クシエルの遺産
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/15 08:48 UTC 版)
登場人物
主要人物
- フェードル・ノ・デローネイ
- フェードル三部作を通じた主人公であり、苦痛を快楽と転じ、受けた傷をあとかたなく癒すアングィセットと呼ばれる能力の持ち主。たぐいまれな美貌であるが、左目に“クシエルの矢”と呼ばれる赤い染みがある。下級貴族の父と神娼の母の間に生まれ、幼くして花館の奉公に売られる。アナフィール・デローネイに引き取られ、養女となって快楽と諜報の技を学び、外国語の達人となる。メリザンド・シャーリゼおよびイシドール・デーグルモールの裏切りを暴き、スカルディアの侵略を阻止する。イサンドル・ド・クールセルの信頼を得てその寵臣となり、アナフィールの領地モントレーヴを継いで女伯爵となる。その後もメリザンドとベネディクト・ド・ラ・クールセルのイサンドル暗殺の陰謀を阻止し、パーシィ・ド・サマヴィーユの王都エルーア攻略の企みを失敗に導くことに尽力する。10年後、メリザンドの依頼を受けて、失踪したベネディクトとの息子イムリエル・ド・ラ・クールセルを探索してドルージャン後宮から救出し、自らの養子とする。引き換えにメリザンドから得た手がかりをもとにサバに赴いて唯一の神の御名を手に入れて堕天使ラハブを祓い、幼馴染の友ヒアシンスを呪いから解放する。
- アナフィール・デローネイ
- モントレーヴ伯爵家出身、フェードルの師でありフェードルを引き取った養父。故ローランド・ド・ラ・クールセル王子の恋人であり、その娘イサンドルの誓願騎士となって数々の陰謀から守る。メリザンドとイシドールによって殺される。
- アルクィン・デローネイ
- フェードルと同様にアナフィールに引き取られ、快楽と諜報の技を学んだフェードルの義理の兄弟。アナフィールとともに殺される。
- ジョスリン・ヴェルーユ
- キャシリーヌ修道士としてフェードルの護衛となるが、キャシリーヌの純潔の掟と神娼であるフェードルへの愛のはざまで悩み、修道会を破門される。その後はフェードルの愛人となり、冒険と苦難をともにするが、一時フェードルと離れイェシュト人と行動を共にする。美男で最強の剣士。
- ヒアシンス
- ツィンガン人の母と天使国人の父の間に生まれた混血児であり、フェードルの幼馴染。予言の才ドロモンドを持つ。スカルディア侵略に際してアルバからの援軍を呼び込むため、早瀬の主となって三姉妹諸島に囚われる呪いを受ける。フェードルによって呪いを解かれた後はシーベルと結婚し、アルバに住む。
- メリザンド・シャーリゼ
- 最大の悪役。天使クシエルの血の濃い、クシェスの名門貴族シャーリゼ家の出身。たぐいまれな美貌と頭脳を持ち、天使国の王位を狙ってさまざまな陰謀を仕掛ける。スカルディアによる侵略戦争を仕掛け失敗に終わったのちに逃亡し、ベネディクトと結婚して王位の血筋の息子をもうける。天使国の多くの民と数々の王子や貴族を死に至らしめ、その家を崩壊させたために多くの天使国人に憎まれる。天使国では死刑を宣告されているが、ラ・セレニッシマのアシェラト神殿の庇護を受け、ここに幽閉されていることで処刑を逃れる。フェードルに願って行方不明になった息子イムリエルを見つけ出し育てさせる。後にサイセラに逃亡し、賢人ソロンの愛人となる。Unseen Guildのメンバーである。
- イサンドル・ド・ラ・クールセル
- テールダンジュの女王。ガヌロン・ド・クールセルの孫。ローランドとイザベル・ド・ランヴェールの一人娘。
- ドラスタン・マブ・ネクターナ
- 黒猪氏族出身、アルバの大クルアハ、継承戦争を勝ち抜き、援軍を率いて天使国に渡り、スカルディア軍を破ってイサンドルの配偶者となる。一年のうち半分をアルバ、残り半分を天使国で過ごす。
- イムリエル・ド・ラ・クールセル
- イムリエル三部作の主人公。メリザンドとベネディクトの息子。10歳までは出自を知らされずエルーア修道院で密かに育てられる。カルターゲ奴隷商人に誘拐され、ドルージャン後宮に売られ苦難の日々を送るがフェードルによって助け出され、その養子となる。反逆者の血筋と高い王位継承順位ゆえに、陰謀と憎悪にさらされるが、フェードルとジョスランの愛と庇護をうける。成長後はドラスタンの姪ドロレイと政略結婚を強いられるが、イサンドルの娘シドニーと愛し合うようになって苦しむ。妻ドロレイの死を贖う復讐の旅を成就させる。カルターゲの魔法に捕らわれた王都の人々とシドニーを救い出す。
- シドニー・ド・ラ・クルーセル
- イサンドル女王とドラスタンの長女
- アレース・ド・ラ・クルーセル
- イサンドル女王とドラスタンの次女
- モイリン・マック・フェインシュ
- モイリン三部作の主人公。アルバの荒野でアレースの子孫のマグウィン・ドーンである母フェインシュとテールダンジュの祭司の父の間に生まれる。
テールダンジュの王侯貴族
名前 | 説明 |
ガヌロン・ド・ラ・クールセル | イサンドルの祖父であり、前王 |
ローランド・ド・ラ・クールセル | イサンドルの父でかつての王太子、三王子の戦いで死亡 |
ベネディクト・ド・ラ・クールセル | イサンドルの大叔父にあたる王子、ラ・セレニッシマに在住、三王子の1人 |
エドメ・ド・ロカイユ | ローランドの婚約者、故人 |
バルクィール・ド・ランヴェール | イサンドルの叔父で公爵 |
イザベル・ド・ランヴェール | バルクィールの妹、ローランドの妃、イサンドルの母、故人 |
ニコラ・ド・ランヴェール・イ・アラゴン | バルクィールの従姉、アラゴニア王の弟に嫁す |
ヴァラール・ド・ランヴェール | バルクィエールの娘、ケベル・イム・アッカドの太子に嫁す |
イシドール・デーグルモール | カムラク領公爵、スカルディアと共謀して天使国王位を狙うが最後はヴァルデマールと刺し違える |
リヨネット・ド・ラ・クールセル・ド・トレヴァリオン | ガヌロンの妹、アザールの雌獅子、息子とともに処刑される |
マルク・ド・トレヴァリオン | リヨネットの夫 |
ボードワン・ド・トレヴァリオン | 公爵、マルクとリヨネットの息子、反逆罪により処刑される |
ベルナドット・トレヴァリオン | ボードウィンの妹、ジスラン・ド・サマヴィーユの妻となる |
ガスパール・ド・トレヴァリオン | フォルケー伯爵、マルクの従兄、アナフィールの友 |
パーシィ・ド・サマヴィーユ | 王軍総帥、公爵。ガヌロンの妃の血縁のため、三王子の1人とされる |
ジスラン・ド・サマヴィーユ | パーシィの息子 |
ロクサーヌ・ド・メレリオ | マルシリコスの貴婦人、女公爵 |
マヴロス・シャーリゼ | イムリエルの従兄弟 |
テールダンジュのその他の人々
名前 | 説明 |
クインティリウス・ルッス | テールダンジュの海軍元帥、アナフィールの友 |
テレジス・ド・モルネー | 天使国の桂冠詩人、アナフィールの友 |
マルミオン・シャーリゼ | 従姉メリザンドの脱走を助けた妹ペルシアを殺害した罪で追放、アラゴニアに亡命する |
セシリー・ラヴォー-ペラン | フェードルの師 |
ファブリール・ノ・エグランティーヌ | 花館の元お針子、のちに売れっ子の仕立屋 |
ティ-フィリップ | 元"フェードルの野郎ども"、後にフェードルに仕える |
アマランテ | シドニーの侍女 |
マズリン | 反逆者イシドール・デーグルモールの私生児 |
他国の人々
名前 | 説明 |
モアレッド | ドラスタンの妹 |
ブリーディア | ドラスタンの妹 |
シーベル | ドラスタンの妹、ヒアシンスの妻となる |
イーモン、グレーン | アルバにおけるダルリアダ人の双子王。イーモンはスカルディア侵略において戦死 |
イーモン・マク・グレイン | クインティリウス・ルッスの息子でイムリエルの親友 |
ドロレイ | ドラスタンの姪 |
タローカン・マブ・ネクターナ | ドラスタンの甥で世継ぎ |
ヴァルデマール・セリグ | スカルディアの指導者、聖王 |
チェーザレ・ストレガッツァ | ラ・セレニッシマの統領(ドージュ) |
セヴェリオ・ストレガッツァ | チェーザレの孫 |
ミカ・ベン・シモン | イェシュト人の若者。ジョスランからキャシリーヌの剣術を教わる |
カザン・アルタビアデース | イリュリアの海賊 |
プトレマイオス・ディカイオス | メネケットのファラオ |
マハールカギール | ドルージャン王 |
リジャス | ジュベ・バルカルの王子 |
カネカ | ドルージャン後宮に囚われていたジュベ・バルカル人 |
カリス | ティベリウムの乞食の哲学者にして、Unseen Guildのメンバー |
クラウディア | ティベリウムの人妻でUnseen Guildのメンバー、イムリエルの不倫相手 |
ルキウス | ルッカ出身のイムリエルの学友 |
プトレマイオス・ソロン | サイセラの賢人 |
アステガル | カルターゲの将軍 |
- ^ a b 英国では“反逆者の世継ぎ”(Traitor's Heir) シリーズと呼ばれる
- ^ http://www.suvudu.com/2009/12/authors-share-once-titles.html
固有名詞の分類
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