ウィンナーモービル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/14 08:06 UTC 版)
歴史
1936年に誕生したカール・マイヤーの初代ウィーナーモービル[1]から、現在走行中の現役車まで発展してきた。第二次世界大戦中はガソリンが配給制になったため操業されなかったが、1950年代、オスカー・マイヤーと車体メーカーのガーステンスレイガー社はダッジやウィリスのジープの車体を使用して何台かのウィーナーモービルを作った。それらのうちの1台がミシガン州ディアボーンのヘンリーフォード博物館に展示されている。これらのウィンナーモービルは『リトル・オスカー』と呼ばれていた運転手により店舗、学校、孤児院、子供病院を訪問したり、パレードやフェスティバルに参加したりした。
1969年、シボレーの車体を使い、フォード・サンダーバードのテールライトを特徴とした新しいウィーナーモービルが作られた。1969年版は海外に渡航した最初のウィーナーモービルとなった。1976年、再度シボレーの車体を用い、プラスチック・プロダクト社がガラス繊維と発泡スチロールを用いて新車を作成した。
1988年、オスカー・マイヤーはホットドッガープログラムを開始。大学新卒者が全米各地および海外でウィンナーモービルの運転手として雇われた。新しいホットドッガーズのために、スティーヴンス・オートモーティヴ・コーポレーションと業界で著名なデザイナーブルックス・スティーヴンスが改造したシボレーのバンを使い、高速に耐え得る6台のウィーナーモービルを製造した。
1995年版では長さ27フィート (8.2 m)、高さ11フィート (3.4 m)となった。2004年版では音声起動できるカーナビゲーションとワイヤレス・マイク付きの音響システム、ケイジャン、ラップ、ボサノヴァなど21種類のウィーナー・ジングルを鳴らすことができる警笛を搭載し、ヒストリーのドキュメンタリー 『アメリカ人は何を食べてきたのか』によると4代目ポンティアック・ファイヤーバードのテールライトを使用している。
2004年、オスカー・マイヤーがウィーナーモービルを1日自由に運転できる権利を懸賞にかけると、1ヶ月の応募総数は15,000を越えた。
現在8台のウィーナーモービルが走行中である。
年 | 製造者 | 車体 | エンジン |
---|---|---|---|
1936 | ジェネラル・ボディ・カンパニー (イリノイ州シカゴ) | 車体から製造 | N/A |
1952 | ガーステンスレイガー (オハイオ州ウースター) | ダッジの車体 | N/A |
1958 | ブルックス・スティーヴンス | ウィリスのジープの車体 | N/A |
1969 | オスカー・マイヤー (ウィスコンシン州マディソン) | シボレーの車体、フォード・サンダーバードのテールライト | V6エンジン |
1975 | プラスチック・プロダクト (ウィスコンシン州ミルウォーキー) | ガラス繊維と発泡スチロールで1969年版を改造 | V6エンジン |
1988 | スティーヴンス・オートモーティヴ・コーポレーション (ウィスコンシン州ミルウォーキー) | シボレーのバンの車体、フォード・サンダーバードのテールライト | V6エンジン |
1995 | ハリー・ベントリー・ブラッドリーからカーリン・マニュファクチュア (カリフォルニア州フレズノ) | ポンティアック・グランダムのヘッドライト、 ポンティアック・トランザムのテールライトを使用し独自に車体を製造 | N/A |
2000 | クラフツメン・インダストリーズ (ミズーリ州セントチャールズ) | いすゞ・エルフ(GMC Wシリーズ)の車体 | 5700 ボーテック V8 |
2001 | クラフツメン・インダストリーズ (テキサス州サンアントニオ) | ダッジ・ラム(RAM 1500シリーズ)の車体、フリップト・アクセル | 5.2L マグナム V8 |
2004 | プロトタイプ・ソース (カリフォルニア州サンタバーバラ) | いすゞ・エルフ(GMC Wシリーズ)の車体、ポンティアック・ファイヤーバードのテールライト | 6.0L 300–5700 ボーテック V8 |
2008 | プロトタイプ・ソース (カリフォルニア州サンタバーバラ) | ミニ クーパー S | 1.6L スーパーチャージド I-4 |
出典: オスカー・マイヤー [1]
日本でも1988年型がプリマハムにより全国キャラバン「プリマウインナー号」用として購入されており、1992年ごろまで各地の幼稚園などに出向き交通安全の啓蒙活動などを行っていた。本国仕様との違いとしてはバックミラーの大型化、アンダーミラー、ハイマウントストップランプの設置などが挙げられる。引退後は同社三重工場(三重県伊賀市)に保存されており、当初は工場見学で乗車もできたが、現在は定置され、静態保存されている。なお、定置場所の関係上、名阪国道から見ることができる。
運転手
現在8台のウィンナーモービルが走行中で、うち6台がフルサイズのファミリア・モデル、1台はミニ、もう1台はフード・トラックであり、それぞれが全米各地に赴いている。『ホットドッガー』と呼ばれる運転手達の応募資格は卒業見込みのある大学4年生のアメリカ国民であることで、6月1日から翌年の6月1日まで続く。現役のホットドッガーとオスカー・マイヤーの求人担当者が次年度のホットドッガーの募集のため全米の大学を訪れる。毎年平均2,000通の応募があり、3月に最終選考に残った30名はクラフトフーヅとオスカー・マイヤーの本社のあるウィスコンシン州マディソンに面接に行く。6台のウィーナーモービル1台につき2名まで乗れるため、12名が選考される。これまでのホットドッガー経験者は総計約300名である。アメリカ合衆国下院議員のポール・ライアンはホットドッガーではなかったが、夏季のクラフトの販売員のアルバイトの際に1度だけウィーナーモービルを運転したことがあると報じられている[2]。
- ^ Cruising in Time
- ^ Gilbert, Craig (2009年4月26日). “Ryan draws inspiration from family, mentors.”. Journal Sentinel 2012年8月15日閲覧。
- ^ “Oh I Wish plates (Photos of plates)”. 2009年12月25日閲覧。
- ^ 「私を味わって」とホットドッグにかけるレリッシュの洒落。
- ^ http://forums.anandtech.com/archive/index.php/t-832593.html
- ^ http://www.shortnews.com/start.cfm?id=22803
- ^ Cop pulls over Wienermobile as stolen
- ^ Police officer stops Wienermobile
- ^ All the Latest Frankfurter Developments
- ^ Cops ketchup with Wienermobile
- ^ http://www.chicagotribune.com/news/local/chi-web_wieneraug10,0,6936594.story
- ^ Wienermobile wipes out
- ^ “Oscar Mayer Wienermobile loses control, crashes into Racine home”. 2009年7月17日閲覧。
- 1 ウィンナーモービルとは
- 2 ウィンナーモービルの概要
- 3 おもちゃ
- 4 外部リンク
- ウィンナーモービルのページへのリンク