アラワクとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > アラワクの意味・解説 

アラワク族

(アラワク から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/28 10:06 UTC 版)

アラワクの村(19世紀半ばの記事から)
アラワク族の女性
J.G.ステッドマンの著書から

アラワク族(アラワクぞく、Arawak)は、南米ボリビアの北西部やペルーのモンクーナヤ地方、スリナムガイアナおよびアマゾン下流域などに定住するアメリカ先住民族アラワク語を話す。

歴史

かつては南米からカヌーカリブ海の島々に渡り住んでいた。スペイン人が新大陸侵攻を始める前は、カシーケと言われる首長を頂点に、近隣の部族との戦争でとらえられた捕虜を奴隷として使う成層社会を形成していた。

スペイン人による新大陸侵入以来、アラワク族は急激にその数を減じていった。特に、西インド諸島に定住していたアラワク族は、敵対していたカリブ族ヨーロッパ人の侵攻などにより、民族としての滅亡への道を辿る。小アンティル諸島に定住していたアラワク族は、まず、同じ南米から来たカリブ族に追いやられた。そして、西インド諸島の島々がヨーロッパ人により次々と征服されると、キューバジャマイカイスパニョーラ島など大アンティル諸島の島々に定住していたアラワク族は強制労働を強いられた。追い討ちをかけるように、ヨーロッパ人が持ち込んだ病気により、免疫力が殆ど無いアラワク族は激減して行った。その結果、現在では、西インド諸島では民族としてのアラワク族は存在しない。

現在は小さな集落にかたまって暮らし、一般に共通の言語や共通の習慣・婚姻関係によって結ばれた親族関係によって辛うじて統合されている。主に狩猟や食物採集に従事していて、また、樹皮製カヌーで漁労を行う。開けた平原や乾燥した台地においては、マニオクトウモロコシワタを中心とした原始的農耕を行っている。

このように一部の中南米の地域のみにおいて、アラワク族は細々と生き延びている。

関連文献

  • 国本伊代 編『カリブ海世界を知るための70章』明石書店、2017年。 
  • アーヴィング・ラウス英語版 著、杉野目康子 訳『タイノ人―コロンブスが出会ったカリブの民』法政大学出版局〈叢書ウニベルシタス〉、2004年。 (原書 Rouse, Irving (1992), The Tainos: Rise and Decline of the People Who Greeted Columbus (英語), Yale University Press

外部リンク


「アラワク」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「アラワク」の関連用語

アラワクのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アラワクのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアラワク族 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS