azooKey
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/26 06:22 UTC 版)
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作者 | 三輪敬太 |
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最新版 | |
リポジトリ | |
プログラミング 言語 |
Swift |
対応OS | |
対応言語 | |
サポート状況 | 開発中 |
種別 | 日本語入力システム |
ライセンス | MITライセンス |
公式サイト | azookey |
azooKeyは、iOS・iPadOS向けのFOSSの日本語入力システムである[2]。Swiftで書かれており、独自開発のかな漢字変換エンジン、ライブ変換、カスタムキー、カスタムタブなどの機能を提供している[2]。
本項目ではmacOS向けのazooKey on macOSとSwift PackageのAzooKeyKanaKanjiConverterについても記述する。
歴史
azooKeyの開発は2020年に三輪敬太によって開始された[3]。
当初はプロプライエタリソフトウェアであったが、2023年にオープンソース化されMITライセンスで配布されるようになった[4]。
2024年、macOS版azooKeyが情報処理推進機構の同年度未踏IT人材発掘・育成事業に「ニューラル言語モデルによる個人最適な日本語入力システムの開発」として採択された[5][6]。
azooKey on macOS
作者 | 三輪敬太 |
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リポジトリ | https://github.com/azooKey/azooKey-Desktop ![]() |
プログラミング 言語 |
Swift |
対応OS | macOS |
サポート状況 | 開発中 |
種別 | 日本語入力システム |
ライセンス | MITライセンス |
公式サイト | azookey![]() |
azooKey on macOSは、macOS向けのazooKeyである[7]。iOS・iPadOS向けのものと同じくSwiftで書かれており、MITライセンスで配布されている[7]。
ニューラル言語モデルに基づいたかな漢字変換システム「Zenzai」を搭載し、個人最適化のためのシステム「Tuner」と連携することで個人最適な変換候補を提示する日本語入力システムを実現している[8]。ZenzaiはGPT-2ベースのかな漢字変換に特化した軽量なニューラル言語モデル「zenz」を利用して強い文脈理解を実現しながら、GPUによる高速化とアルゴリズム面の工夫によってApple M1程度の環境でも快適に動作する[6][9]。Tunerは画面に表示されたテキストなどを収集してユーザーに特化した言語モデルを構築し、Zenzaiの推論時に使用する[9]。
ニューラルかな漢字変換はローカルにある言語モデルを使用し、変換処理や入力はすべてローカルで処理される[10][11]。
2025年、三輪はZenzaiの開発により言語処理学会第31回年次大会で若手奨励賞を受賞した[12][11]。
AzooKeyKanaKanjiConverter
作者 | 三輪敬太 |
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最新版 | |
リポジトリ | https://github.com/azooKey/AzooKeyKanaKanjiConverter ![]() |
プログラミング 言語 |
Swift |
対応OS | |
サポート状況 | 開発中 |
種別 | 日本語入力システム |
ライセンス | MITライセンス |
公式サイト | azookey![]() |
AzooKeyKanaKanjiConverterは、azooKeyに搭載したかな漢字変換エンジンを実装するSwift Packageであり、MITライセンスで配布されている[14]。
当初はazooKey内部のモジュールとして存在していたが、Swift Packageとして利用したいという要望から独立したリポジトリとして切り出された[15]。
ZenzaiはAzooKeyKanaKanjiConverterの内部に組み込まれる形で存在する[16]。
AzooKeyKanaKanjiConverterはクロスプラットフォームで、LinuxやMicrosoft WindowsなどのApple以外が開発しているオペレーティングシステムでも動作する[17]。
実装 | ライセンス | 言語 | 説明 |
---|---|---|---|
fcitx5-hazkey | MITライセンス | Linux向けのクライアント実装。 | |
azooKey-Windows | 不明 | Microsoft Windows向けのクライアント実装。 | |
azoo-key-skkserv | MITライセンス | Swift | SKKクライアント向けのSKKサーバ実装。 |
脚注
- ^ “Release 2.4.2”. 3 June 2025. 2025年8月25日閲覧.
- ^ a b “azooKey/README.md at main · azooKey/azooKey” (英語). GitHub. GitHub, Inc.. 2025年8月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年8月25日閲覧。
- ^ “Q&A”. azooKey - 自由自在なキーボードアプリ. 2025年7月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年8月25日閲覧。
- ^ 三輪, 敬太 (2023年2月5日). “iOS向け日本語キーボードアプリ「azooKey」をOSSにした”. Zenn. クラスメソッド株式会社. 2025年7月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年8月25日閲覧。
- ^ “未踏IT人材発掘・育成事業:2024年度採択プロジェクト概要(三輪・高橋PJ) | デジタル人材の育成”. IPA 独立行政法人 情報処理推進機構. IPA (2024年6月25日). 2025年7月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年8月25日閲覧。
- ^ a b “スーパークリエータ 三輪 敬太”. 未踏事業 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構. IPA. 2025年7月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年8月25日閲覧。
- ^ a b “azooKey/azooKey-Desktop” (英語). GitHub. GitHub, Inc.. 2025年8月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年8月25日閲覧。
- ^ “2024「ニューラル言語モデルによる個人最適な日本語入力システムの開発」の成果概要”. IPA (2025年4月17日). 2025年4月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年8月25日閲覧。
- ^ a b “2024「ニューラル言語モデルによる個人最適な日本語入力システムの開発」の成果詳細”. IPA (2025年4月17日). 2025年4月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年8月25日閲覧。
- ^ “macOS版 azooKey”. azooKey - 自由自在なキーボードアプリ. 2025年7月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年8月25日閲覧。
- ^ a b 小寺, 信良 (2025年7月17日). “AIパワー注入で日本語入力はこう変わる――文脈を読み取って変換する「azooKey on macOS」を試す”. ITmedia NEWS. アイティメディア株式会社. 2025年7月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年8月25日閲覧。
- ^ “言語処理学会第31回年次大会表彰一覧(NLP2025)”. anlp.jp. 言語処理学会 (2025年3月19日). 2025年6月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年8月25日閲覧。
- ^ “Release 0.10.1”. 3 August 2025. 2025年8月25日閲覧.
- ^ “オープンソース”. azooKey - 自由自在なキーボードアプリ. 2025年8月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年8月25日閲覧。
- ^ 三輪, 敬太 (2024年3月30日). “azooKeyの開発近況(2024年3月末バージョン)”. Zenn. クラスメソッド株式会社. 2025年6月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年8月25日閲覧。
- ^ 三輪, 敬太 (2024年5月16日). “ニューラルかな漢字変換エンジン「Zenzai」をazooKey on macOSに搭載します”. Zenn. クラスメソッド株式会社. 2025年7月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年8月25日閲覧。
- ^ 三輪, 敬太 (2025年6月12日). “azooKeyの開発近況(2025年6月バージョン)”. Zenn. クラスメソッド株式会社. 2025年7月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年8月25日閲覧。
外部リンク
- azooKeyのページへのリンク