クシエルの遺産 クシエルの遺産の概要

クシエルの遺産

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/15 08:48 UTC 版)

作品

“クシエルの遺産” は以下の小説からなる。出版順は物語の時間的な流れと一致している。

  • フェードル三部作シリーズ(フェードル・ノ・デローネイの物語)
    • 第一部 クシエルの矢 (Kushiel's Dart、2001年6月)
      1. クシエルの矢 八天使の王国(2009年6月、早川書房、ISBN 978-4-15-020498-3
      2. クシエルの矢 蜘蛛たちの宮廷(2009年8月、早川書房、ISBN 978-4-15-020501-0
      3. クシエルの矢 森と狼の凍土(2009年10月、早川書房、ISBN 978-4-15-020503-4
    • 第二部 クシエルの使徒 (Kushiel's Chosen、2002年8月)
      1. クシエルの使徒 深紅の衣(2009年12月、早川書房、ISBN 978-4-15-020506-5
      2. クシエルの使徒 白鳥の女王(2010年2月、早川書房、ISBN 978-4-15-020510-2
      3. クシエルの使徒 罪人たちの迷宮(2010年4月、早川書房、ISBN 978-4-15-020513-3
    • 第三部 クシエルの啓示 (Kushiel's Avatar、2003年4月)
      1. クシエルの啓示 流浪の王子(2010年6月、早川書房、ISBN 978-4-15-020516-4
      2. クシエルの啓示 灼熱の聖地(2010年8月、早川書房、ISBN 978-4-15-020519-5
      3. クシエルの啓示 遥かなる道(2010年10月、早川書房、ISBN 978-4-15-020522-5
  • イムリエル三部作シリーズ[1](イムリエル・ド・ラ・クールセルの物語)
    • 第一部 (Kushiel's Scion、2006年6月、日本語訳未公刊)
    • 第二部 (Kushiel's Justice、2007年6月、日本語訳未公刊)
    • 第三部 (Kushiel's Mercy、2008年6月、日本語訳未公刊)

当初、“クシエルの使徒”は“ナーマーの召使” (Naamah's Servant)、“クシエルの啓示”は“エルーアの子” (Elua's Child) と呼ばれる予定であったが、連続性及びブランドのために変更された[2]

さらに、“Songs of Love and Death”(2010) におさめられた“You and You Alone”という作品がある。これはフェードルの養父であり師であったアナフィール・デローネイの謎めいた過去と、波乱に満ちた一生を通しての愛を描く。“クシエルの矢”と“クシエルの使徒”の間に読むことが勧められている。

モイリン三部作ではイサンドルの子孫モイリンの活躍を描く。

  • モイリン三部作(モイリン〈Maghuin Dhonn〉の物語)
    1. Naamah's Kiss (2009年6月、日本語訳未公刊)
    2. Naamah's Curse (2010年6月、日本語訳未公刊)
    3. Naamah's Blessing (2011年6月、日本語訳未公刊)

背景

“クシエルの遺産”の主な舞台はフランスを思わせるテールダンジュ国、すなわち天使国である。その国民は天使国人と呼ばれ、聖なるエルーアとその仲間の堕天使の子孫である。唯一の神の御子であるユーシフの子イェシュアが十字架にかけられた時、地に落ちた血が聖女マグダレーナの涙と交じった後に母なる大地によって再生させられ、エルーアは生を受けた。祖父たる唯一の神にはねつけられて、エルーアは仲間の8柱の天使と大地をさまよった。幾年もの放浪の後に、エルーアと天使たちは後にテールダンジュとなる土地に落ち着いた。エルーアは“汝、涸れるまで愛せ”の教えを奉じ、エルーアと天使たちは当地の人間と交じりあって天使国人を生み出すことになった。エルーアはディオニューソスと“放浪する豊穣の神”を合わせたもので、自然、愛そして自由と結びついた存在である。

“クシエルの遺産”はエルーアの時代から約千年後が舞台であり、天使国人はエルーアとその8天使の仲間を神として信仰している。天使国人はエルーアの教え“汝、涸れるまで愛を尽くせ”を実践して生き、またナーマーが放浪の間自ら夜をひさいでエルーアの暮らしを支えたために、春を売る営みを神聖なる奉仕と見なしている。この奉仕は独自のギルドによって管理されている。さらに、各花館はナーマーが春を売った理由について独自の解釈を行い、これらの花館から構成される“夜の法廷”で奉仕することはナーマーの奉仕における最高のものであると見なされている。

テールダンジュは7つの領からなっており、それぞれの領が一人の天使を守護としている。カシエルだけは定命の愛に背を向け、また唯一の神を真に拒否はしなかったがために、守護する領を持たない。クールセル王家はラニャースにある王都エルーアからテールダンジュを統治する。シリーズ冒頭においては、テールダンジュと周辺諸国であるアラゴニア(スペインにあたる)およびチェルディッカ連合(中世の分裂したイタリアにあたる)、そして遠きケベル・イム・アッカド(イランアフガニスタンイラクパキスタンにあたる大国)との関係は一般に良好であった。しかしスカルディア(ドイツがモデル)は長く天使国の征服を図っている。早瀬の主の影響のもとで、アルバ(イギリスにあたる)およびエーラ(アイルランドにあたる)とは希薄ながらも良好な関係を保っている。

シリーズ最初の3作の主人公はアングィセットたるフェードル・ノ・デローネイである。その特殊な能力によってフェードルは祖国を恐ろしい運命から救うことが出来た。次の三部作はフェードルの養子となったイムリエル・ノ・モントレーブ・ド・ラ・クールセルの物語である。第三の三部作の主人公はアレースの子孫モイリンの物語である。


  1. ^ a b 英国では“反逆者の世継ぎ”(Traitor's Heir) シリーズと呼ばれる
  2. ^ http://www.suvudu.com/2009/12/authors-share-once-titles.html






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