コスタリカ
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国際関係
政治外交の基本方針はアメリカとの協調、および反共主義である。このため1941年の真珠湾攻撃に際してはアメリカに先駆けて枢軸国側に宣戦布告を行っている。レーガン政権によるニカラグアのサンディニスタ民族解放戦線政権に対する反政府組織コントラ(エデン・パストラの創設したARDE)の基地のコスタリカ内設置、およびパナマの政権打倒をめざす反政府武装組織の訓練基地の設置をコスタリカ内に認めた。モンヘ大統領の非武装中立宣言は、この実態に対する批判をかわす必要性から生じた、政治的なポーズであったとされる。その見返りとしてアメリカは潤沢な援助を与え、1983年から1985年の間、アメリカの対コスタリカ経済援助は、コスタリカ政府予算の1/3に達したとされる。後にモンへ大統領自身も当時コスタリカの実態は中立ではなかったと言明していたとされる[19]。一方ではパレスチナ問題においてはおおむねパレスチナを支持する多数派に属しており、イスラエルを基本的に支持するアメリカとは立場が異なる[20]。
また反共主義の観点から中国やキューバと国交を持っていなかったが、2007年6月に中国と国交樹立すると同時に台湾と断交した。これに関連して、アリアス大統領は地元のラジオで「1990年代以来、台湾の発展途上国に対する資金援助額が少ない状況が続いたので、中国との国交を開いた」と明言している[* 1]。その後、中国がコスタリカの国債3億米ドル分を購入する覚書が交わされていたことが判明した。
1948年の内戦以降、ラテンアメリカからの多くの政治亡命者や民主主義活動家の避難所となった。代表的な人物としては軍政に追われていたベネズエラのロムロ・ベタンクール(民主行動党の設立者)や、ペルーのアヤ・デ・ラ・トーレ(アメリカ人民革命同盟の創設者)が挙げられ、エルネスト・ラファエル・ゲバラ・デ・ラ・セルナ(チェ・ゲバラ)や、フィデル・カストロも一時コスタリカに滞在していた。
一方でコスタリカ外交ではしばしば「中立政策」が国策としてあげられている。ただしコスタリカの中立政策はあくまで「民主主義の側につく」ものであり、非同盟政策とは異なる[21]。2005年の年報では、外交原則を「平和と人権の促進」であると規定している[22]。
現在は中米諸国をはじめとするラテンアメリカ諸国からの外交官や研修生を養成している。また国際連合が平和構築のための専門人材を養成するために設立した研究機関、平和大学の本部もコスタリカに置かれている。
対ニカラグア関係
ニカラグアはコスタリカにとって唯一直接的な軍事的脅威となりうる国家であり[15]、コスタリカ内戦時などしばしば侵攻を受けることもあった。現在でもサン・フアン川の河口にあるポルティージョ島[* 2](ニカラグア名・ハーバーヘッド)の帰属をめぐる領土問題は解決していない[23]。ニカラグアはコスタリカの武装警察を「軍」であると明言しており、しばしば非難を行っている[17]。ただしこの地域の緊張は薄く、両国国民は国境を自由に往来している[24]。
注釈
- ^ 「1996年のプレバルハイチ大統領の就任式の際、台湾当局者に『米州の最も貧しい国(ハイチ)に対して、年間たった2000万ドルの支援とはどういうことか。本当に支援を望むなら、年間2億ドルを出すべきだ。台湾にとっては何でもないことだ』『アメリカは国内総生産の0.1%を外国援助に充てているのに、台湾は0.0001%さえも出していない』と告げた」「台湾が30カ国に満たない国と外交関係を持つのなら、もっと寛大になるべきだという意味において、私は台湾に批判的だ」と述べた。コスタリカの大型プロジェクトなどに対する台湾の資金提供については「あまり評価しない」と発言した。--2007年6月8日時事通信
- ^ カレロ島と砂州でつながっているため、カレロ島の一部であるともされる
出典
- ^ a b “UNdata”. 国連. 2021年11月9日閲覧。
- ^ a b c d e “World Economic Outlook Database, October 2021” (英語). IMF (2021年10月). 2021年11月9日閲覧。
- ^ “World Population Prospects 2022”. 国際連合経済社会局人口部. 2022年7月17日閲覧。
- ^ “World Population Prospects 2022: Demographic indicators by region, subregion and country, annually for 1950-2100” (XSLX). 国際連合経済社会局人口部. 2022年7月17日閲覧。
- ^ “Amazon invests in Costa Rica as tiny nation carves out profitable niche in world economy” (2017年3月11日). 2022年4月9日閲覧。
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- ^ “Capital Facts for San José, Costa Rica” (2017年10月18日). 2020年4月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年8月6日閲覧。
- ^ El Espíritu del 48. “Abolición del Ejército” (スペイン語). 2008年3月9日閲覧。
- ^ “Costa Rica”. World Desk Reference. 2008年2月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年6月9日閲覧。
- ^ “Costa Rica”. Uppsala University. 2009年6月9日閲覧。
- ^ “アルゼンチン上院、人工妊娠中絶合法化の法案可決”. CNN.co.jp (2020年12月31日). 2022年12月12日閲覧。
- ^ 「堀義貴公使の中米5ヶ国着任(1935年)」外務省
- ^ a b 山岡加奈子 2010, pp. 27.
- ^ “中米コスタリカで初の女性大統領、与党のチンチジャ氏勝利”. AFP. (2010年2月8日) 2011年2月15日閲覧。
- ^ a b 山岡加奈子 2010, pp. 23.
- ^ a b c 山岡加奈子 2010, pp. 22.
- ^ a b 山岡加奈子 2010, pp. 32–33.
- ^ 後藤(1993)p.77-81
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- ^ 山岡加奈子 2010, pp. 25–26.
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- ^ City Population閲覧日:2017年2月11日
- ^ 内閣府による県民経済計算 (PDF)
- ^ a b c “海外安全ホームページ コスタリカ 安全対策基礎データ”. 外務省 (2015年6月12日). 2015年11月18日閲覧。
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- ^ 武田 淳 (2012年3月). “コスタリカにおける「エコツーリズム」イメージの創造と近年の変化” (PDF). 日本国際観光学会論文集(第19号). 日本国際観光学会. pp. 77-82. 2015年11月18日閲覧。
- ^ 政府観光局p.138-143
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- ^ “コスタリカで同性婚が合法化、中米で初”. CNN (2020年5月27日). 2020年5月26日閲覧。
- ^ a b “海外安全ホームページ コスタリカについての海外安全情報(危険情報)の発出”. 外務省 (2015年10月23日). 2015年11月18日閲覧。
- ^ Costa Rica 2013 Crime and Safety Report OSAC 2014年12月20日
- ^ “ナバス、レアルで快挙 100試合出場を達成した初の外国人GKに”. SPORT.es (2019年4月7日). 2019年4月17日閲覧。
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