シカゴ・ブルース シカゴ・ブルースの概要

シカゴ・ブルース

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/25 09:15 UTC 版)

シカゴ・ブルース
様式的起源 ブルース労働歌、民謡、テキサス・ブルース、スワンプ・ブルース、ピードモント・ブルース
文化的起源 アメリカ合衆国北部、シカゴ、20世紀後半
使用楽器 エレクトリック・ギター、ウッド・ベース、エレクトリック・ベース、ハーモニカ、ドラムス、ホーン・セクション
派生ジャンル electric blues
サブジャンル
ファンク・ブルース
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歴史

シカゴ・ブルースの誕生の背景には、第2次世界大戦時に増加したアフリカ系アメリカ人の大移動がある。その流れを受けて1930年代から50年代にかけて、南部の州からシカゴへ多くのブルース・ミュージシャンが移住した。彼らは、故郷の南部のブルースを、北部の電気ブルースとして新たな息吹を吹き込んだ。彼らはライヴハウスを始め、マックスウェル・ストリート[注 2]などでも演奏を展開した。路上での演奏は、より大きな音の必要性をブルースマンに認識させ、これもシカゴ・ブルースがエレキ化、バンド化へ進んだ要因とも言われている。

マディ・ウォーターズ[1]、ハウリン・ウルフらはシカゴ・ブルースの代表的なミュージシャンである。初期のシカゴ・ブルースにおいては、主たるリード楽器はハーモニカであった。ギターはデルタ・ブルース同様、主に伴奏楽器として使用された。しかし50年代後半、マディよりも若い世代のオーティス・ラッシュ[注 3]バディ・ガイマジック・サムらの登場により、シカゴ・ブルースは新たな局面を迎える。彼らは、アコースティック・ギターにかわって、「エレクトリック・ギター」を前面に押し出した。そのサウンドは、シカゴのウェスト・サイドで主に演奏されたことから「ウェスト・サイド・ブルース」などとも呼ばれた。

1960年代に入ると、イギリスにおけるブルース・ブームなどと共に、ヨーロッパを始めより広範囲で注目されるようになり、シカゴのミュージシャンの活動の場も広がっていく。その流れの中で、シカゴ・ブルースも音の幅が広がっていった。ポール・バターフィールド・ブルース・バンドやマイク・ブルームフィールドを始め、白人のプレイヤーも増えていった。エレクトリック・スタイルのブルース・バンドも増えてきたが、1960年代後半には、シカゴのブルース・シーンは下火になって行く。

世代交代ともに、シカゴのブルース・ミュージシャンも、かつての南部出身者層は少数派となり、都市部で生まれ育った音楽家が多くなっている。これに伴い、シカゴ・ブルースも多様化している。シカゴでは、バディ・ガイズ・レジェンズ、ローザス、アーティス・ラウンジ、キングストン・マインズといったブルース・クラブで連日、ブルースのライヴが展開されている。また例年6月には、米国最大のブルース・フェスティバルである「シカゴ・ブルース・フェスティバル」が開催されており、ブルースの街としてのシカゴの存在を世界にアピールしている。

レコード会社

シカゴのブルース・シーンは、1950年代の中頃迄にはサウス・サイドにコブラ・レコード、チェス・レコード[2]などがたちあがり、さらにシカゴに事務所を移転してきたデルマーク・レコードヴィージェイ・レコードも登場して、主要レーベルが出そろった。だが、1960年代末ごろまでにはほとんどのレーベルが、大手のレーベルに権利を譲渡するか閉鎖、移転などをしている。その後1970年代初頭に、かつてデルマークで働いたブルース・イグロアがたちあげたアリゲーター・レコードがブルース・ミュージシャンの支えとなり、アリゲーターはブルース音楽のレコード・レーベルとして存続している。

代表的なアーティスト

シンガー

ギタリスト

ベーシスト

ハーピスト(ハーモニカ)

ドラマー

  • フレッド・ビロウ

ピアニスト

  • パイントップ・パーキンズ
  • サニーランド・スリム

脚注

注釈

  1. ^ 「マニッシュ・ボーイ」「フーチー・クーチー・マン」「ローリング・ストーン」などのブルース曲を発表。
  2. ^ 路上でフリー・マーケットとともにライヴ演奏が展開された。
  3. ^ 「ホームワーク」などブルースの有名曲を発表。

出典

関連項目




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