キャスリーン・セベリウス
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保健福祉長官として
セベリウスの指名に対しては、人工妊娠中絶に反対する団体が反対を表明すると共に、上院の中絶反対派の議員も反対する可能性が最も高かった[43]。 前述のように、セベリウスが保健福祉長官への指名を受諾したことは、2009年2月28日にロイターによって第一報が報道され、2009年3月2日、オバマ大統領によって正式発表された。この大統領発表会見にはセベリウスも同席し、さらに彼女の同行者という形でカンザス州選出のボブ・ドール元・上院院内総務(共和党)とパット・ロバーツ上院議員(民主党)も同席した。
承認までの過程
さらには、指名承認・登用に向けて行われる身辺調査(FBIによって、逮捕歴や納税漏れの有無などを中心に徹底的に調査が行われる。)の過程において、過去に納税申告書に“不注意によるミス”があり、あわせて8000ドル近い追徴金を支払っていたことが明らかになり[44]、セベリウス自身もこれを認めた。彼女は 寄付金や自宅の売却益などに至るまで非常に多額の税額控除を受けていたのである[45][46][47][48]。もっとも、セベリウスが指名を受けるきっかけにもなったダシュル元・上院院内総務は、はあわせて15万ドル近い追徴金を支払っており、セベリウスが支払った8000ドルという追徴金はまだ少額な方であると言える。
この問題については、承認に向けて4月に上院財政委員会で開かれた公聴会でも問題となり、関連質問がなされた。セベリウスはこの質問に答え、その中で1994年から2001年までの8年間に、カンザス州ウィチタで人工妊娠中絶クリニックを運営していることで知られていたジョージ・ティラー医師から1万2,450ドルの寄付を受けていたことを証言した[49]。また、この証言の一方でAP通信が、ティラー医師が2000年から2002年までの3年間に少なくとも2万3,000ドルを、セベリウスが保険長官在任中に設立した、民主党本体向けの政治資金を募ることを目的とする政治活動委員会(PAC)に寄付していたことを報じた。
このような諸問題があったものの、セベリウスの指名は4月28日に開かれた上院本会議で賛成65票・反対31票という大差で承認された[50]。これを受けてセベリウスは、同日付けで長官に就任した。ちなみにこの承認・就任の時期は、ちょうどメキシコにおいて豚インフルエンザが発生し、世界各地に拡大するという危機的状況が発生した時期と重なっており[1][51]、今後の対応が注目されることとなる。
2010年には、医療保険改革法が成立した[4]。
システムの不具合
2013年10月、新しい医療保険が始まったが、この保険にインターネットから加入するためのサイトが不具合を続発させ、サイトの利用者のほぼ全員が加入できなかった。新しい医療保険に入らないと、人によっては無保険状態になる可能性があったことから、オバマ政権への批判が高まった[52]。この不具合によって、共和党からは、医療保険改革法の責任者でもあるセベリウスへの辞任要求が出た[53]。
新しい医療保険への加入者は、当初目標だった700万人を突破して成功したものの[54]、2014年4月10日、セベリウスはこの混乱の責任を取る形で辞任を発表し、6月9日に退任した。後任はシルビア・マシューズ・バーウェル行政管理予算局長である[4][55][56]。
- ^ a b カンザスシティ・スター紙の電子版記事より(英語・デイヴィッド・ゴールドスタイン記者とデイヴィッド・クレッパー記者の共同編集記事・4月28日(現地時間)配信)
- ^ CNNのサイトにアップロードされている反対声明の映像(英語)
- ^ 保健福祉省のホームページより(英語)
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- ^ カンザス州保険長官は、カンザス州保険省の長として、州内で営業活動を行う保険会社に対する規制や監視、冊子発行や報道を利用した消費者への各種保険に関する教育・啓発、保険金支払いなどで問題が生じた場合の消費者保護、州内で販売活動を行う保険外交員への販売免許の交付など、各種保険に関する行政を管轄する。
- ^ ブルークロス・ブルーシールドは、独立系の民間保険会社や各州・各地域が運営する保険公社など計39社の連合体ブルークロス・アンド・ブルーシールド・アソシエーション(BCBSA)が展開する健康保険のブランドの名称である。
- ^ 野生の七面鳥を保護する運動を行っている国際的NPO、ナショナル・ワイルドターキー・フェデレーションのホームページに掲載されたセベリウスの特集記事より(英語・2004年10月27日(現地時間)配信)
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- ^ CNNの2004年大統領選挙特集サイトに掲載されている集計データより
- ^ ラスムセン社のサイトに掲載されているカンザス州知事選挙に関する世論調査レポートより(英語・2006年9月1日(現地時間)配信)
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- ^ ウィチタ・イーグル紙の電子版記事より(英語・ジャニーン・コランダ記者の編集記事・なお、この記事は2008年2月16日にKansas.comに掲載されたものを元に編集され、2009年3月18日(現地時間)に配信されたものである)
- ^ 政治系サイトPolitico.comに開設されているベン・スミス記者編集のブログ記事より(英語・2009年2月16日(現地時間)配信)
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- ^ セベリウスの保健福祉長官指名受諾を伝えるロイターの記事より(英語・2009年2月28日(現地時間)配信)
- ^ FOX Newsの公式サイトに掲載された記事より(英語・2009年3月1日(現地時間)配信)
- ^ CNN Politics.comに掲載されたブラウンバック上院議員の引退を伝える記事より(英語・2008年12月17日(現地時間)配信)
- ^ 政治系サイト“FiveThirtyEight”に掲載された2009年2月版の上院各州ランキングより(英語・ネイト・シルバー記者の編集記事・2009年2月8日(現地時間)配信)
- ^ ワシントン・ポスト紙電子版に掲載されたセベリウスの国政進出に関する記事より(英語・AP通信のジョン・ハンナ記者が編集した記事の配信を受けたもの・2007年1月28日(現地時間)配信)
- ^ 政治系サイト“FiveThirtyEight”に掲載された記事より(英語・シーン・クイン記者の編集記事・2009年2月19日(現地時間)配信)
- ^ CNN Politics.comに掲載された記事より(英語・2009年3月2日(現地時間)配信)
- ^ セベリウスの納税漏れを伝えるロイターの記事より(英語・ジョン・オコーラガン記者の編集記事・2009年3月31日(現地時間)配信)
- ^ NYタイムズの電子版記事より(英語・ロバート・ピアー記者の編集記事・2009年3月31日(現地時間)配信)
- ^ シカゴ・トリビューンの電子版記事より(英語・ノアム・N・リーヴェイ記者の編集記事・2009年4月1日(現地時間)配信)
- ^ ウォールストリート・ジャーナル紙の公式サイトに掲載されている特集ブログ“Health Blog”に掲載された記事より(英語・サラ・ルーベンシュタイン記者の編集記事・2009年4月1日配信)
- ^ マイアミ・ヘラルド紙の電子版記事より(英語・デイヴィッド・ゴールドスタイン記者の編集記事・2009年4月1日配信)
- ^ MSNBCの公式サイトに掲載された記事より(英語・AP通信の配信記事・2009年4月1日(現地時間)配信)
- ^ CBS Newsの公式サイトに掲載されたセベリウスの承認を伝える記事より(英語・ブライアン・モンポリ記者の編集記事・2009年4月28日(現地時間)配信)
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- ^ ワシントン・ポスト紙の公式サイトに掲載されているクリス・シリッザ記者担当の政治ニュース・分析コラム“The Fix”の記事より(英語・2008年5月26日(現地時間)配信)
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- ^ 性と生殖に関する健康問題を取り扱うNPOアラン・ガットマチャー研究所の公式サイトに掲載されたレポートより(英語・レベッカ・ウィンド研究員の編集・2008年1月17日(現地時間)公開)
- ^ ラスムセン社のホームページに掲載されているボブ・ノヴァク担当のコラム記事より(英語・2008年5月26日配信)
- ^ カンザス州議会ホームページ上の「知事が拒否権を行使した法案一覧」より(英語・PDF版)
- ^ アメリカでの代替法案とは、その名の通り審議中の法案の代わりとなる法案のことを指す。通常は代替修正条項(Substitute Amendment)と代替法案(Substitute Bill)の2種類がある。詳細は こちら(ミズーリ州議会ホームページに掲載されている議会用語集(SubstituteはS行の最後に掲載))を参照されたい。
- ^ カトリック系のニュース配信サイト“Catholic News Service”の記事より(英語・デニス・サドウスキー記者の編集記事・2008年5月12日(現地時間)配信)
- ^ カトリック系のニュース配信サイト“Catholic Democrats”の記事より(英語・パトリック・ウィラン記者の編集記事・2008年5月14日(現地時間)配信)
- ^ カトリック系の総合サイト“Catholic Online”の政治系ニュース記事より(英語・カトリック系のニュース配信サイト“Christian Newswire” が配信した記事・2008年5月13日(現地時間)配信)
- ^ カトリック系のニュース配信サイト“カトリック・ニュース・エージェンシー”(CNA)が配信した記事より(英語・2008年5月12日(現地時間)配信)
- ^ 妊娠後期における中絶については、中絶問題が政治・宗教を絡めた大きな社会問題となっているアメリカにおいても特に論議が大きく、反対も根強い。ティラー医師のクリニックは、全米でも3件しかない後期妊娠中絶を取り扱うクリニックの1つであった。参考出典(後期妊娠中絶を取り扱うクリニックの件数など):“後期中絶クリニックの医師、教会で殺害される 米カンザス州”. AFP. (2009年6月1日) 2011年2月17日閲覧。
- ^ ちなみにティラー医師は、2009年5月31日(現地時間)にカンザス州ウィチタの教会で、中絶反対派と思われる男によって射殺された。“米ミズーリ州、中絶手術担当医が教会で射殺される”. ロイター. (2009年6月1日) 2011年2月17日閲覧。
- ^ CJOnline.comに掲載された電子版記事より(英語・ジェームズ・カールソン記者の編集記事)
- ^ 全米バイオエタノール推進知事連盟の公式ホームページに掲載されたセベリウス議長が行った連邦議会委員会での証言全文(英語・2006年3月28日(現地時間)公開)
- ^ CBS系の地方放送局WIBWの公式サイトに掲載されたニュース記事より(英語・2008年3月4日(現地時間)配信)
- ^ 環境保護に関するニュースや論説を展開するオンライン雑誌“Grist Magazine”の記事より(英語・ケイト・シェパード記者の編集記事・2008年7月10日(現地時間)配信)
- ^ 環境保護系のニュースを配信するサイト“Environmental News Service”の配信記事より(英語・2008年3月21日(現地時間)配信)
- ^ ニュース配信サイト“LJWorld.com”のに掲載された記事より(英語・スコット・ロスチャイルド記者の編集記事より・2008年6月2日(現地時間)配信)
- ^ LJWorld.comに掲載された記事より(英語・AP通信の配信記事・2004年4月16日(現地時間)配信)
- ^ USA Today紙の公式サイトに掲載された電子版記事より(英語・AP通信の配信記事・2004年4月16日(現地時間)配信)
- ^ ボストン・グローブ紙の公式サイトに掲載された電子版記事より(英語・AP通信のジョン・ハンナ記者が編集した記事の配信を受けたもの・2005年4月6日(現地時間)配信)
- ^ NYタイムズ電子版に掲載されたセベリウスのプロフィール(英語・2009年4月29日(現地時間)に保健福祉長官就任に伴って内容が更新されている)
- ^ カンザス地区裁判所のホームページより(英語)
- ^ セベリウスがフェスティバルを訪れたことを報じるタイムズ-ピカユーン紙の電子版記事(英語・2009年4月28日(現地時間)配信)
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