クシエルの遺産
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/15 08:48 UTC 版)
イムリエル三部作のあらすじ
Kushiel's Scion
イムリエルはフェードルとジョスリンに育てられる。実母のメリザンドは脱走して行方不明となり、やがてイムリエルは宮廷で暮らし始める。イサンドル女王はイムリエルを夫ドラスタンの姪のドロレイと結婚させようとするが、イムリエルはイサンドルの長女シドニーを愛するようになる。イムリエルを憎む、反逆者イシドールの私生児マズリンがシドニーの護衛となり、恋のライバルとなる。
イムリエルは、親友イーモンのいるティベリウム(ローマにあたる)留学に旅立つ。ティベリウムでは大学に通い、乞食の哲学者カニスと知り合う。人妻クラウディアと関係を持ち、Unseen Guildに勧誘される。新しく得た友のルキウスの婚儀のためにルッカ(ルッカにあたる)に行くが、花嫁は誘拐されルッカは包囲される。ルキウスには祖先のガルスが乗り移り、包囲に対抗する。カニスはイムリエルを救い、母に送られたと言って死ぬ。ルッカは水攻めにあうが、ガルスが地獄への門を開いて水を流し出した後、ルキウスから去る。ティベリウムとテールダンジュの援軍が到着し、戦いはルッカの勝利に終わる。
イムリエルはテールダンジュに帰り、フェードルにGuildの話をし、長年の間に母メリザンドから送られた手紙を読む。
Kushiel's Justice
イムリエルは女王の命に従ってドラスタンの姪のドロレイと結婚する決意をし、シドニーの妹のアレースはドロレイの兄でドラスタンの世継ぎであるタローカンの許嫁となる。アルバは姉妹の息子が相続する母系主義を取るため、イムリエルに息子が生まれればタローカンの世継ぎとなる。イムリエルはアルバ文化を学ぼうとするが、シドニーと愛し合うようになり苦しむ。ドロレイが王都に到着し、イムリエルと婚儀を挙げるが、イムリエルは他の女性を愛していると告白する。
イムリエルはドロレイとアルバに行きクランデリーで暮らし始める。マグウィン・ドーンと呼ばれるアルバの魔術師の女モルウェンに呪いをかけられる。ドロレイは身ごもるが、モルウェンは生まれるはずの息子がアルバを破滅に導く幻視をイムリエルに見せる。マグウィン・ドーンの指導者バーリクが変身した巨大な熊がイムリエルに瀕死の重傷を負わせ、ドロレイを殺してテールダンジュに逃げる。アルバの習慣に従い、イムリエルとアルバの戦士たちはバーリクの頭をドロレイの足元に埋めることを誓い、バーリクを追ってテールダンジュに来る。
一行はフラットランズ(ベルギー、オランダ、ルクセンブルクにあたる)に向かい、バーリクがイェシュト人の巡礼の一行の中にいたことを知る。スカルディアを迂回して船で行くが難破し、数を減らしながらもヴラルランド(ロシアにあたる)に着く。イムリエルは単独で極寒の奥地にバーリクを追い、バーリクは抵抗せず首をはねられる。イムリエルはマズリンと再会し、二人で首を持って帰りの途に着く。アルバではシドニーが待っている。ドロレイの足元にバーリクの首を埋め、イムリエルとシドニーはテールダンジュに向かう。
Kushiel's Mercy
王都エルーアでは、反逆者の息子イムリエルと次の女王シドニーの交際を喜ばない人々がいる。女王は、イムリエルが母メリザンドを見つけ出さない限り、シドニーがイムリエルと結婚するなら世継ぎの地位を失うと決める。イムリエルは、メリザンドの居場所について情報を得るため、同盟国アラゴニアの敵のカルターゲ(モロッコ、アルジェリア、チュニジア、リビアにあたる、古代カルタゴの領域)の外交団の王都入りを助ける。カルターゲ人たちは日食を祝う祭りの準備を進めるが、イムリエルはカルターゲ人のUnseen Guildメンバーに針を刺され、失神する。
イムリエルが正気を取り戻した時、すべては一変している。テールダンジュはカルターゲと同盟を結び、シドニーはカルターゲの将軍アステガルと婚約している。イムリエルはこの狂気が王都だけの現象であることを知り、王都の外にいたバルクィール・ド・ランヴェールの助けを得てサイセラ(キプロスにあたる)に行き、母メリザンドとその恋人プトレマイオス・ソロンとと会う。 賢人ソロンはカルターゲの魔法が王都の人々を狂気に陥れたことを教え、魔法を解く方法を教える。ソロンはイムリエルの顔を別人に変える。アステガルの兄弟の魔術師は心を読めるため、イムリエルの記憶を変え別人だと思い込むようにする。イムリエルはカルターゲに向かう。
カルターゲでイムリエルはUnseen Guildの助けを得てシドニーに近づく。シドニーとイムリエルは 互いに理由を知らないまま魅かれあい、シドニーがイムリエルにキスをした時、ソロンの魔法は解けてイムリエルは記憶を取り戻す。そしてシドニーの背中の魔法の入れ墨を切り取った時シドニーは魔法を解かれ、記憶を取り戻す。イムリエルは魔術師を殺す。
二人はアラゴニア人が立てこもる首都アミルカールに逃げ込み、少数民族のユスケリア(バスクにあたる)に自治権を与える代わりに助勢を得てカルターゲ軍を倒し、アステガルを殺す。テールダンジュに戻り、反乱軍を率いるアレースとバルクィールに合流する。王都に侵入し、石を見つけて悪魔を解放する。呪いは解け、人々は正気に戻り、カルターゲはアラゴニアに降伏する。アレースはタローカンとの婚約を解消し、かわりに叔母ブリーディアの養女となり、大クルアハと並ぶ権威を持つ白魔術師のオラムとなるべく訓練を受ける。イムリエルとシドニーは翌年の夏に結婚する。
- ^ a b 英国では“反逆者の世継ぎ”(Traitor's Heir) シリーズと呼ばれる
- ^ http://www.suvudu.com/2009/12/authors-share-once-titles.html
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