アイルランド聖公会
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/07 04:34 UTC 版)
構造
アイルランド聖公会の運営形態は、他の聖公会派と同じく監督制をとっている。教会自体は宗教改革以前のものもそのまま使用しており、地理的な小教区 (parishes) は教区 (dioceses) に内包されている(市と県との関係のようなもの)。教区は12で構成されており、それぞれを主教がまとめている。さらに、南の5区はダブリン大主教がまとめており、北の7区はアーマー大主教がまとめる形となっている。これらは尊敬をこめて前者はアイルランド首座主教と呼ばれ、後者は全アイルランド首座主教と呼ばれるが、この呼び方においてはアーマー大主教が上であることが明示されている。しかしこの差はアーマー大主教の方が、ダブリン大主教と比較すればわずかに大きな権限を持っているという程度である。なお、アーマー大主教は教会のトップ、そしてスポークスマンとして尊敬されており、またその選出には他の主教とは別の過程を取っている。
教会法および教会の方針は総会によって決定され、方針の変更には主教院(House of Bishops)と代表院(House of Representatives。司祭と一般信徒からなる)の両方で可決されなければならない。ただし重要な変更(たとえば女性を聖職につけるといったもの)については3分の2の可決が必要とされる。投票について代表院は、慣例的にしばしば公開投票をおこなう一方で、主教院は総会で結果が出る以前に非公開で投票を行う傾向がある。これは過去に1度だけ破られたことがあり、1999年5月18日(この年のキリストの昇天の日)、ポータダウン近郊のドラムクリー教会において、アーマー主教区と総会の代表者たちが難局を打開しようと試みる中、主教院は「アーマー大主教の努力」[13]を認めるために公開投票において満場一致で可決した。
- ^ アイルランドの標準名データベース、Civil parishes項アイルランド語版 and 英語版 - "na bparóistí Caitliceacha nua-aimseartha ná pharóistí Eaglais na hÉireann."
- ^ http://www.ireland.anglican.org/index.php?do=about アイルランド聖公会の公式HP
- ^ http://www.ireland.anglican.org/index.php?do=information&id=23 アイルランド聖公会公式HP、聖公会の範囲について
- ^ キリスト教の教義と歴史、批評ノート1。教義の歴史(英語)
- ^ 1976年に米国聖公会が同性愛者の権利などを認めて以来、現在にいたるまで女性聖職者や同性愛者聖職者についてこれを認めるか否かで大教区によって、さらにその中の主教区においても意見が分かれている。参考:Gay Japan News
- ^ 世界の旗アイルランド聖公会の旗としてのセントパトリック旗(英語)
- ^ 聖公会のメンバーは2002年から2006年にかけて8.7%上昇したが、その間の人口増加は8.2%にとどまっている(アイルランド中央統計局)2006年国勢調査、人口統計の結果
- ^ ダブリン大主教のジョン・ネイルは2007年10月17日に『アイリッシュ・インディペンデント』(アイルランドで最も売れている日刊新聞)においてかなりの数のカトリック教徒がアイルランド聖公会に加入していることを述べている。該当インタビュー(英語)
- ^ 『コロンバ・プレス』2007年5月23日『From Roman Catholic Priest to Church of Ireland Rector』より(マーク・ハイドンという人物の宗派替えについての記事) [1] Archived 2007年11月21日, at the Wayback Machine.
- ^ ウェスタン・ピープル・ニュースペーパー、2007年6月6日の記事 Archived 2007年11月14日, at the Wayback Machine.
- ^ アイリッシュ・インディペンデント、2008年2月26日の記事
- ^ Irish Times, 10 May 2008
- ^ [2] - この際可決されたものは先の記述にある聖パトリック旗以外の旗を使用することを禁止するもの。URLはその広報
- ^ Anglican Listening Archived 2008年7月5日, at the Wayback Machine. - 聖書、伝統、理性がどのように互いに強く擁護し批判するのかという詳しい説明(英語)
- アイルランド聖公会のページへのリンク