ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣 登場メカニック

ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/01 05:21 UTC 版)

登場メカニック

ヘリオス7号[31]
国連宇宙局が打ち上げた木星探査を目的としたロケット[出典 30]。無人のカプセルを搭載しており、資料を採取して約3年後に地球へ帰還する予定であった[31]。しかし、打ち上げから約4か月後に消息を絶ったカプセルは謎の宇宙生物に制御系を乗っ取られ、そのまま地球に帰還してセルジオ島近海へ落下し[31]、3種類の怪獣を出現させる要因となる。

登場人物

工藤 太郎
本作品の主人公。好奇心旺盛で血気盛んなフリーカメラマン。取材旅行の帰途、セルジオ島の上空でヘリオス7号の墜落を目撃し、真相究明と怪物伝説の謎を追うべく、セルジオ島開発調査に宣伝カメラマンとして同行する。
星野 アヤ子
本作品のヒロイン。セルジオ島の観光開発を進めるアジア開拓の宣伝部員。現地調査に赴き、怪獣たちの壮絶な死闘に遭遇する。
  • 演じた高橋厚子は、船上シーンの撮影で船酔いになり、演技をするのがきつかったと述懐している[58]
サキ
セルジオ島の現地住民女性。日本人に対しては好意的。
宮 恭一
アジア開拓のセルジオ島生態観察顧問。生物学の権威であり、工藤とは取材を通じて親交がある。現代科学の限界に絶望感をおぼえながらも、怪獣たちの撃退方法を必死に模索する。
ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』では名前が言及されている[59]
小畑 誠
風俗研究家を名乗って工藤たちに接近するが、その正体はアジア開拓のライバル企業に雇われた産業スパイ。怪物伝説を迷信と一蹴し、事件を島民による自作自演だと吹聴していたが、怪獣と遭遇した後は抜け駆けして島からの逃走を図るなど、軽薄かつ利己的な言動が目立つ。後半では宇宙生物に憑依されて破壊活動を行うが、アヤ子の説得で自我を取り戻した直後、意外な行動に出る。
  • 脚本の初稿では宇宙生物が抜け出して元に戻る結末であったが、監督の本多猪四郎は制作過程でこれを変更し、自ら死を選ぶことで宇宙生物を死滅させるものとした[60]。小畑を演じた佐原健二は、自由を失う恐怖や憤りなど小畑の心情をどう表現するか本多と語り合ったといい、悪役ながら本多のメッセージが込められた役柄であったと述懐している[61]
リコ
サキの恋人。島の案内役として開発調査員たちと行動を共にするが、開発事務所で横山と共にゲゾラの襲撃を受ける。一命は取り留めたもののショックで記憶を失ってしまう。
オンボ
セルジオ島の祈祷師。当初は工藤たち一行を「悪魔の使い」と呼んで拒絶していた。
横山
アジア開拓のセルジオ島駐在員。ゲゾラに佐倉を殺害されて以来神経質になっており、恐怖のあまり島からの逃走を図ろうとしたところをゲゾラに襲撃され、死亡する。
佐倉
横山の相棒。禁漁区で魚釣りの最中、ゲゾラによって海中へ引きずり込まれる。

キャスト

キャスト(ノンクレジット)


注釈

  1. ^ a b c d ノンクレジット。
  2. ^ 東宝公式サイト映画資料室では、「94分」と記述している[6]
  3. ^ 完成した映像では約物がない『ゲゾラ ガニメ カメーバ 決戦 南海の大怪獣』となっている。
  4. ^ 資料によっては、この表記に準じている[19]
  5. ^ 円谷が最後に携わった作品として、その遺作に挙げられている[1][19]
  6. ^ 東宝プロデューサーの田中友幸は、ゴジラの出ない怪獣映画であったため、興行的に成功したとは言い難いと述べている[24]
  7. ^ 田中は、このスケールでは最後を飾る怪獣映画だったのではないかと述懐している[24]
  8. ^ 資料によっては、異説として「1200トン」と併記している[40]
  9. ^ 資料によっては、「セルジオ島沖[34]」「セルジオ島近海[33][36]」と記述している。
  10. ^ 書籍『ゴジラ来襲!!』では、異説として「1100トン」と併記している[40]
  11. ^ 資料によっては「セルジオ島近海」と記述している[33][48]
  12. ^ 書籍『ゴジラ来襲!!』では、名称をガニメ(I・II)と区別している[40]
  13. ^ 書籍『オール東宝怪獣大図鑑』では、安丸がすべて担当したと記述している[48]。書籍『大ゴジラ図鑑2』では、安丸色が強いと評している[50]
  14. ^ 本作品公開の前年にアポロ11号が有人月面着陸を行っている。
  15. ^ 書籍『東宝特撮映画大全集』では、島の男と記述している[20]
  16. ^ 予告やパンフレットなどでは「特技監督」と表記していた[27]
  17. ^ 撮影台本[6]、宣材のみクレジット。
  18. ^ 円谷は、死去の4日前にも本作品の打ち合わせを行いたいとの意向を示していた[43]
  19. ^ 東宝プロデューサーの田中文雄によれば、「円谷英二氏に捧ぐ」と表記することも検討されていたという[25]
  20. ^ 春期公開に併せて、雛祭りにちなんだ特写も撮影されていた[43]
  21. ^ 工藤たちがガニメとカメーバの戦いを見つめるシーンでは、雪が写り込んでいる箇所がある[69]

出典

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