オオヘビガイ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/16 02:08 UTC 版)
オオヘビガイ | ||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||
Serpulorbis imbricatus |
特徴
岩の上に殻を固着させて成長するため、岩の形などによってその形は多少変わる[1]。おおよそでは成貝で殻径50mm、殻高20mm程度になる。殻口の径は老成貝で15mm程度。固着して後は次第に殻の径を増しながら巻き上がってゆく形になり、上から見ると左巻きに見える。ただし巻かずに伸びてしまった形で育つ例もある。なお殻口部分はそこまで巻いてきた殻の上に乗るか、または多少基盤を離れて立つ傾向がある[2]。螺管断面が半円形から円形で、表面には幾筋かの瓦状の螺肋と多数の糸状の螺肋がある。殻の表面は淡灰褐色で、殻口の内面は白い。
殻は巻き上がっているので見た目は左巻きに見え、これを超右巻き(Superdextral)という[3]。
生態など
活動として殻から肉体を出すことはなく、せいぜい頭が見える程度である。摂食方法としては粘液を分泌してそれを水中に網状に広げ、これに引っかかったデトリタス等を回収して食べる[4]。網となる粘液は足から分泌される[5]。食べる際は粘液ごと回収してしまう[6]。
繁殖時は夏で、卵の入った袋を殻の入り口の内側につるす[4]。卵はこの嚢内で孵化し、ベリジャー幼生となって泳ぎ出る[3]。胎殻は右巻き[3]で滑らかで光沢がある[2]。
なお繁殖には他家受精が必要であるが、本種は集団を作らない。つまり他個体と接触する方法がない。受精に関しては雄が精子のカプセルを放出し、雌が粘液の糸で絡め取ってそれを回収、体内で受精が行われる、との報告がある由[6]。
分布と類似種など
日本では北海道以南、それに台湾と中国に分布する[4]。生息地は沿岸岩礁の潮間帯である[5]。波当たりの弱い岩場やタイドプールでよく見られる[7]。 日本本土ではどこでも普通だが、奄美ではこれに代わってリュウキュウヘビガイ S. trimeresurus が出現する[8]。ただしこの種は四国南部からも知られる[4]。また殻に薄紫や褐色の斑があるソメワケヘビガイも紀伊半島以南に分布する[4]。
なお、別属のフタモチヘビガイ Dendropoma maximum は殻に蓋を持つ。紀伊半島以南に見られる[3]。
- ^ 以下、主として岡田他(1960),p.168
- ^ a b 岡田他(1967)p.57
- ^ a b c d 波部、小菅(1979),p.32
- ^ a b c d e f 松久保(1999),p.82
- ^ a b c 岡田他(1960),p.168
- ^ a b 佐藤(2005),p.2
- ^ 志村(1979),p.151
- ^ 行田(2003),p.12
- ^ 塩垣、道津(1972)
- ^ Ishida(2003)
- ^ 志村(1979),p.151-152。なお、これは神奈川県三浦半島か千葉県房総半島での話で、有用な情報提供者として千葉県在住の人名があるが、本種の話がどこに基づくものかは定かでない。ただし味に関しては著者の感想である。
- 1 オオヘビガイとは
- 2 オオヘビガイの概要
- 3 他の生物との関係
- 4 参考文献
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