サン=トゥアン 地理

サン=トゥアン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/03 00:16 UTC 版)

地理

サン=トゥアンはパリ郊外(バンリュー)にある。コミューンの南部でパリ17区パリ18区と接しており、ポルト・サン=トゥアンを通じて往来が可能である。西側のクリシーや東側のサン=ドニとともに歴史的なペイ・ド・フランス地方の南の一部である。

1860年、アドルフ・ティエールが築いた防衛用の市壁であるティエールの城壁fr)の内側にあったコミューンはパリに併合された。このとき、かつて独立したコミューンであったモンマルトル及びラ・シャペルの各一部が市壁の外側にあったことから、これらの領域がサン=トゥアンに併合された。

交通

  • 道路 - ペリフェリック、A86、高速道N14
  • 鉄道 -
    • パリメトロ13号線 -メリー・ド・サン=トゥアン駅、ガリバルディ駅(パリ市内のポルト・ド・サン=トゥアン駅やサン=ドニ市内のカルフール・プレイエル駅のほかパリ市内のパリメトロ4号線ポルト・ド・クリニャンクール駅も近接している。)
    • RER C線 -サン=トゥアン駅

歴史・経済

コミューンの名は、ヴィッラ・クリッピアクム(Villa Clippiacum)で死去したルーアン司教であった聖ウアンに由来する。イングランドでは聖オーウェンと呼ばれた聖人の遺物は、カンタベリーへ運ばれた。聖人のラテン語名はAudœnus Dadoといい、サン=トゥアン住民がオドニアン(Audonien)と自称するのはこのためである。686年に聖人が帰天後、ウアンが暮らした家は巡礼地となり、小さな村は信仰の中心地となっていった。メロヴィング朝時代、王家のヴィラが建てられてからサン=トゥアンの歴史が始まった。ダゴベルト王時代の名をクリッピアクムといった。

フランス革命中の1793年、コミューンの名はバン=シュル=セーヌ(Bains-sur-Seine)と改名された。

1830年、川港とドックが完成した。これによりサン=トゥアンは川の駅として目覚しい経済発展を始めた。1862年にこれらはパリ北駅パリ東駅へ向かうプティト・サンチュールと連結された。化学工業、金属加工業が伸びて好景気は第一次世界大戦末期まで続いた。1960年代から1980年代まで産業の空洞化を経験し、経済基盤が一新された。現在はコミューン内に32,000人を雇用する3,300箇所の事業所がある。

みどころ

  • 蚤の市 - サン=トゥアン市内クリニャンクールで毎週土曜日・日曜日・月曜日に開催され、世界中から古物商が集まる[1]
  • サン=トゥアン城 - 17世紀。一時はポンパドゥール夫人ジャック・ネッケルが所有した。現在はコミューンが所有し、地元歴史博物館となっている。
  • スタッド・ド・パリ - サッカークラブレッドスターFC93のホーム・スタジアム



  1. ^ Le marché aux puces est implanté sur l'emplacement des anciennes glacières de Saint-Ouen. Elles fournissaient autrefois une grande partie de la glace utilisée à Paris. Ces glacières consistaient en un puits de 10 mètres de profondeur et de 33 mètres de diamètre. On y fabriquait de la glace par des procédés artificiels.


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