エーリヒ・ハルトマン 逸話

エーリヒ・ハルトマン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/23 17:17 UTC 版)

逸話

  • 語学に堪能でロシア語フランス語ドイツ語と同じく流暢であったといい、また英語も話した。
  • イケメンとして知られ、休暇に街に繰り出せば女性たちから黄色い声が上がったが、婚約者ウルスラがいたため手を出さなかった。戦友たちはハルトマンについて行ったことでおいしい思いをし、中にはそのままゴールインした者もいた。
  • 戦闘で負傷することなく戦い続けたハルトマンだが、撃墜されソ連兵の捕虜になるも、負傷者のふりをして隙を見て逃げ出し、自軍戦線に徒歩で帰還したところ、歩哨にソ連兵と間違われ発砲され、銃弾は幸いにもズボンだけを貫通しただけで済んだ事がある。
  • 西ドイツ空軍がF-104を導入した際、懐疑的な見方を示した事で知られる。理由としてはドイツ空軍の若いパイロット達がこの機体を採択して乗りこなすには、まだ多くの経験とノウハウの蓄積が必要であるという見解であり、F-100F-102アフターバーナーなど先進技術を習得してからF-104に段階的に移行すべきだと論じた。しかし、この意見は政治的問題から却下され、晩年空軍上層部から忌避される原因の一つとなった。だが、実際、導入後の西ドイツではF-104の事故が多発し、「未亡人製造機」と揶揄される程の事態となり、ハルトマンの見識が証明される結果となった。
  • 西ドイツ空軍の人事評価は最悪に近いものであり組織人幕僚的なセンスは低かった。
  • 柏葉付騎士鉄十字章を授与される際に、移動中の列車で車掌から振舞われた酒で度を越した飲酒を行った。授賞式が行われるのはヒトラーの山上の別荘「鷲の巣」であり、自動車に乗り換える必要があるが、その際にヒトラーの空軍担当上級副官ビューロー少佐の命令で、酔い覚ましの為に氷点下の中をオープンカーで送り届けられた。しかし完全に酔いはさめておらず「鷲の巣」の玄関のいすの上にあった帽子をおどけて被って仲間を笑わせ、総統の帽子であると副官に取り上げられるという「茶目っ気」を発揮した。その後、同じ副官に柏葉・剣・ダイヤモンド付騎士鉄十字章を授与される際、ヒトラー暗殺防止のため拳銃をハルトマンが所持することを拒絶されると「前線の空軍士官が信用できないなら、授賞を辞退する。」と申し出て結局ピストルを会場まで携行した。戦争の推移と、ハルトマンを表す逸話とされている。
  • 国家元帥ヘルマン・ゲーリングに 悪天候の中で経験未熟なパイロットが多数出撃させられて多大な犠牲を出した事に対して抗議の手紙を送りつけたという。
  • 上官であったゲルハルト・バルクホルンが自動車事故で亡くなったため、晩年は自動車の運転を控えていた。

  1. ^ 初撃墜から150機撃墜までの記録が残っている。352機までの記録も存在したが、こちらは終戦時に米軍あるいはチェコスロバキア軍により接収され行方不明
  2. ^ 但し一度だけ僚機が撃墜された事がある。戦争末期戦闘機パイロットの補充のため爆撃機パイロットであったギュンター・カピト少佐が機種転換訓練も受けずにハルトマンの戦隊に配属された。ハルトマンは出撃しても生き残れないと考え彼の出撃を制限していたが、10歳以上年長でかつ階級も上の彼の出撃を認めよとの催促に負けて僚機として出撃を許可した。しかし、彼はソ連のエースパイロット機に撃墜されてしまう。幸い不時着し事無きを得た。なお、戦後ハルトマンと一緒に捕虜となり10年抑留生活を送ったが、彼はハルトマンに対してこの時のことについて感謝の意を示している。事実、ハルトマンの僚機を務めた者で彼と行動中に戦死した者はいない。






固有名詞の分類

騎士鉄十字章受章者 ヴィルヘルム・カイテル  パウル・マイトラ  エーリヒ・ハルトマン  ヴォルフラム・フォン・リヒトホーフェン  フリードリヒ・パウルス
ドイツ第三帝国の軍人 フリードリヒ・フランツ・ツー・メクレンブルク  フリードリッヒ・フォン・デア・ハイテ  エーリヒ・ハルトマン  ハンス・グラードル  バルドゥール・フォン・シーラッハ
ドイツ連邦共和国の将軍 アルミン・ツィンマーマン  フリードリッヒ・フォン・デア・ハイテ  エーリヒ・ハルトマン  フォルカー・ヴィーカー  ヴォルフガング・アルテンブルク
第二次世界大戦のエースパイロット ミリスラフ・セミッツ  樫出勇  エーリヒ・ハルトマン  ブレンダン・エイモン・ファーガス・フィヌケーン  フランツ・フォン・ヴェラ
ドイツのパイロット ゲルハルト・フィーゼラー  ブルーノ・レールツァー  エーリヒ・ハルトマン  ヴォルフラム・フォン・リヒトホーフェン  フランツ・フォン・ヴェラ

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