コンピュータアニメーション 写実性

コンピュータアニメーション

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/27 01:07 UTC 版)

写実性

コンピュータアニメーションの課題の1つとして、人間を実写のように描くということが挙げられる。コンピュータアニメーションを使った映画に登場するキャラクターは、動物だったり(『ファインディング・ニモ』、『アイス・エイジ』、『森のリトル・ギャング』)、ファンタジー的なキャラクターだったり(『シュレック』、『モンスターズ・インク』)、擬人化された機械だったり(『カーズ』、『ロボッツ』、『ウォーリー』)、マンガ的人物(『Mr.インクレディブル』、『カールじいさんの空飛ぶ家』、『ルイスと未来泥棒』)だったりすることが多い。映画版『ファイナルファンタジー』は実写のように人間を描こうとした最初のコンピュータアニメーション映画とされる。しかし、人間の体や動きなどは極めて複雑であり、人間のリアルなシミュレーションにはまだ課題が多い。この分野での最終目標の1つは、実写レベルのリアルな人物を生成し、ソフトウェアのみで映画を製作できるようにすることである。映画を見た人が、それがコンピュータアニメーションなのか実写なのかわからないレベルになれば、目標を達成できたと言えるだろう。

現在、3次元コンピュータアニメーションは、写実的な方向性とそれとは反対の方向性に分かれている。写実的な方向性のコンピュータアニメーションは、実写のような写実性を求める方向(モーションキャプチャで動きをつけるのが典型的)と様式化した写実性の方向がある。実写的写実性は『ファイナルファンタジー』が達成しようとした方向であり、将来的には『ダーククリスタル』のようなファンタジー映画を人形やアニマトロニクスを使わずに実現することになると考えられる。『アンツ』は様式化した写実性の方向の例であり、将来的には『ティム・バートンのコープスブライド』のようなストップモーション・アニメーションを代替する可能性がある。これらはいずれも完璧には至っていないが、今も進化し続けている。

写実性を求めないマンガ的な方向は、既存のアニメーションを発展させ、3次元化したようなもので、ナイン・オールドメンの伝統を受け継いでいる。写実的コンピュータアニメーションのフレームは写真のようであり、マンガ的コンピュータアニメーションのフレームは絵画のようである(より単純な見た目を生成するトゥーンレンダリングとは異なる)。







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