iCasp9
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 14:50 UTC 版)
iCasp9(inducible caspase-9)は、キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T細胞)の制御システムの1つである。CAR-T細胞は、腫瘍細胞に対する細胞傷害性を示す、遺伝的に改変されたT細胞である。CAR-T細胞は、B細胞性悪性腫瘍に対する有効性が示されている。しかしながら、CAR-T細胞の細胞傷害性のため、細胞とその標的の制御が重要である。CAR-T細胞の制御のさまざまな手法の1つとして、薬剤制御による合成系がある。iCaspはカスパーゼ-9の改変とFK506結合タンパク質(FKBP)との融合によって創出された分子であり、誘導性の自殺遺伝子としてCAR-T細胞に付加される。CAR-T細胞による治療で重篤な副作用が生じた場合、治療の中止のためにiCasp9が利用される。ラパマイシンなどの低分子薬剤を投与すると、薬剤はFK506ドメインに結合する。その結果、カスパーゼ-9の発現が誘導され、CAR-T細胞の細胞死が開始される。
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