オオメジロザメ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/20 03:25 UTC 版)
人との関わり
保全状況
淡水や汽水域では人の活動の影響を受けやすいと考えられるため、環境国際自然保護連合からは「危急」と評価されている。また食用にされ身は冷凍、生鮮、燻製などさまざまな用途で利用される。他にもふかひれ(実際に香港で見られるふかひれの約2%はこの種とされている)、魚粉、革、肝油(本種の肝油はビタミンを多く含有する)などに使われ延縄や刺し網でよく漁獲されるため、個体数の減少が懸念されている。[10]
日本国内の水族館での飼育
沖縄県の国営沖縄記念公園水族館(現:沖縄美ら海水族館)で1978年から飼育され、世界最長飼育記録を更新し続けている(2018年6月の時点で40年間[12])。なお、沖縄美ら海水族館で飼育されているオオメジロザメのうちの1匹が、2006年8月31日に11匹の幼魚を出産している。水族館で飼育されているオオメジロザメの水槽内出産は、1993年にも国営沖縄記念公園水族館で観察されている。繁殖賞を受賞している[2]。日本国内では他に、京急油壺マリンパークで飼育展示されていた。本州では唯一の飼育であったが2021年9月30日に閉館したため、展示を終了した。飼育されていた個体がどこへ行ったのかは不明である。また、沖縄美ら海水族館でも一般向けの展示を行なっていないため、日本国内の水族館で見ることはできない。(2022年現在)[13]。
危険性
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1996年7月23日に沖縄県宮古島で52歳の男性がサメに襲われて死亡した。被害者の傷の状況は左胸部から下腹部にかけて縦約35cm、横30cmの楕円形であり、胃と腸、さらに左手人差し指も食いちぎられ、中指、右足の親指、人差し指、中指も一部分食いちぎられていた。右腕部分にも大きな傷があり、左手首にも傷が認められた。この事故の調査の際に被害者の左手首から歯の破片が2つ見つかり(大きなものは長さ16.68mm、小さいものは長さ8.10mm)、縁辺部に鋸歯があり鋸歯の一本一本の間隔が狭いことから沖縄記念公園水族館(のちの沖縄美ら海水族館)の前館長内田詮三と戸田実が同館に保管していたオオメジロザメの歯と比較すると酷似したため、犯人はオオメジロザメとされた。[14]日本ではこの1例のみが知られているが、海外では人を襲った記録も極めて多く、気性も荒いことから、ホホジロザメやイタチザメと並ぶ最も危険なサメである。淡水域でも人が襲われた事例があり、ザンベジ川での事例が有名である。[15] 2022年度現在までで119件の事故が報告されており、うち26件は死亡事故である。[16]淡水域まで侵入するうえ、より大型のホホジロザメやイタチザメと較べて狭い場所や浅い場所にも入り込むだけでなく気性も荒いことから、襲われる可能性は最も高いといわれる。
- ^ Simpfendorfer, C. & Burgess, G.H. 2005. Carcharhinus leucas. In: IUCN 2011. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2011.1. <www.iucnredlist.org>. Downloaded on 30 June 2011.
- ^ a b “オオメジロザメ”. 沖縄美ら海生き物図鑑. 2022年10月11日閲覧。
- ^ 下瀬(2021)「沖縄さかな図鑑」,沖縄県
- ^ 谷内透.1997.サメの自然史.東京大学出版会
- ^ Thomas Boswell (2013年5月1日). “Sharks at Carbrook Golf Club caught on film, confirming they survived Brisbane floods”. Courier Mail. Albert & Logan News 2021年4月17日閲覧。
- ^ [1]
- ^ https://www.floridamuseum.ufl.edu/discover-fish/species-profiles/carcharhinus-leucas/
- ^ Purushottama, GB and Ramkumar, S and Tandel, S and others (2013). “First record of Bull shark, Carcharhinus leucas (Valenciennes, 1839) in commercial landings from New Ferry Wharf, Mumbai, Maharashtra”. Marine Fisheries Information Service; Technical \& Extension Series (Central Marine Fisheries Research Institute) (218): 12-15 .
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- ^ a b c David A.Ebert,Mare Dando and Sarah Fowler (2021). SHARKS OF THE WORLD A Compleat Guide. WILD NATURE PRESS
- ^ 仲谷一宏 (2016). サメ-海の王者たち-改訂版. ブックマン社
- ^ “オオメジロザメ飼育40年! 世界最長飼育記録更新中!!”. 沖縄美ら海水族館 (2018年6月28日). 2022年10月11日閲覧。
- ^ “水族館「魚の国」”. 京急油壺マリンパーク. 2022年10月11日閲覧。
- ^ 矢野和成.1998.サメ 軟骨魚類の不思議な生態.東海大学出版会,安達.
- ^ 谷内透.1997.サメの自然史.東京大学出版会
- ^ https://www.floridamuseum.ufl.edu/shark-attacks/factors/species-implicated/
- 1 オオメジロザメとは
- 2 オオメジロザメの概要
- 3 人との関わり
- 4 関連項目
固有名詞の分類
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