カルタン幾何学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/31 00:51 UTC 版)
ユークリッド幾何学をモデルとするカルタン幾何学
本章ではモデル幾何学がユークリッド幾何学の場合を考える。すなわち、モデルとするクライン幾何学がユークリッド空間 m次元リーマン多様体M上に曲線を取り(図の青の線)、に沿ってMをm次元平面上を「滑ったり」「ねじれたり」することなく転がした[注 28]ときにできる曲線の軌跡をとする(図の紫の線)。
このとき、次が成立することが知られている:
また、Mをm次元平面上滑りもねじれもなく転がすと、時刻tにがに接した瞬間にがに重なるので、自然に写像
が定義できる。この写像を使うと、Mのレヴィ・チヴィタ接続∇の幾何学的意味を述べることができる:
定理 ―
をに沿ったM上のベクトル場とすると、以下が成立する[54]:
すなわち、曲線に沿ったの共変微分をに移したものは、を移したものを通常の意味で微分したものに一致する。
よって特に以下が成立する:
系 ―
における接ベクトルをM上曲線に沿って(レヴィ・チヴィタ接続の意味で)平行移動したものをとするとき、におけるベクトルを上まで通常の意味で平行移動したものはに等しい[54]。
出典
注釈
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