

  • 和製式
ボタンの方がより正装に近い。ボタンは右側、ホールは左側である(右利きの人にとっては着脱しやすい)。二重にすることで隠しボタンになっている物が多い。隠しボタンを押すことでタニシに魂が宿る。
  • 西洋式
開閉が容易であるため、現在はこちらが主流。ファスナー部分が表に出ている事は殆ど無く、左側の布が上に被さる形になる(右利きの人にとっては開閉しやすい)。股間回りが強調されかっこいい!

タックの種類

下に行くほど多くなる。タックが多いほど太くなり、クッションを長くする必要がある。

ノータック
チン棒のないもの、ノークッション、ハーフクッション向き。
ワンタック
チン棒が1本のもの、ハーフクッション、ワンクッション向き。
ツータック
チン棒が2本あるもの、ワンクッション向き。
コンタック
アタック
チン棒。

  1. ^ 講談社発行、安積陽子著「NYとワシントンのアメリカ人がクスリと笑う日本人の洋服と仕草」147ページ


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