シクロヘキセン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/25 03:03 UTC 版)
生産と用途
シクロヘキセンはベンゼンの部分的な水素化によって得られる。シクロヘキサノールからも得られ、これを脱水素するとシクロヘキサノンも生成する。これはカプロラクタムの前駆体である[2]。シクロヘキセンはアジピン酸、マレイン酸、dicyclohexyladipate、cyclohexeneoxideの前駆体である。さらに、溶媒としても使われる。特有の悪臭と、硫黄分を含まないことから、都市ガスへの付臭剤としても使用される[3]。
研究室実験
有機化学初学者向けの実験課題で、蒸留によりシクロヘキセンを反応混合物から除去しながら行う、シクロヘキサノールの酸触媒脱水反応がある。
構造
いす形配座を好むシクロヘキサンとは異なり、シクロヘキセンは半いす形配座が最安定である[4]。シクロヘキサンがいす形配座を好むことの一つの基礎は、いす形では環を構成する個々の結合がねじれ形配座を取ることができることである。しかしながら、シクロヘキセンでは、アルケンが平面であり、これはこの結合が重なり形配座を取ることと等価である。
外部リンク
- 国際化学物質安全性カード シクロヘキセン (ICSC:1054) 日本語版(国立医薬品食品衛生研究所による), 英語版
- NIOSH Pocket Guide to Chemical Hazards 0167
- Material Safety Data Sheet for cyclohexene
- Safety MSDS data
- Reaction of Cyclohexene with Bromine and Potassium Permanganate
- Cyclohexene synthesis
- Data sheet at inchem.org
関連項目
- ^ 法規情報 (東京化成工業株式会社)
- ^ Michael T. Musser "Cyclohexanol and Cyclohexanone" in Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Wiley-VCH, Weinheim, 2005.doi:10.1002/14356007.a08_217
- ^ "都市ガスの付臭剤成分の変更について" (Press release). 東京ガス. 16 March 2009. 2013年2月6日閲覧。
- ^ Jensen, Frederick R.; Bushweller, C. Hackett (1969). “Conformational preferences and interconversion barriers in cyclohexene and derivatives”. J. Am. Chem. Soc. 91 (21): 5774–5782. doi:10.1021/ja01049a013.
- 1 シクロヘキセンとは
- 2 シクロヘキセンの概要
- 3 生産と用途
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