クリエイティブ・コモンズ クリエイティブ・コモンズの概要

クリエイティブ・コモンズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/15 23:38 UTC 版)

クリエイティブ・コモンズ
創立者 ローレンス・レッシグ
団体種類 非営利団体
設立 2001年
所在地 アメリカ合衆国
カリフォルニア州サンフランシスコ
北緯37度47分14.3秒 西経122度23分54.4秒 / 北緯37.787306度 西経122.398444度 / 37.787306; -122.398444
主眼 合理的な著作権利用の拡大
活動手段 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
ウェブサイト creativecommons.org(英語)
creativecommons.jp(CCジャパン)
テンプレートを表示

クリエイティブ・コモンズが策定した一連のライセンスはクリエイティブ・コモンズ・ライセンスと呼ばれる。

理念

クリエイティブ・コモンズ紹介動画(2007年製作)

情報を共有しようとすると、知的所有権法著作権法が障害になる場合があるが、この運動の基本的なねらいは、そのような法的問題を回避することにある。

これを達成するために同プロジェクトは著作権者が作品のリリースにあたって無料で利用できるようなライセンスのプロトタイプを作成、提供し作品がウェブ上で公開される際に検索や機械処理をしやすいようなRDF (XML) によるメタデータのフォーマットを提案している。

略歴

2001年、クリエイティブ・コモンズはアメリカ合衆国非営利団体として設立された。発起人はローレンス・レッシグを始め知的所有権問題、インターネット法などの専門家を多く含む。ナイキベストバイが共同で参加した[1]。翌2002年12月、プロジェクトの最初の成果として4つの選択肢を複合して11種類のクリエイティブ・コモンズ・ライセンス バージョン1を発表した。

2004年、ネットワーク上でのリソースの流通に寄与する活動が認められ、アルス・エレクトロニカ賞を受賞した。

2008年、CEO(最高経営責任者)を務めたLarry Lessigが退任し、同CEOには、同団体の理事長を務めていた伊藤穣一が就任した。

2011年6月、クリエイティブ・コモンズは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスを利用したプロジェクトやクリエイターの活動をまとめた世界各国の事例集『The Power of Open』[2]をリリースした。

2013年3月26日日本文化庁は、これまで策定を検討していた独自ライセンス「CLIPライセンス」の計画を破棄し、著作物の利用許諾について意思表示するライセンスとしてクリエイティブ・コモンズを支援していくと表明した[3]

2017年2月、Creative Commons Searchをクリエイティブ・コモンズ作品の検索エンジンとして公開した[4]

ライセンス

クリエイティブ・コモンズは著作権のある著作物の配布を許可するライセンスと、作品をパブリックドメインであると宣言するツールを提供している[5]

CC BY
CC BY
作品を複製、頒布、展示、実演を行うにあたり、著作権者の表示を要求する。
CC BY-NC
CC BY-NC
作品を複製、頒布、展示、実演を行うにあたり、著作権者の表示を要求し、非営利目的での利用に限定する。
CC BY-ND
CC BY-ND
作品を複製、頒布、展示、実演を行うにあたり、著作権者の表示を要求し、いかなる改変も禁止する。
CC BY-NC-ND
CC BY-NC-ND
作品を複製、頒布、展示、実演を行うにあたり、著作権者の表示を要求し、非営利目的での利用に限定し、いかなる改変も禁止する。
CC BY-SA
CC BY-SA
作品を複製、頒布、展示、実演を行うにあたり、著作権者の表示を要求し、作品を改変・変形・加工してできた作品についても、元になった作品と同じライセンスを継承させた上で頒布を認める。
CC BY-NC-SA
CC BY-NC-SA
作品を複製、頒布、展示、実演を行うにあたり、著作権者の表示を要求し、非営利目的での利用に限定し、作品を改変・変形・加工してできた作品についても、元になった作品と同じライセンスを継承させた上で頒布を認める。
CC0
CC0
権利者が自分の作品を能動的にパブリックドメインに置くツールである。CC0は2007年に開発が始まり[6]2009年に公開された[7][8]
PDM
PDM
既にパブリックドメインになっている作品に標示するツールである。PDMは2010年に公開された[9]

  1. ^ エプスタイン, マーク、ユーザス, クリスティ 著、鵜尾雅隆 訳『社会的インパクトとは何か - 社会変革のための投資・評価・事業戦略ガイド』英知出版、2015年、71頁。ISBN 978-4-86276-207-8 
  2. ^ The Power of Open”. 2018年2月15日閲覧。
  3. ^ “文化庁、CCライセンスを支援へ 独自ライセンス構築は断念”. ITmedia. (2013年2月27日). https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1303/27/news105.html 2013年3月28日閲覧。 
  4. ^ a b Sarah Perez (2017年2月7日). “Creative Commons unveils a new photo search engine with filters, lists & social sharing”. TechCrunch. 2018年3月2日閲覧。
  5. ^ About The Licenses”. Creative Commons. 2018年3月2日閲覧。
  6. ^ "Creative Commons Launches CC0 and CC+ Programs" (Press release). Creative Commons. 17 December 2007. 2012年8月19日閲覧
  7. ^ Baker, Gavin (2009年1月16日). “Report from CC board meeting”. Open Access News. 2012年8月19日閲覧。
  8. ^ Diane Peters (2009年3月11日). “Expanding the Public Domain: Part Zero”. 2018年2月15日閲覧。
  9. ^ Diane Peters (2010年8月6日). “Marking and Tagging the Public Domain: An Invitation to Comment”. 2018年2月15日閲覧。
  10. ^ Global Affiliate Network”. Creative Commons. 2018年3月2日閲覧。
  11. ^ Global Affiliate Network”. 2018年2月15日閲覧。
  12. ^ Network Strategy”. Creative Commons. 2018年3月2日閲覧。
  13. ^ Claudio Ruiz Gallardo (2017年9月29日). “Creative Commons Network Platforms README.md”. github. 2018年3月2日閲覧。
  14. ^ Creative Commons Network Platforms Open-Education.md”. github (2017年9月29日). 2018年3月2日閲覧。
  15. ^ Creative Commons Network Platforms Open-copyright-reform.md”. github (2017年9月29日). 2018年3月2日閲覧。
  16. ^ Creative Commons Network Platforms Open-GLAM.md”. github (2017年9月29日). 2018年3月2日閲覧。
  17. ^ CC Search”. Creative Commons. 2018年3月2日閲覧。
  18. ^ Creative Commons. “Creative Commons - github”. 2018年3月2日閲覧。
  19. ^ Science Commons - Digital Curation Centre”. Digital Curation Centre. 2018年3月2日閲覧。
  20. ^ ICommons - Creative Commons Wiki”. Creative Commons (2010年3月2日). 2018年3月5日閲覧。
  21. ^ a b c 沿革 - クリエイティブ・コモンズ・ジャパン”. クリエイティブ・コモンズ・ジャパン. 2018年3月2日閲覧。
  22. ^ コモンスフィア - NPO法人ポータルサイト”. 内閣府 (2018年2月13日). 2018年3月2日閲覧。
  23. ^ 人事異動のお知らせ”. クリエイティブ・コモンズ・ジャパン. 2018年2月15日閲覧。
  24. ^ NPO法人検索


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