ウィンナーモービル ウィンナーモービルの概要

ウィンナーモービル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/14 08:06 UTC 版)

2005年北米国際オートショーに出品した1952年式のウィーナーモービル
 
ミネソタ州ロチェスター市内を走るウィーナーモービル

歴史

1936年に誕生したカール・マイヤーの初代ウィーナーモービル[1]から、現在走行中の現役車まで発展してきた。第二次世界大戦中はガソリンが配給制になったため操業されなかったが、1950年代、オスカー・マイヤーと車体メーカーのガーステンスレイガー英語版社はダッジやウィリスのジープの車体を使用して何台かのウィーナーモービルを作った。それらのうちの1台がミシガン州ディアボーンヘンリーフォード博物館に展示されている。これらのウィンナーモービルは『リトル・オスカー』と呼ばれていた運転手により店舗、学校、孤児院、子供病院を訪問したり、パレードやフェスティバルに参加したりした。

1969年シボレーの車体を使い、フォード・サンダーバードテールライトを特徴とした新しいウィーナーモービルが作られた。1969年版は海外に渡航した最初のウィーナーモービルとなった。1976年、再度シボレーの車体を用い、プラスチック・プロダクト社がガラス繊維と発泡スチロールを用いて新車を作成した。

1988年、オスカー・マイヤーはホットドッガープログラムを開始。大学新卒者が全米各地および海外でウィンナーモービルの運転手として雇われた。新しいホットドッガーズのために、スティーヴンス・オートモーティヴ・コーポレーションと業界で著名なデザイナーブルックス・スティーヴンス英語版が改造したシボレーのバンを使い、高速に耐え得る6台のウィーナーモービルを製造した。

1995年版では長さ27フィート (8.2 m)、高さ11フィート (3.4 m)となった。2004年版では音声起動できるカーナビゲーションとワイヤレス・マイク付きの音響システム、ケイジャンラップボサノヴァなど21種類のウィーナー・ジングルを鳴らすことができる警笛を搭載し、ヒストリーのドキュメンタリー 『アメリカ人は何を食べてきたのか英語版』によると4代目ポンティアック・ファイヤーバードのテールライトを使用している。

2004年、オスカー・マイヤーがウィーナーモービルを1日自由に運転できる権利を懸賞にかけると、1ヶ月の応募総数は15,000を越えた。

現在8台のウィーナーモービルが走行中である。

製造者 車体 エンジン
1936 ジェネラル・ボディ・カンパニー (イリノイ州シカゴ) 車体から製造 N/A
1952 ガーステンスレイガー (オハイオ州ウースター) ダッジの車体 N/A
1958 ブルックス・スティーヴンス ウィリスのジープの車体 N/A
1969 オスカー・マイヤー (ウィスコンシン州マディソン) シボレーの車体、フォード・サンダーバードのテールライト V6エンジン
1975 プラスチック・プロダクト (ウィスコンシン州ミルウォーキー) ガラス繊維と発泡スチロールで1969年版を改造 V6エンジン
1988 スティーヴンス・オートモーティヴ・コーポレーション (ウィスコンシン州ミルウォーキー) シボレーのバンの車体、フォード・サンダーバードのテールライト V6エンジン
1995 ハリー・ベントリー・ブラッドリー英語版からカーリン・マニュファクチュア (カリフォルニア州フレズノ) ポンティアック・グランダムのヘッドライト、 ポンティアック・トランザムのテールライトを使用し独自に車体を製造 N/A
2000 クラフツメン・インダストリーズ英語版 (ミズーリ州セントチャールズ) いすゞ・エルフ(GMC Wシリーズ)の車体 5700 ボーテック V8
2001 クラフツメン・インダストリーズ英語版 (テキサス州サンアントニオ) ダッジ・ラム(RAM 1500シリーズ)の車体、フリップト・アクセル 5.2L マグナム V8
2004 プロトタイプ・ソース (カリフォルニア州サンタバーバラ) いすゞ・エルフ(GMC Wシリーズ)の車体、ポンティアック・ファイヤーバードのテールライト 6.0L 300–5700 ボーテック V8
2008 プロトタイプ・ソース (カリフォルニア州サンタバーバラ) ミニ クーパー S 1.6L スーパーチャージド I-4

出典: オスカー・マイヤー [1]


日本でも1988年型がプリマハムにより全国キャラバン「プリマウインナー号」用として購入されており、1992年ごろまで各地の幼稚園などに出向き交通安全の啓蒙活動などを行っていた。本国仕様との違いとしてはバックミラーの大型化、アンダーミラー、ハイマウントストップランプの設置などが挙げられる。引退後は同社三重工場(三重県伊賀市)に保存されており、当初は工場見学で乗車もできたが、現在は定置され、静態保存されている。なお、定置場所の関係上、名阪国道から見ることができる。

運転手

現在8台のウィンナーモービルが走行中で、うち6台がフルサイズのファミリア・モデル、1台はミニ、もう1台はフード・トラックであり、それぞれが全米各地に赴いている。『ホットドッガー』と呼ばれる運転手達の応募資格は卒業見込みのある大学4年生のアメリカ国民であることで、6月1日から翌年の6月1日まで続く。現役のホットドッガーとオスカー・マイヤーの求人担当者が次年度のホットドッガーの募集のため全米の大学を訪れる。毎年平均2,000通の応募があり、3月に最終選考に残った30名はクラフトフーヅとオスカー・マイヤーの本社のあるウィスコンシン州マディソンに面接に行く。6台のウィーナーモービル1台につき2名まで乗れるため、12名が選考される。これまでのホットドッガー経験者は総計約300名である。アメリカ合衆国下院議員のポール・ライアンはホットドッガーではなかったが、夏季のクラフトの販売員のアルバイトの際に1度だけウィーナーモービルを運転したことがあると報じられている[2]




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