イラクリオン 名称

イラクリオン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/10 04:51 UTC 版)

名称

イラクリオンカサレヴサによる発音・表記で、現代ギリシャ語デモティキ)ではイラクリオΗράκλειο / Iraklio) 。

イタリア語およびトルコ語での呼称は カンディア (イタリア語: Candia ; トルコ語: Kandiye)。これは、ヴェネツィアおよびオスマン帝国がこの都市を支配していたときの呼称でもある[1]

歴史

9世紀、イスラーム勢力によって街が建てられたとされるが、それ以前にも文明が存在したことを示す遺跡などが発見されている。その後、東ローマ帝国ジェノヴァなどの支配を経て、13世紀初頭に第4回十字軍で勢力を伸張させていたヴェネツィアの支配下におかれた。現在でも、ヴェネツィア領時代の要塞が残されている。その後、20年以上に渡る攻防戦を経て、1669年にオスマン帝国がこの都市を獲得した。20世紀初頭にギリシア領となった。

観光

市街地中心部
モロシニの泉
カザンザキスの墓

ミノア文明の遺跡である、クノッソス宮殿への観光拠点となっている。

  • 考古学博物館
  • クノッソス宮殿
  • モロシニの泉(ヴェニゼロス広場にある)

スポーツ

OFIクレタエルゴテリスFCの2つのサッカークラブが本拠地を置いており、両者の対戦はクレタ・ダービーと呼ばれている。

気候

地中海性気候のため、冬季は雨が多く、夏季は雨が少なく乾燥する。夏季の日照時間は非常に長く、ほぼ毎日晴れる。年間を通じて温暖で、海洋性気候のため気温の日較差年較差が緯度の割には小さい。

イラクリオン(1961-1990)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 24.7
(76.5)
26.2
(79.2)
29.4
(84.9)
34.5
(94.1)
38.0
(100.4)
41.3
(106.3)
41.0
(105.8)
42.0
(107.6)
39.5
(103.1)
35.7
(96.3)
31.2
(88.2)
28.5
(83.3)
42
(107.6)
平均最高気温 °C°F 15.2
(59.4)
15.5
(59.9)
16.8
(62.2)
20.2
(68.4)
23.5
(74.3)
27.3
(81.1)
28.6
(83.5)
28.4
(83.1)
26.4
(79.5)
23.1
(73.6)
20.1
(68.2)
17.0
(62.6)
21.9
(71.4)
日平均気温 °C°F 12.6
(54.7)
12.8
(55)
13.8
(56.8)
16.6
(61.9)
19.7
(67.5)
23.7
(74.7)
25.7
(78.3)
25.6
(78.1)
23.4
(74.1)
20.3
(68.5)
17.4
(63.3)
14.5
(58.1)
18.9
(66)
平均最低気温 °C°F 10.0
(50)
10.0
(50)
10.8
(51.4)
13.0
(55.4)
15.9
(60.6)
20.0
(68)
22.7
(72.9)
22.7
(72.9)
20.3
(68.5)
17.5
(63.5)
14.7
(58.5)
12.0
(53.6)
15.8
(60.4)
最低気温記録 °C°F 1.2
(34.2)
1.4
(34.5)
3.3
(37.9)
6.4
(43.5)
8.0
(46.4)
13.2
(55.8)
16.2
(61.2)
16.6
(61.9)
13.5
(56.3)
9.7
(49.5)
6.4
(43.5)
3.4
(38.1)
1.2
(34.2)
降水量 mm (inch) 91.5
(3.602)
77.4
(3.047)
57.4
(2.26)
30.0
(1.181)
15.2
(0.598)
3.2
(0.126)
1.0
(0.039)
0.7
(0.028)
19.5
(0.768)
68.8
(2.709)
58.8
(2.315)
77.1
(3.035)
500.6
(19.709)
平均降水日数 10.1 9.1 6.9 3.4 1.9 0.5 0.1 0.1 1.3 4.9 6.0 8.9 53.2
平均月間日照時間 117.8 124.7 176.7 228.0 300.7 351.0 372.0 347.2 282.0 198.4 150.0 120.9 2,769.4
出典:Hong Kong Observatory[2] NOAA (extremes)[3]

交通

アテネの外港都市であるピレウスからフェリーが出ている。イラクリオン空港があり、アテネなどへの便が出ている。

クレタ島内の中心都市として、ハニアなど島内の各都市へのバスが出ている。


  1. ^ 亀長洋子『イタリアの中世都市』山川出版社、2011年、84頁。ISBN 978-4-634-34944-5 
  2. ^ "Climatological Information for Iraklion, Greece" – Hong Kong Observatory
  3. ^ Iraklion Climate Normals 1961-1990”. National Oceanic and Atmospheric Administration. 2012年12月19日閲覧。


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