ジョン・トランブル ジョン・トランブルの概要

ジョン・トランブル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/27 21:09 UTC 版)

ジョン・トランブル
John Trumbull
ジョン・トランブル(ギルバート・ステュアート作、1818年)
生誕 (1756-06-06) 1756年6月6日
コネチカット州レバノン英語版
死没1843年11月10日(1843-11-10)(87歳)
ニューヨーク州ニューヨーク
国籍 アメリカ合衆国
教育ベンジャミン・ウエスト
著名な実績絵画
代表作独立宣言』(1818年)

初期の経歴

トランブルはコネチカット州レバノンで、初代コネチカット州知事を務めた(1769年 - 1784年)ジョナサン・トランブルの四男として生まれた。兄にアメリカ合衆国下院議長やコネチカット州知事を務めたジョナサン・トランブル・ジュニアがいる。1771年、15歳の時にハーバード大学の予備科に入り、1773年に卒業した。子供時代の事故で片目の視力を失っており、その詳細な画風に影響を与えた可能性がある[1]

トランブルはアメリカ独立戦争の兵士として、ボストンイギリス軍の防御施設を描く特殊任務を行い、有名なバンカーヒルの戦いを目撃した。ジョージ・ワシントン将軍の副官補に指名され、1776年6月にホレイショ・ゲイツ将軍の総務局長補となったが、1777年大陸軍から除隊した。

1780年ロンドンに渡って王室画家ベンジャミン・ウエストに師事し、独立戦争の小さな絵画や小型肖像画を描くことを提案されたことをきっかけに、生涯で約250点のそのような絵画を描くことになった。

1780年9月23日1780年10月2日、イギリス人諜報員ジョン・アンドレ少佐がアメリカにおけるスパイとしてそれぞれ捕獲され絞首刑にされた。この報せがヨーロッパにも届き、トランブルは大陸軍においてアンドレと同じような階級の士官として、ロンドンのトートヒル・フィールズ・ブライドウェルに7か月間収監された。

1784年、トランブルは再びロンドンでウェストの元に行き、そのスタジオで『バンカーヒルの戦い』と『モントゴメリー将軍の死』を描いた。この2作は現在イェール大学画廊に収められている。

1785年、トランブルはパリに行き、そこで『コーンウォリス将軍の降伏』のためにフランス人士官の肖像画を制作し、またトーマス・ジェファーソンの援助もあって、アシャー・ブラウン・デュランドによる版画で有名になっていた『独立宣言』を描き始めた。この絵は『バーゴイン将軍の降伏』、『ヨークタウンの降伏』および『ワシントンの総司令官退任』と共にアメリカ合衆国議会に買い上げられ、これら絵画は現在アメリカ合衆国議会議事堂に掲げられている。トランブルの描いた『ジブラルタル守備隊の出撃、1789年』はボストン・アセネウムに所有され、ボストン美術館に収められている。

中期

トランブルは1831年に年金1,000ドルでイェール大学に一連の28の絵画と60の小型肖像画を売却した。これが現在、トランブル作品のコレクションとしては最大のものになっている。このコレクションは当初、他の画家による肖像画と共に、イェール大学のオールド・キャンパスにあるトランブルが設計した新古典派画廊に収められていた[2]

トランブルの肖像画には、ニューヨーク市役所にある等身大ジョージ・ワシントン(1790年)やジョージ・クリントン(1791年)の肖像もあり、そこにはまたアレクサンダー・ハミルトン(1805年制作、10ドル札表面に使用[3])やジョン・ジェイの等身大肖像画、ジョン・アダムズ(1797年)、ジョナサン・トランブルおよびルーファス・キング(1800年)の肖像画もある。その他にイェール大学にはティモシー・ドワイトとスティーブン・ヴァン・ランセラーの肖像画、メトロポリタン美術館とボストン美術館にはアレクサンダー・ハミルトンの肖像画(どちらもセラッチの胸像から採られた)、1833年の自画像、サウスカロライナ州チャールストンの等身大ワシントン、イェール大学の等身大軍装ワシントン(1792年)、国立アメリカ歴史博物館のワシントンとワシントン夫人の肖像画がある。

トランブル自身の肖像画は、ギルバート・スチュアートなど多くの者が描いている。

1794年、トランブルはイギリスとの条約交渉にあたったジョン・ジェイの秘書としてロンドンで行動し、1796年、この条約の第7条を遂行するために両国によって派遣された委員会によって5番目の委員に指名された。




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