THD+N
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/14 08:51 UTC 版)
実際の電子機器などの出力には全高調波歪だけではなく様々なノイズも含まれる。元の信号成分に対する全高調波歪+ノイズの比を全高調波歪+ノイズ(英: total harmonic distortion plus noise、THD+N)と呼び以下の式で定義できる。ここで N は直流を除いた全てのノイズ成分の実効値である。 THD+N = V 2 2 + V 3 2 + V 4 2 + ⋯ + V n 2 + N 2 V 1 {\displaystyle {\mbox{THD+N}}={\frac {\sqrt {V_{2}^{2}+V_{3}^{2}+V_{4}^{2}+\cdots +V_{n}^{2}+N^{2}}}{V_{1}}}} あるいは、もっと単純に以下の式で表現できる。 THD+N = V t o t a l 2 − V 1 2 V 1 {\displaystyle {\mbox{THD+N}}={\frac {\sqrt {V_{total}^{2}-V_{1}^{2}}}{V_{1}}}} ノイズは広い周波数成分を持ち周波数帯域を決めないと実効値が決まらないため、THD+N では範囲とする周波数帯域を条件として指定する必要がある。 THD+N は、単純には、測定対象の出力からノッチフィルタで元の信号成分のみを取り除いた成分の実効値を元の信号成分の実効値で割ることで、計算することができる。この方法は高調波以外の歪み成分やハムノイズなどの影響も反映した値を求めることができる。古くから使われている基本的な歪率計はこれに近い方式で歪率を測定しており、THD ではなく THD+N を測定していた。
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